今回、編集長アッキーが気になったのは、度数調節できるメガネを開発・販売する「プレスビー」。株式会社プレスビー 代表取締役 木村良三氏に、商品の特徴を取材陣が伺いました。

株式会社プレスビー 代表取締役の木村良三氏

―創業の経緯を教えてください。

木村　20年ほど前にコストコホールセールというアメリカの会員制スーパーの1号店が日本にできました。その立ち上げを担当し、グローバル流通を主にやっていたので、世界のメーカーとの接点ができました。その後、外資系企業をいろいろと経験をしていた中で、2016年にイギリスのアドレンズというレンズメーカーの日本法人の代表に就任しました。度数調節メガネを開発し、世に出したのがイギリスのアドレンズ社で、出資者は香港人の事業家です。彼は発展途上国の人たちが視力補正する方法を知らないことに気づきました。黒板が見えず困っている学生も多いですが、眼科に検眼に行って、メガネをつくることが簡単でない地域の人も多いのです。そこで、アドレンズ社のオックスフォード大学を卒業した博士と自分で視力が補正できるメガネを開発したのです。私は2018年に度数調節眼鏡の専売会社として株式会社プレスビーを設立しました。自分自身が老眼で見えづらくなっていた年代だったこともこの商品に力をいれるきっかけになりました。

―一般の老眼鏡とは異なる商品の魅力はどこにありますでしょうか。

木村　老眼は45歳くらいから始まりますが、目の見え方が体調によって異なったり、1日のうちで夕方が見づらくなったりします。老眼鏡は1.5度、2度といった具合に、0.5度の刻みで作られますが、自分の目にぴったり合う老眼鏡を作るのが難しく、見えづらいことがストレスになるのです。一方、当社の度数調節眼鏡は、レンズについているつまみを回すことで、ドゥーライフワンプレミアムなら―4.0Dから+5.0D、ドゥーアクティブプラスなら+0.5Dから+5.0Dまで小刻みに調節でき、今の体と目の状況に1番ヒットする度数をセットすることができるのです。

―今回ご紹介する商品の「ドゥーアクティブ プラス」「ドゥーライフワンプレミアム」の特徴を教えてください。

木村　ドゥーアクティブ プラスは、老眼や遠視を補正し、拡大鏡の機能がある商品です。ドゥーライフワンプレミアムは、遠視、老眼だけでなく、近視にも対応していています。ただし、どちらの眼鏡も乱視には対応しておりません。

度はレンズの中央部分のみに入っています。
（ドゥーライフワンプレミアムの場合）

―素材へのこだわりを教えてください。

木村　レンズはポリカーボネートという強い素材で、車のテールランプにも使われているものです。強い衝撃があっても破損しません。また、重さは20g前後と軽くなっています。フレームは、TR90という医療機器に使われるプラスチック樹脂を使用していて、とても柔軟性があります。フレームをねじっても壊れず、柔らかいので、いろんなお客様の骨格に合わせることができます。ドゥーアクティブプラスは耳のうしろ部分のフレームが自由に曲がり、ドゥーライフワンプレミアムはつるの部分が太めでフィットしやすく、メガネがお顔からずり落ちることを防ぎます。

視力に合わせて片眼ずつ、つまみを回して度数調節。
（画像：ドゥーライフワンプレミアム　クリア）

―ブルーライトカットの機能もあります。

木村　ブルーライトカットレンズは黄ばんでいるものが多いのですが、当社のレンズは透明で、お食事をしていても、食べ物の色が変に見えたりすることがありません。ブルーライトの除去率も高く、目の疲れを防ぐことができます。

