“コーヒーハンター”が提案する新しいコーヒー文化を体験できる「コーヒードリップバッグ」

“コーヒーハンター”が提案する新しいコーヒー文化を体験できる「コーヒードリップバッグ」

2022/10/13

「コーヒーは自分の人生そのもの。コーヒーのためならなんでもする」と豪語。コーヒー農園の振興を目的に世界中を飛び回る“コーヒーハンター”が提唱する、新しいコーヒー文化に触れてみたい! 今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社ミカフェート 代表取締役社長のJosé. 川島良彰氏に、取材陣が伺いました。

株式会社ミカフェート 代表取締役社長のJosé. 川島良彰氏
株式会社ミカフェート 代表取締役社長のJosé. 川島良彰氏

―川島社長のコーヒー人生は、中米エルサルバドルでスタートされたのですね。

José. 川島 18歳でエルサルバドルに留学し、国立コーヒー研究所でコーヒーの栽培・精選技術を習得しました。その後日本の大手コーヒー会社に入社し、ジャマイカ、ハワイ、インドネシアなど世界の農園開発に携わる中で、絶滅種のマスカロコフェアやブルボン・ポワントゥを発見し、復活・事業化に成功。そのうちに“コーヒーハンター”と呼ばれるようにもなり、希少種の保全や栽培技術指導に注力してきました。José(ホセ)は、留学時代に付けてもらった愛称です。2007年に退社し、2008年にミカフェートを設立しました。

―大手コーヒー会社で世界中の農園開発を手掛け、役員にまでなりながら退職されたのは?

José. 川島 26年にわたり、会社に在籍しながら世界中のコーヒー農園を回る中で気づいたのは、「コーヒーはフルーツだ」ということです。品種、畑、農園、年などによって味わいが変わる、まるでワインのようですよね。しかしワインには、産地や銘柄、ヴィンテージなどによって判然たるランクがあり、ハイクオリティワインが存在するけれど、コーヒーには明確な品質のピラミッドがない。そんな現状に一石を投じるべく、新しいコーヒー文化を提案したいと思いました。それには自分でやるしかない、と。

―具体的にはどのような行動を?

José. 川島 まず、退職後1年をかけて、特級畑を探す旅に出ました。ところが、簡単には見つかりません。エルサルバドルでは、あきらめ山をおりようと車をUターンさせた時、目の前にあった畑のコーヒー樹が、この地域では珍しい品種で非常にクオリティが高くて驚きました。しかし低迷するコーヒー市場に嫌気がさした農園主が、アボカドに植え替える準備をしていたのです。農園主である、髭を生やした強面の老人を必死に説得しました。「このコーヒーで新しいコーヒー文化をつくろう!!!」と話す私の目をじっと見て、最後に「お前を信じる」そう言ってくれました。

―ミカフェートのこだわりは原料となるコーヒー豆の選別ですか?

José. 川島 同じ時期に花が咲いても、畑の高度や日射量によって実の熟すスピードは変わります。また栽培環境に適した品種が植えられているかも重要です。更に重要なのは、収穫のタイミングです。コーヒーは追熟できないフルーツですから、樹上で完熟したものだけを収穫すれば、密度の高いショ糖をたくさん含んだ豆ができます。それを丁寧に選別、加工、乾燥させ生豆として輸出します。輸送方法も品質に大きな影響を及ぼします。ですからコーヒーの品質維持のためにすべての工程においてミカフェート スペックを作り、商社から輸入せずに全て生産者からのダイレクトトレードです。世界各国、3,000以上の農園を訪問し、生産者と接してきた経験と信頼関係があるからこそ、できることだと確信しています。

