こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、百貨店の催事の常連さんでもある青森の老舗菓子店・おきな屋さんの『薄紅』です。数年前から気になっていたこちらのお菓子、リンゴ好きとしてはぜひ食べてみたい! と思っていたのでお取り寄せしました。
おきな屋の『薄紅』と郡司庸久さんの器
リンゴの生産量日本一の青森県には、リンゴのお菓子もたくさんあります。パイやクッキー、チョコレートなど加工されたお菓子が多い中で、『薄紅』はリンゴを輪切りにしている分かりやすいお菓子。このリンゴらしさに魅かれました。
おきな屋さんは大正7年に創業、今年で100年。“今流行りのお菓子は苦手だけど、お菓子の基本は残したい”というお考えに好感が持てます。こだわりは、青森で生産された安全な原材料を使い、素材のおいしさを追求すること。手間も時間もかかっています。
『薄紅』は、リンゴを輪切りにして乾燥させてから直径7cm前後のものだけを使用。その大きさを満たすのは全体の2割程度だそう。ひとつひとつが選ばれし1枚、とても贅沢ですね。シンプルに見えて、とても丁寧に作られているのが伝わってきます。
材料は、紅玉という品種のリンゴと砂糖だけ。輪切りを砂糖蜜で煮て乾燥させて、粉糖をまぶしたシンプルなお菓子。それだけに品種が大切なのでしょう。香りが高く適度な酸味がある紅玉の風味が伝わってきます。自然な甘さと、程よい酸味が後を引き、もう1枚食べようかな~と手がでます。食感はドライというよりも半生のようにやわらかく、厚みがあるので皮の存在もしっかり感じられて、リンゴを味わっている気持ちになりました。かなり果実の味わいに近いフルーティさで、期待通りの大好きな味。紅茶と合わせていただくのも良いですよ。
今回の器は、郡司庸久さんの作品です。以前ご紹介した作品(髙砂堂の『りんごもち』と郡司庸久さん・慶子さんの器)とは印象が異なる黒釉皿。7〜8年前に2枚購入しました。スタイリストの友人と長野市のギャラリー夏至に行き、「スタイリストとして使いやすい器を選んで」と相談した際に、これを選んでくれたのです。実は、その時はあまり惹かれていなかったのですが、実際に使い始めたら、頻度がとても高い! 黒だけれど光沢があるので、緑の野菜や白和えなどがきれいに映えます。少し深さがあるので盛り付けやすく、撮影にも頻繁に登場しています。
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