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材料は和栗と砂糖のみ!新杵堂が自信を持って販売する栗きんとんの味の秘訣とは?

2024/02/29

編集長のアッキーが注目したのは、新杵堂の「栗きんとん」。栗と砂糖のみという極めてシンプルな材料で作られているにもかかわらず、おいしいと評判の和菓子です。そこで、今回は新杵堂グループ 取締役会長の田口和寿氏に栗きんとんの味の秘訣などをインタビューしてみました!

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新杵堂3代目 新杵堂グループ 取締役会長の田口和寿氏

―最初に、どのような少年時代だったかをお話いただけますか?

田口 新杵堂は1948年に祖父である田口由松が創業した小さな和菓子店で、私は小さい頃からずっと祖父と両親が手作りでお菓子を作る姿を見て育ちました。毎朝4時から夜中の2時まで働くような生活を送り、家族総出で働いていてもご飯も満足に食べられないような貧しさでした。

そのような姿を見て、漠然と「なぜなんだろう?」という思いと、「私が継いだ際には、創業者から継承した企業理念の『お菓子で人々を幸せにする』という人生を歩めるようにしたい」と子どもながら思っていました。

―大変な少年時代を過ごされたということですね。

田口 はい。祖父はお金儲けよりも、「お菓子で人々を幸せにする」という気持ちが強く、さらにこれを自分の人生にかかげていました。そして亡くなるときに、「お前は世界に通じるようなお菓子の会社を目指せ」と私に言葉を残してくれたので、この言葉が今の私の根源になっています。

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伝統継承と革新への挑戦をし続ける新杵堂。

―少年時代を過ぎて、新杵堂を継がれるまでの経緯はどのようなものでしたか?

田口 18歳で上京し、20歳からは東京赤坂の宮内庁御用達高級和菓子店で、5年間住み込みで修業をさせていただき、人間とは何かを大先輩の皆様から学ばせていただきました。そして25歳から5年間、米国ニューヨークでパティシエを行い、次にパリのチョコレート会社で1年間修業して、30歳の時に帰国し、自分で新会社を設立しました。

そこから20年ほど新杵堂の経営を行い、50歳になったときに代表取締役を兼務しながら新杵堂グループ代表に就任しました。現在はシンガポールを含め世界7か国に11社のグループ会社を作り、それらの会社役員になっています。日本国内の経営は新社長や役員に任せて、新杵堂グループ全体で協力して盛り立てています。お陰様で従業員が200人弱になるまで成長し、業績も5年で225%以上の成長ができました。

―現在はシンガポールにお住まいで?

田口 というより、シンガポールを拠点住居として、日本を含めた各国を毎月10日ほど巡っています。シンガポールという国は、日本のようにビジネスに優しい国ではありません。毎日新しいサービスが始まり、毎日新しいサービスが終わっていくという、激変していく国です。そういう国に身を置けば、祖父の「世界一に通じるようなお菓子を目指す」というところに少しでも近づけるのではないかと。特別な能力があるわけではない私のような人間でも、世界を目指すには最適な国だと思っています。

こうしてシンガポールに在住しながら学び、これからの日本に新杵堂グループの企業理念で少しでも貢献できたら、私が生きていたという価値があるのではと日々精進しております。

―新杵堂名物の栗きんとんについてお伺いします。こちらは伝統的な和菓子ですか?

田口 そうです。技術・味・作り方などは、1948年(昭和23年)創業当時から77年以上ずっと継承しています。ところが、これには一つマイナスな面がありまして、栗きんとんを作るにはかなりの重労働を強いられるという点です。先程、家族が朝から夜中まで働いていたと申しましたが、ここまでやらないと新杵堂の栗きんとんというものは作れないのです。

そこでどうしたかというと、今から3年前に会社の全資産を投資して、栗きんとんを作る工程の98%ほどを機械化しました。そうすることで、「世界最高品質基準FSSC22000取得」「労働時間の縮小と残業時間の縮小」「1日製造個数が3万個から7万個以上可能」「従業員皆様の休暇取得」が可能になったのです。

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新杵堂で代々引き継ぐ名物菓子、栗きんとん。

―全財産を投資して機械化!それまではすべて手作業で?