（画像：ドゥーアクティブプラス　バイオレット）

（画像：ドゥーライフワンプレミアム　クリア）

ブルーライトを30％以上カットし、
スマホやパソコンなどデジタル機器から目を守ってくれる。

―レンズの開発にあたって難しかった点はありますか。

木村　2枚のプラスチックレンズを重ね合わせて、細かく見え方を調節するという技術は、とても特殊なものでアドレンズ社が苦労して完成したものです。今は後継モデルをイギリスの研究者たちと開発中です。ご高齢の方はつまみを持つのが難しいとおっしゃられるので、レンズ自体を指でカチカチと動かして度数を調節できる眼鏡を目指しています。

―ターゲットの年齢層を教えてください。

木村　50～65歳ぐらいの男女がメインターゲットです。高齢化で老眼鏡が必要な人口は日本の60%ぐらい、地球規模は50%以上です。最近はスマホ老眼という言葉もあり、老眼が若年化しています。スマホやゲームなど近くでモノを見る機会が増え、小学生にも老眼の症状が起こっています。当社の眼鏡は処方箋不要ですが、眼科医にも推奨いただいています。緑内障や白内障の手術直後は、視力が不安定になるので、回復途上でサポーター的に使う眼鏡としてもおすすめです。

老眼の進行とともにも眼鏡を買い替える必要がなくなります。

―お客様からのお声はいかがでしょうか。

木村　お客様からはプラスチックで安全、よく見えるといった声が多いです。母の日、父の日、敬老の日によく売れ、プレゼントにされる方もいらっしゃいます。社内でお客様からの電話を直接受けているので、些細なことでも社内できちんと共有をして、使いづらいところは改善していくよう努めています。

―海外でも販売されているのでしょうか。

木村　東南アジア、アメリカ、メキシコ、ヨーロッパの一部でも販売しています。眼鏡は医療機器なので国によって規制があり、どこの国でも同じように販売できるわけではありません。

―会社として大切にされていることを教えてください。

木村　お客様が何に困られているか、不満に思われているかを絶えず確認をすることです。ネット販売は利便性がありますが、お客様のお顔がわからない、どういう経緯で買われたのかがわからないというデメリットがあります。デジタル社会が進んでいますが、実際使われている今の世代の方は、アナログの世界で生きている方が多いので、そのギャップをどう埋めるかは常に考えています。

―会社としての展望を教えてください。

木村　老眼鏡というセグメントの中で、より便利なもの、見やすいもの、操作のしやすいものを起点に、これからも 商品開発を続けていきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

「ドゥーアクティブ プラス（メガネケース・メガネチェーン付き）」（カラー：グレー/バイオレット）
価格：¥8,980（税込）
店名：プレスビー
電話：0570-029-800（10:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://presby.ocnk.net/product/45
オンラインショップ：https://presby.ocnk.net/

「ドゥーライフワンプレミアム（くもり止めメガネ拭き・メガネケース・メガネチェーン付）」（カラー：ブラック/ワイン/クリア）
価格：¥9,800（税込）
店名：プレスビー
電話：0570-029-800（10:00～17:00 土日祝日除く）
定休日：インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL：https://presby.ocnk.net/product/41
オンラインショップ：https://presby.ocnk.net/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞
木村良三（株式会社プレスビー 代表取締役）

木村良三（株式会社プレスビー 代表取締役）
1969年東京都生まれ。非鉄金属総合商社を経て、1998年コストコホールセールジャパン株式会社へ入社、ノンフーズ全般のバイヤー、アシスタント・ゼネラルマーチャンダイズ・マネージャーとして、世界中から商品仕入れに従事、以後ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社や外資系流通企業に従事後、2016年度数調節眼鏡®の英国アドレズジャパン株式会社の代表取締役に就任、2018年度数調節眼鏡®の専売会社として株式会社プレスビーを設立、レンズがスライドし度数を無段階で調節できる老眼鏡のパイオニア企業として日本で定着させた。社名の由来は英語で老眼鏡＝Presbyopiaから。増え続ける老眼必要世代に対応するため、レンズ開発を産学共同で英国と日本で行っている。グローバル流通に明るい。

＜文／垣内栄　MC／柴田阿実　撮影／坂口明子＞