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地元農家の野菜を活かした 仙台名物「宮城県産南蛮みそ漬」 健康フード「菊芋のきんぴら」

2024/03/22

今回、編集長アッキーが気になった製品は、漬物づくりで食文化の歴史と伝統を育む宮城県の「ゆたかや」です。同店を運営する豊屋食品工業株式会社・代表取締役の奥津幸徳氏に商品の魅力を取材陣がうかがいました。

豊屋食品工業株式会社 代表取締役 奥津幸徳氏
豊屋食品工業株式会社 代表取締役の奥津幸徳氏

―入社された経緯を教えてください。

奥津 私は豊屋食品工業の本社工場のある地元で公務員をしておりました。初代が町長と仲が良く、昔から役場と会社で交流がありましたが、2代目には娘さんしかいませんでした。ご縁があって私が娘さんと交際し、結婚することになり、後継ぎとして入社したのです。それが25年前のことです。

当社は1937年に酒屋からスタートし、1946年から漬物業に移行しました。

私は総務・経理といった業務を中心にしながら、前社長の隣について仕事を学んできました。民間と行政の橋渡し的な部分は前職の経験を生かして、うまくサポートできたと思います。東日本大震災の際は被災して業務継続が難しいのではと思われましたが、行政のサポートを得られるという話をして継続する道筋を作ることができました。

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栄養価が高い「菊芋のきんぴら」。

―社長になられて大変だったことはございますか。

奥津 6年前に2代目が亡くなり引き継ぎましたが、軌道にのってきたところでコロナ禍が始まりました。業務用を中心としたスタイルでしたが、お店が休業して問屋さんにおろせなくなり、販売先がなくなってしまったのです。そこから個人の消費者の方に向けた商品づくりが始まりましたが、切り替えが大変でした。

―会社として創業時から大事にされていることを教えてください。

奥津 このあたりは大根の産地で、農家さんと契約して、たくあんなど大根の漬物を作るようになり、その後、多品種の漬物を作ってきました。青唐辛子の南蛮みそ漬は、仙台名物の牛タン店の付け合わせとして広まり、牛タン店の流行とともに生産量の増加が求められていました。青唐辛子はイノシシ除けにもなる野菜で作りたいという生産者も多く、当社が買いとって漬物にして牛タン店におろすというスタイルが確立しました。菊芋は、地元農家さんから活用法の相談を受け、きんぴらという商品にして販売することになりました。

農家さんの困りごとを解消したり、農家さんの繁栄をサポートする、提案された野菜で安心安全な新しい漬物を作るという事業の根本は変わっていないと思います。

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お酒のアテにもぴったり。

―「菊芋のきんぴら」はどういった商品でしょうか。

奥津 5年ほど前に製造した商品で、じっくり乳酸発酵させ、菊芋のもつパリパリな食感はそのままに、ごま油が香ばしいきんぴら風に漬込みました。菊芋に多く含まれる「イヌリン」という水溶性の食物繊維は糖質の吸収をおさえるといわれています。食物繊維が豊富なので、整腸作用も期待できます。皮のすぐ下に「イヌリン」を多く含むため、あえて皮つきのままスライスしました。

菊芋を扱うきっかけは、長年お取引のある農家さんから「菊芋を作ってみたが反応がなく、ゆたかやさんで何かに使えないですか」と相談があったことです。私のほうで菊芋について調べると健康効果が高い野菜だったので、ぜひ商品化したいと思いました。1年ほどの試行錯誤の末、きんぴらにしました。そのまま食べるのはもちろん、調味液も一緒に使って、料理に使っていただけます。

第10回新東北土産コンテストで入賞しましたが、菊芋の認知度はまだ低いので、これから認知度を上げてスーパーや駅、空港でも扱っていただけるようにしたいです。

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菊芋は、キク科の植物で根はショウガに似た形状。

―どういった食べ方がおすすめでしょうか。

奥津 シンプルにごはんにのせて食べるほか、刻んでサラダにしたり和風パスタにするのもおすすめです。濃いめの味付けなので、しっかりとしたアクセントになります。

お客様からは「初めて食べたけどすごくおいしかった」という声をたくさんいただいています。

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ポテトサラダと合わせて。のせても、混ぜても。

―「宮城県産南蛮みそ漬」はどういった商品でしょうか。

奥津 20年ほど前に作った商品で、牛タン店におろしております。宮城の牛タン店は宮城の漬物屋のモノを使いたいというのがあり、生産者の顔が見える国産のものが欲しい、信頼できるものが欲しいということから、当社のシェアが確立されたのだと思います。生産者の方は青唐辛子を作ることでイノシシ除けになり、ほかの作物が守れます。

唐辛子を味噌で和えていますが、合わせる味噌選びは試行錯誤しました。仙台味噌は辛い青唐辛子とはマッチせず、まろやかな麹味噌を合わせています。

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味噌漬けに最も適するといわれている青唐辛子の品種を使用。
厳重な選別を行い、南蛮の寸法を揃えているのも特徴。

―おすすめの食べ方はございますか。

奥津 野菜炒めのアクセントにしたり、ペペロンチーニに使うものをおすすめです。おにぎりの具材にするのもおいしいです。

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油揚げの上にスライスチーズとわさびのみじん切りを入れてオーブントースターで焼いたもの。
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おにぎりに混ぜたりのせたりしても。

―今後の展望を教えてください。

奥津 東北工業大学の学生さんたちが発酵食品を作って商品化するプロジェクトに協力させていただいています。漬物はごはんの付け合わせというイメージがありますが、パンにも合う、コーヒーや紅茶にも合うものを作ってもらえればと思っています。地元の野菜を使っていただければ、生産者の利益を守ることができます。地元でまかなえる形をどんどん広げていきたいですね。

生産者の見える野菜を使っていると従業員も愛着を持つことができます。できた漬物を「皆さんの野菜を使った商品ですよ」と生産者さんにお渡しするととても喜んでいただけるので、そういったつながりをこれからも大切にし、地元に愛される企業として事業を続けていきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「菊芋のきんぴら」

「菊芋のきんぴら」
価格:¥486(税込)
店名:ゆたかや
電話:0224-55-1071(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yutakaya.buyshop.jp/items/36581356
オンラインショップ:https://yutakaya.buyshop.jp

「宮城県産南蛮みそ漬け」

「宮城県産南蛮みそ漬」
価格:¥432(税込)
店名:ゆたかや
電話:0224-55-1071(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yutakaya.buyshop.jp/items/23348596
オンラインショップ:https://yutakaya.buyshop.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
奥津幸徳(豊屋食品工業株式会社 代表取締役)

平成元年4月から9年間地方公務員として働き、平成10年5月から現在の豊屋食品工業株式会社へ財務及び総務の責任者として常務取締役で入社。平成30年1月に前社長の他界に伴い就任。現在に至る。昭和40年秋田県生まれ。中央大学法学部卒。

<文/垣内栄 MC/伊藤マヤ 撮影/坂口明子 画像協力/豊屋食品工業>

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