―そして、独自の品質ピラミッドを作られましたね。

José. 川島 品質規格を作り、品質に見合った価格で購入し販売するという考え方自体、なかなか受け入れられませんでした。コーヒー業界にさえも。しかし、それが必ずやコーヒーの価値を上げることにつながると信じて、地道にやってきました。
私は、品質ピラミッドの存在を知っていただくために、頂点となるグレードから製品化しました。農園、畑、樹の選別から精選、乾燥、輸送、保管など、全工程に設けた厳格な品質基準をクリアするブランド「Grand Cru Café」です。
以下、栽培から精選まで、できるだけ伝統的な手法を使った「NATURE CAFÉ」、洗練された「RESERVA」、優良農園の中の一級畑で穫れた「Premier Cru Café」、珍しい栽培種や独自の栽培・精選方法で品質を高めている農園のコーヒー「COFFEE HUNTERS」、コモディティコーヒー(一般流通品)の中から選び抜かれた豆を使った「CAFÉ REVOLUCIÓN」と続きます。

ミカフェート規定の品質ピラミッド。
ミカフェート規定の品質ピラミッド。

―今回紹介する商品は?

José. 川島 ミカフェートの世界をまずは知っていただくことを目的に、手軽なドリップバッグを作りました。「COFFEE HUNTERS」を中心に「Premier Cru Café」も取り混ぜ、朝、昼、夜とシーンに合わせたおすすめの、すべて異なる農園や品種の15銘柄です。
ドリップバッグといってもかなりこだわりましたよ。豆の特長を最も生かす焙煎の度合いや挽き具合、パッケージの方法など試行錯誤の連続で、完成までに8か月くらいかかったんじゃないかな。中でも特徴的なのは包装でしょうか。一般的なドリップバッグは脱気してパッケージするのですが、そのガスと一緒に、焙煎豆の素晴らしいアロマも逃がすことになるので、焙煎後短時間で粉砕・包装をしてアロマを閉じ込めています。

右からMORNING、AFTERNOON、EVENINGにそれぞれおすすめが5種類ずつ、計15種類もの銘柄が楽しめる。
右からMORNING、AFTERNOON、EVENINGにそれぞれおすすめが5種類ずつ、計15種類もの銘柄が楽しめる。

―「Café Puente(カフェ プエンテ)」に込めた想いは?

José. 川島 「Puente」はスペイン語で橋の意味です。パッケージのすべてに世界の橋の絵を描いてもらいました。生産国と消費国の懸け橋になりたいという思いからです。ドリップバッグをカップに引っ掛けると、橋を渡したようにも見えますしね。

橋を渡したように見えるドリップバッグには、生産国と消費国の橋渡しの意味も。
パッケージのすべてに世界の橋の絵を描いてもらいました。
橋を渡したように見えるドリップバッグには、生産国と消費国の橋渡しの意味も。

―どのような人におすすめですか?

José. 川島 ミカフェートのコーヒーはすべて、完熟豆しか使いません。コーヒーを飲んだ時感じる雑味やエグ味は、未成熟の豆が原因です。そしてミカフェートのコーヒーは、基本的に深煎りはしません。それは完熟豆だから出せる自然の甘みを楽しんでいただきたいからです。コーヒーが好きな通な人は新しい世界を感じられるはずですし、コーヒーが苦手な人にも、ぜひ1度ブラックで試してもらいたい、そんな製品です。

15種類がすべて異なる香りと味わいで、コーヒーの奥深い世界の始まりを感じさせてくれる。
15種類がすべて異なる香りと味わいで、コーヒーの奥深い世界の始まりを感じさせてくれる。

―おすすめの飲み方を教えてください。

José. 川島 最初にお湯(ミカフェートのおすすめは87℃)を注いで15秒ほど蒸らし、ゆっくりお湯を注ぎます。1杯あたり120mlが目安。注いだら1分ほど浸して完成です。

最初にお湯(ミカフェートのおすすめは87℃)を注いで15秒ほど蒸らし、ゆっくりお湯を注ぎます。
ゆっくりお湯を注いだ後、1分ほど浸すのがポイント。
ゆっくりお湯を注いだ後、1分ほど浸すのがポイント。

