第20回 五勝手屋本舗『丸缶羊かん』と陶片木のまな板

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは北海道江差町にある老舗、五勝手屋本舗の『丸缶羊かん』です。実はレトロなデザインのパッケージがかわいくて、北海道に行くと必ず買っているお菓子なのです。自分用はもちろん、誰かへのお土産にもおすすめの一品なので選びました。

五勝手屋さんは創業明治3年。ですが、祖先は慶長の頃に北海道に渡り、江差に住みついて苦労を重ねた歴史をお持ちです。昔からの伝聞なので定かではありませんが、五花手組という杣人(林業従事者)たちの伐採がきっかけで、北海道で栽培が難しかった豆の栽培に成功。その豆を使って紋菓をつくり藩公に献上し大変喜ばれたことから、お店の屋号を「五花手屋」としたと言い伝えられ、その後、現在の名称に変わりました。菓子づくりの歴史はおそらくもっと古いのでしょうが、伝統と苦労を重ねた秘伝の羊かんを販売した明治3年を創業年としています。北海道には有名なお菓子がたくさんありますが、こちらは歴史の重みを感じさせる銘菓です。
初めて出会ったのは随分前のことで、何かしら? 調味料?と思いました。そのパッケージデザインに惹かれ手に取ると大好きな羊かん! 迷わず購入したことを覚えています。
こちらの羊かんは、早朝に煮あげた豆を寒天と砂糖を合わせて一日がかりで練っているそう。「一日一釜」にこだわり、熟練の技と味が受け継がれています。
羊かんが少し明るい茶色なのは、金時豆を使っているからでしょう。金時豆は小豆に比べ皮が薄くて柔らかく風味が強い豆。そのせいか、この羊かんも少しソフトな食感で、豆の風味が感じられます。コクのある甘さは砂糖と水飴から。切ってもつややかなのは水飴の照りかな、と思っています。長さが約13cmと小さいので、空腹なら1本はすぐに食べてしまうほど好きな味。味に加えて、缶から押し出して糸で切るおもしろさも、食べる楽しみのひとつになりますよ。

羊かんをのせている板は、長野県松本市にある工芸品店、陶片木(とうへんぼく)で購入したお店オリジナル商品の“自立する”まな板です。カッティングされている部分を下に立てると、自立するのが特徴です。大中小とサイズ違いを使っていますが、20年ほど前から使っているので、何度も買い替えているお気に入り。傷が深くなると表面を削ることもありますが、この厚みにも意味があるので、削り過ぎないようにしています。材質は、おひつに使われる「さわら」。包丁のあたりが柔らかくて、食材を切っていて心地よいのです。まな板として使っていますが、小さいサイズは薬味やフルーツ、チーズを切ってそのままテーブルに出すことも。仕事柄、木のまな板を8枚使っていますが、中でも使用頻度の高い1枚です。

さて、我が家の食卓を少しご紹介。
10月の後半は、いくらの醤油漬けに取りかかります。初めの時期の秋鮭は、卵の皮がやわらかいのです。つくってビンに入れて、すぐに冷凍。食べるときは、ご飯のしたくをする際に取り出して解凍します。冷凍で2カ月くらいおいしくいただけますよ。
野菜は秋ナスやサツマイモのほかに、冬瓜をよく食べます。味噌汁にしたり、煮物にしたり。かたまりで茹でて冷やした後に、透けるくらい薄く切って「冬瓜のお刺身」にすることも。お刺身は薬味をのせたり、ゆず胡椒をつけても合います。さっぱりしているので、油で炒めても良し。揚げ出汁冬瓜もおすすめです。

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