田口 そうです。もうそれは大変で。社員総出で作っていたという感じでした。

栗きんとんはどの工程もすべて大変で。「皮むき」「洗浄」「こす」「蒸す」「成形」「包装」すべてが重労働で、全部人の手でやっていました。社員はずっと立ち仕事で、かなり負担をかけている。会社が成長するよりも前に皆が倒れてしまう。これではダメだと。

現在、製造工程を機械化したことで、おかげさまで大量生産と商品安全確保、従業員業務の改善に繋がり、結果的にお客様にもごひいきいただいています。

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機械化され、衛生管理が徹底化された新杵堂の工場。

―機械化で味は変わらないものですか?

田口 そうですね。変わらないようにそこは設備投資を行う機械会社の皆様との研究を重ねました。財団法人で新杵堂菓子研究所という第三者機関を作り、そこで世界中の皆様にお菓子の味を厳しく評価していただけるように、いろいろな目線で企業理念を守り続けています。

とはいえ、機械がしてくれる領域が拡大しても、職人のちょっとした温度管理とか、室温とか、水などの加減で、栗きんとんの味が少しずれてしまうこともあります。いつも味を均一にするためにも、必ず毎日幹部・職人社員の3名以上が食べて、全員がOKと言わないとその日は出荷しないというルールにしています。

―実際に出荷しなかった日はあるのですか?

田口 年に数回くらいあります。少し味がいつもと違うとか、色が違うとか。1日出荷できないだけでもかなりの損失が出ますから、会社としましてはかなりの痛手になります。しかし、お客様からの信用や私どもの企業理念「お菓子で人々を幸せにする」を守るためには、ここは譲れないところです。

―栗きんとんに使用されている栗の産地はどちらですか?

田口 愛媛県松山と熊本県などから良質なものを仕入れています。収穫時期には、私自らが現地に出向いて、生産者皆様の顔を見て話しを聞きながら、安心安全を最優先にして仕入れを決断しています。

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新杵堂の栗きんとんは良質な国産栗を100%使用。

―最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか?

田口 会社成長を目指し、もっと立派な企業群にしたいという考えはあります。それよりも今は、「お菓子で人々を幸せにする」という企業理念をもっと大事にしたいという気持ちのほうが高いかもしれません。日本だけではなく、世界中の人々に新杵堂のお菓子を食べていただきたい。現在23か国にお菓子を輸出貿易していますが、5年以内に45か国、10年後には60か国までに伸ばすのが私の人生をかけた使命だと思っています。その結果として、社員の皆さんの想いもアップして、もっと幸せを感じてくれるのであれば私も幸せです。

とにかく、少年時代にお金に苦労した寂しい気持ちを、社員や家族には絶対にさせたくない。そういう気持ちが、私の魂のどこかにいつもありますので、常に最先端を見て前に向かって進んでいかなければならないと思っています。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

「栗きんとん 6個入り」

「栗きんとん 6個入り」
サイズ:縦約40mm×横約25mm×高約15mm(1個)
価格:¥2,980(税込)送料無料(楽天)
店名:新杵堂公式オンラインショップ
電話:0120-65-2809(9:30~17:00 土日・祝日は除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/shinkinedo/a-aw3-6
オンラインショップ:https://shop.shinkinedo.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
田口和寿(株式会社新杵堂 新杵堂グループ会長)

1970年生まれ。株式会社塩野へ入社し5年間の和菓子修行をする。その後、激変する世界を体感すべくニューヨークへ渡り、5年間の洋菓子修行期間へ突入。1988年に日本へ帰国し、2代目が個人で営んでいた「新杵堂」を有限会社新杵堂へ組織変更、代表取締役へ就任。2002年には株式会社新杵堂へ。現在は新杵堂グループ会長として、精力的に国内外を飛び回っている。

<文/鶴良子 MC/高橋知・三好彩子 画像協力/新杵堂>

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