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埼玉で愛される 老舗和菓子店の生サブレ 「やわらかゴールドプレーン」

2022/08/25

今回、編集長アッキーが気になったのは、埼玉のお菓子「やわらか」です。株式会社梅林堂の代表取締役社長・栗原良太氏に、商品にこめられた思いやこだわりを取材陣がうかがいました。

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株式会社梅林堂 代表取締役社長の栗原良太氏

―創業の経緯を教えてください。

栗原 梅林堂の創業は1864年の元治元年です。1945年の空襲で資料のほとんどが焼失してしまいましたが、当時農民の出であった初代栗原久兵衛があんころもちなど和菓子を作って販売したのが始まりです。代がかわり、2代目の栗原寅吉は、繁盛店への修行として東京の風月堂様に見習いに行かせていただきました。そのとき、数多くのヨーロッパから伝来したお菓子を学びました。梅林堂に戻ったのちに修行先で学んだお菓子の再現を試行錯誤しながら試みました。その商品開発における試行錯誤の過程のなかで、従来の和菓子の技術にヨーロッパの製菓技術を導入したメレンゲ菓子「荒川さざれ」が生まれました。私で6代目になりますが、梅林堂の商品に和菓子の技術を継承しながら、洋菓子の技術も取り入れたお菓子が多いのは、そういった梅林堂の歴史があるからです。

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「やわらか」は、
たくさんの「ありがとう」と「はじめまして」に
華をそえるお菓子として埼玉で愛されています。

―栗原社長は25歳で入社されて、ご苦労はありましたか。

栗原 まずは工場長として現場で働くことから始まり、朝から工場の鍵を開けて、ボイラーの火を付けて、作業の段取りをし、戸締りをして帰るという生活でした。当時は製菓技術のことや製造機械のことなど、何もわかっておらず、工場で夜を明かすことも珍しくない、まさに綱渡りの毎日だったのを覚えています。

―看板商品である「やわらか」はどのように誕生したのでしょうか。

栗原 15年ほど前に生地がやわらかいサブレを見て、「これは売れる」と思い、自社でも作り始めました。類似する商品が今は数多くありますが、生サブレの発売は業界の中では早かったのではと思います。販売前の開発当初はお菓子としての香りの不足を感じ、何度も試作をして、サブレの生地の中にきな粉を入れることで全体の香りを引き立たせることができました。きなこに辿りついたのは、埼玉の伝統ある地方銘菓「五家宝」があったからです。弊社でも販売しておりますが、きなこの香りが私の頭の中にインプットされていて、自然とつながりました。「五家宝」は近年でも埼玉の地方菓子として定着しておりますが、無意識のうちに「やわらか」にもそのエッセンスが入っていったのかと思います。つまるところ、「やわらか」は、150年間にわたる弊社のお菓子作りの経験が凝縮されたものだと思っています。

―「やわらか」の開発で大変だったことはありますか。

栗原 今は年間で650万個ぐらい売れていますが、販売開始当初は20万個ぐらいで、売れているとはいえませんでした。「もうやめてしまおうかな」と思ったときに、私の身近な先輩が「おいしい」と言ってくれて、ふんばることができました。その後改めてこの商品について考えた末に、お菓子の名前もデザインも変えることにしました。当初は「物言い地蔵」という商品名でしたが「やわらか」としたことで、急激に売上が伸びました。これは名称を「やわらか」としたことで、中のお菓子のイメージとのマッチングが良くなり、それが成功の要因だと思います。

―今回ご紹介する「やわらかゴールドプレーン」は10周年のリブランディング商品ですね。

栗原 埼玉のお客様や埼玉県について様々なことを追及して考え、新しく「心やさしい埼玉のお菓子 生サブレ」とコンセプトを銘打ち、材料の吟味に加え、生地の練り方や焼き方にまでこだわり、今までの「やわらか」よりもふっくらと風味の良い焼き上がりになっています。さらにブラッシュアップして、バターの香りも加えました。

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丁寧に練りこまれた香ばしい生地を
やさしく焼き上げた、しっとりとした食感の生サブレ。

―バターもこだわって選定されたのでしょうか。

栗原 バターには水分含有量やそのバターの持つ香りの強弱など、驚くほど違いがあります。バターとしては僅かな違いですが、お菓子にして焼き上げるとお客様が口に入れる瞬間の風味の違いはとても大きな違いになります。そのため、「やわらか」でも、北海道産バターの香りを見極めて、しっかりとした風味が感じられるものを選んでいます。

―きなこにもこだわりはありますか。

栗原 きなこも自家焙煎で、香りの出し方を何度も試行錯誤して、今に至ります。北海道の大豆のなかでも、最も人気のある品種”とよまさり”を丁寧に下ごしらえしたものを使用し、バターを邪魔しない様に、甘みを引き出すための特別な浅煎りで仕込みをしています。その大豆の繊細な風味を殺さないよう、石臼と同じ製法で余計な熱を加えないよう慎重に製粉しています。

―どのようなシーンで召し上がっていただきたいでしょうか。

栗原 喧嘩しながらお菓子を食べる人はいません。ご自分でほっと一息つきたいとき、家族で食べる、友達同士で食べる。お菓子を食べながら話の花が咲いたり、親の愛情、子の慕情を思い出したり。心が温まるシーンでご利用いただければこんな嬉しいことはありません。

―お客様から声で印象的なものはありますか。

栗原 「梅林堂は埼玉の誇りだ」とおっしゃってくださったお客様がいらっしゃり、身が引き締まる思いでした。ありがたいお言葉で、もっともっと、お客様のために努力しなきゃいけないと、励ましていただきました。

―今後の展望をお聞かせください。

栗原 京都のよさは変わらないこと、変えないことですが、弊社のよさは変えることです。よりおいしくなるようにこれからも商品を磨いていきたいと思います。今までもいろんなお菓子を作ってまいりましたが、お菓子のおいしさには終着点がありません。シュークリームでも饅頭でもどこまでいけばもっと美味しくなるのか天井がないのでないかと考えています。そういう意味では暗中模索であり、わたしたちは何をどう作れば良いんだろうということについて常に思い悩んでいますが、その反面、それがお客様に喜んでいただける源だと思いますので、そこを追求して進んでいきたいです。

―素敵なお話をありがとうございました!

やわらかゴールドプレーン_商品

「やわらかゴールドプレーン16枚入」
価格:¥1,950(税込)
店名:梅林堂
電話:0120-889-449(10:00~18:00 日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.bairindo.co.jp/products/gold_plain_yawaraka_16.html
オンラインショップ:https://www.bairindo.co.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
栗原良太(株式会社梅林堂 代表取締役社長)

1955年埼玉県生まれ。1978年慶應義塾大学商学部を卒業。25歳で梅林堂に入社し、工場長、取締役を経て、平成7年より同社代表取締役社長に就任。埼玉県の地域密着菓子屋として、和菓子から洋菓子、伝統的なお菓子から新しいお菓子まで時代や地域にあったお菓子づくりを大切にしている。

<取材/垣内栄 MC/鯨井綾乃 画像協力/梅林堂>

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