
天皇杯受賞のグループ牧場が育んだ究極の味。肉のとろける旨みが凝縮された「蔵王牛コンビーフ」
2025/07/17
今回、編集長のアッキーが注目したのは、舌の上でとろけるような食感と、蔵王牛ならではの濃厚な旨味が凝縮された「蔵王牛コンビーフ」です。逸品は、どのようにして生まれたのでしょうか。商品の背景にある物語と、作り手のこだわりを、商品開発を手掛ける高橋畜産食肉株式会社の代表取締役、髙橋勝幸氏に取材スタッフがお話を伺いました。

高橋畜産食肉株式会社 代表取締役の髙橋勝幸氏
―はじめに御社の沿革について教えてください。
髙橋 昭和23(1948)年、山辺町で父が創業しました。父は16歳で陸軍の少年飛行兵に志願し、南方の戦地で終戦を迎えました。1年間の捕虜生活を経て日本に帰還し、一度は公務員として勤務したそうです。しかし、戦後の混乱期に、罪の重さに関わらず弱い者だけが罰せられるような社会の理不尽さを目の当たりにし、「自分で仕事をしよう」と決め、退職を決意しました。実家が酪農をしていたこともあり、家畜を売買する仕事をしていた兄からノウハウを学び、独立します。兄との競合を避けるために山形市へ移り、食肉販売と家畜商を兼ねる「高橋牛肉店」を開業したのが始まりです。食糧事情が悪い時代でしたから、お肉を扱う仕事は多くの人に大変喜ばれたと聞いています。

徹底した管理のもとで大切に育てられた、おいしさ自慢のブランド牛「蔵王牛」。
―社長は高校生の頃には、すでにお父様の会社を継ぐことを決められていたそうですね。
髙橋 高校2年生のとき、文系か理系かを選択するタイミングで、父の会社を継ぐことを決めました。母は経営者の大変さを知っていたので、休みがきちんと取れる仕事に就いた方がいいと心配していました。当時は休みなく働くのが当たり前の時代でしたからね。しかし、自分の力で道を切り拓き、お客様に喜んでいただく父の背中を見て、とてもやりがいのある仕事だと感じていたんです。幼い頃は自宅の後ろに牛舎があり、父が仕事をする姿や牛の世話を手伝うのが日常でした。父が働く環境が身近にあったことが、今につながっていると思います。
―今回ご紹介いただく「蔵王牛コンビーフ」に使われている「蔵王牛」とは、どのような牛なのでしょうか。
髙橋 日本で流通している国産牛は、主に乳牛の「ホルスタイン」、山形牛などの「黒毛和種」、そしてホルスタインを母に、黒毛和種を父に持つ「交雑種(F1)」の3種類です。 蔵王牛は、この交雑種のブランド牛です。黒毛和種の肉質のおいしさと、ホルスタイン種の強さや体の大きさをかけ合わせた、まさに”いいとこどり”のハイブリッド牛と言えます。 蔵王牛は私たちのグループ農場だけで生産しており、子牛を育てる段階からお肉になるまで、飼料などを徹底管理することで、味や肉質がぶれない、安定したおいしさを保っています。リーズナブルでありながら、黒毛和牛に負けないおいしさを追求した自慢の牛です。

東北の澄んだ空気と清涼な水、豊かな自然、四季がはっきりとした東北の山麓の気候のなかにある、
6つの直営牧場で、高品質のブランド牛を飼育している。
―「蔵王牛コンビーフ」は、どのような想いから生まれた商品なのでしょうか。
髙橋 「蔵王牛コンビーフ」が生まれたのは、約10年前になります。開発の根底にあるのは、創業者である父から受け継いだ「命をいただいているのだから、一切れのお肉も無駄にしてはいけない」という教えです。ギフト用のすき焼き肉やステーキ肉などを美しく整える過程で、どうしてもお肉の端の部分が出てしまいます。その部分をどうにかしておいしく、価値ある商品にできないかと考えた末に、このコンビーフが誕生しました。

蔵王牛を100%使用し、旨みをぎゅ~と閉じ込めたコンビーフ。
―味付けのこだわりや、おすすめの食べ方を教えてください。
髙橋 塩と胡椒だけ、という非常にシンプルな味付けです。これは「蔵王牛」そのものにしっかりとしたコクと味わいがあるからです。過去には他のフレーバーも試作しましたが、肉本来の味を楽しんでいただくには、余計な味付けは不要だと分かりました。お客様のお好みで味を足していただけるよう、あえてシンプルに仕上げています。
一番のおすすめは、炊きたての熱々のご飯に乗せて、お好みで少し醤油をたらして召し上がっていただく食べ方です。お客様からも「おいしかった!」と必ず言っていただける、自慢の食べ方ですね。ほかにも、パンに乗せて焼いたり、ジャガイモと炒めたりと、アレンジも自在です。日本酒やワインなど、お酒の種類を選ばず楽しめるので、おつまみにも最適ですよ。

熱々の炊きたてご飯にのせるだけで、蔵王牛の旨みがとろける贅沢な一杯。
―今後の展望についてお聞かせください。
髙橋 私たちの牧場である蔵王ファームが、令和6年度農林水産祭で最高の賞である「天皇杯」をいただきました。 繁殖から販売までの一貫体制、IT活用による生産性向上、食品副産物を活用した環境配慮の取り組み、そして女性のアイデアから生まれる商品開発などが評価されたのだと思います。この受賞を励みに、私たちが作るお肉を、さまざまなおいしさに変えて、日本中、そして世界中の方々に届けていきたいです。同時に、環境負荷の少ない、持続可能な畜産のあり方をこれからも追求し続けていきます。
―貴重なお話をありがとうございました。

「蔵王牛コンビーフ」(100g~600g)
価格:¥864~¥5,184(税込)
店名:高橋畜産食肉株式会社
電話:023-664-1729(10:00~17:00 営業日はHPをご確認ください)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://takahashi-beef.jp/SHOP/9009.html
オンラインショップ:https://takahashi-beef.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
髙橋 勝幸(高橋畜産食肉株式会社 代表取締役)
1961年、山形県生まれ。慶應義塾大学卒業。大手食肉加工メーカーで修業後、高橋畜産食肉に入社。2005年に代表取締役に就任。和牛一貫生産販売体制を持つ企業として、蔵王牛・蔵王和牛をはじめとする自社生産牛のブランド化を図り、六次産業化やDX推進、アニマルウェルフェアに配慮した飼養管理などの取り組みが評価され、2024年、グループ牧場である株式会社蔵王ファームが農林水産祭畜産部門で天皇杯を受賞。
<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中香花 画像協力/高橋畜産食肉>