菓匠花見の『白鷺宝』と矢澤寛彰さんの銀彩の器

菓匠花見の『白鷺宝』と矢澤寛彰さんの銀彩の器

こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介するのは、埼玉県浦和市の名店、菓匠花見の『白鷺宝(はくろほう)』です。知り合いからお土産でいただき、とても気に入ったのでぜひご紹介したいと思いました。

『白鷺宝』をはじめていただいたときは、丸くてつるんとした見た目が不思議で、何だろう?と思いました。

菓匠花見さんは、大手百貨店のほか、銀座の歌舞伎座にも出店されているので、歌舞伎ファンの方にはお馴染みかもしれません。本店は浦和駅を出てすぐの場所にあり、創業は大正元年、『白鷺宝』は二代目よって発案されました。当時、豊かな自然に恵まれていた浦和。清らかな水辺にたたずむ鷺の姿に魅せられて作ったそうです。季節や自然を表現した和菓子も作られていて、四季折々の上生菓子は美しい色で風情を感じさせるものばかり。また山水風月といった自然や動物を表現する菓子の芸術“工芸菓子”で、賞をとるほど職人の腕が卓越しているお店です。

『白鷺宝』をはじめていただいたときは、丸くてつるんとした見た目が不思議で、何だろう?と思いました。ところが口にしたとたん、中の白あんの風味や舌触りにびっくり。とても滑らかで口のなかでふわっ~と溶けます。白あんに新鮮な卵の黄身を加えていると聞き、そのクリーミーさに納得がいきました。さらに、まわりをミルクでコーティングしているので、食したときにまろやかさが増していきます。甘さはひかえめで、小さく上品な和菓子ですが、とても印象に残るおいしさです。
1つ1つが薄紙に包まれていて、大変手間がかかっています。形を崩さないためなのか、包み紙の上部は閉じられていません。ですので、箱から取り出しやすく、包みが開けやすく・・・つまり食べやすい。そんな言い訳をしながら、ついつい、2つ3つと手が出てしまうお菓子なのです。

中の白あんの風味や舌触りにびっくり。とても滑らかで口のなかでふわっ~と溶けます。

今回の器は、矢澤寛彰さんの銀彩の皿です。矢澤さんの漆器はこの連載で何度かご紹介しています。何か買い足したいな~と思って昨年末にうかがった個展で見つけました。もともと銀彩が好きで、ほかの作家さんの作品も持っています。意外と使いやすい色で、料理を選ばない上に陶器にも磁器にも合うため、テーブルのアクセントになってくれます。
矢澤さんは漆器作家ですので、この皿は漆器です。つまり材料は木。漆器全体に銀彩を施し、さらにコーティングしています。18×19cmと小さくないのですが、とても軽くて知らない人が持つと見た目と重さのギャップに驚かれます。熱いもの酸味の強いものを乗せると銀が薄黒くなるため避けたほうが良いのですが、気にせず使っています。気にしていたら、仕舞いっぱなしになっちゃいますから。

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