ティピカ系(ブルーマウンテンなど)はバランスが良く和菓子に合いますし、カトゥーラ系(アルト ルナ、レクエルド デ イヴァンなど)は酸味が特徴なので、ヨーグルトと合わせても良いでしょう。ブルボン系(ンゴロンゴロ コンベント エステート、ブルボン エリテなど)には、個人的にモンブランが最も合うと思っています。ですが、ぜひ、自由に楽しんでください。

ティピカ系(ブルーマウンテンなど)はバランスが良く和菓子に合います
コーヒーと和菓子の相性は想像できるが、ヨーグルトと合うコーヒーもあるとは驚き。
コーヒーと和菓子の相性は想像できるが、ヨーグルトと合うコーヒーもあるとは驚き。

ミカフェートは、栽培に始まる豆の最終形であるコーヒーを届ける場所として、東京を中心にカフェ&ショップを展開し、オーガニック食材を使ったフードも提供していますから、お近くの方はぜひご利用ください。銀座には、唯一ヴィンテージコーヒーを提供するサロンもつくりました。

―川島社長にとってコーヒーとは?

José. 川島 僕のすべてです。コーヒーのため、コーヒーの価値を真っ当なものにするため、コーヒー農園のためであれば、なんでもします。僕は、毎朝8,000歩歩いてから出社するのです。1年の1/3はコーヒー農園をめぐりますから、いつでも山地を歩ける脚力と体力をつけておかなくては。農園に一緒に行って、僕についてこられる社員はまだいないんですよ(笑)。

―それほど社長を夢中にさせるコーヒーの魅力とは?

José. 川島 実は、コーヒー生産者の多くが、自分の作っているコーヒーの味を知りません。収量を上げるコツは知っている生産者はいますが、どうすればもっとおいしくなるかを知っている生産者は僅かです。また日本のコーヒー業界は、焙煎と抽出の知識と技術はありますが、豆に関する知識は広まっていません。私の経験と知識でコーヒーの品質が良くなった時の興奮が忘れられないのです。

―今後の展望をお聞かせください。

José. 川島 「コーヒーハンター」と呼ばれるほど、コーヒーにのめり込み、コーヒーとともに生きてきました。しかし未だに産地に行く度に新しい発見があり、まだまだだと痛感させられます。これがコーヒーの奥深さです。これからも私が見つけることを待っているコーヒー樹や出会うことを待っている生産者が世界にいると信じていますから旅は続きます。その経験を、日本のコーヒーラヴァーズと共有していきたいと思います。
ミカフェートを立ち上げた2008年に比べれば、コーヒーの品質もその地位も少し向上したと思いますが、まだまだ発展途上にあります。「コーヒーで世界を変える」という初志を忘れることなく、コーヒー産業を変えることが世界の社会・環境問題解決の足掛かりとなるのを信じて、真摯にコーヒーと向き合っていきます。

―素晴らしいお話をありがとうございました!

「【コーヒー ドリップバッグ ギフト】Cafe Puente」(30個入り)

「【コーヒー ドリップバッグ ギフト】Cafe Puente」(30個入り)
価格:¥5,400(税込)
店名:コーヒー豆の通販 ミカフェート オンライン ストア
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.mi-cafeto.com/fs/micafeto/gift/puente_pcc30
オンラインショップ:https://shop.mi-cafeto.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
José. 川島良彰(株式会社ミカフェート 代表取締役社長)

1956年静岡県生まれ。1975年中米エル サルバドル サルバドル ホセ シメオン カニャス大学に入学、その後同国立コーヒー研究所に入所し、コーヒー栽培・精選を学ぶ。大手コーヒー会社に就職し、ジャマイカ、ハワイ、インドネシアで農園開発を手掛ける。マダガスカルで絶滅危惧種の発見と保全、レユニオン島では絶滅したといわれた品種を探し出し、同島のコーヒー産業復活を果たす。2007年に同社を退職後、日本サステイナブルコーヒー協会を立ち上げ、2008年に株式会社ミカフェートを設立。

<文・撮影/植松由紀子 MC/鯨井綾乃 画像協力/ミカフェート>

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