
家庭の定番商品に!九州らしさが詰まった「九州パンケーキ 6種食べ比べセット」
2025/07/10
今回、編集長のアッキーが注目したのは「九州パンケーキ 6種食べ比べセット」。乳化剤・香料・加工澱粉は一切使用せず、九州産の小麦・雑穀で作ったこだわりの商品は贈り物としても重宝されています。手がけたのは九州の農業資源や伝統技術を活かした地域ブランド商品を創造する株式会社九州テーブルです。取材スタッフが代表取締役会長の村岡浩司氏にお話を伺いました。

株式会社 九州テーブル 代表取締役会長の村岡浩司氏
―社長の経歴を教えていただけますか?
村岡 出身は宮崎県宮崎市です。大学留学を機に海外にしばらく住んでいました。17歳くらいのときに海外へ行こうと考え始め、留学エージェントを使わずに自分一人で全て調べて留学先なども決めました。昔から好奇心旺盛な人間だったと思います。海外生活中は古着屋のバイヤービジネスを立ち上げました。知識も経験も無いなかで、目の前の課題を解決することに必死でしたね。28歳のときにバイヤー事業をやめて、父親の寿司店で板場に入りました。のちにタリーズのフランチャイズや九州アイランドなどの事業に携わり、現在に至っています。
―九州パンケーキが誕生した流れを教えてください。
村岡 転機となったのは2010年に宮崎で広まった口蹄疫(こうていえき。牛や豚などがかかる感染力が非常に強い伝染病)でした。コロナ禍では日本国内において移動制限がかかっていましたが、口蹄疫が流行したときも宮崎県内では、大人数での宴会を控えたり旅行を控えたりする状態で、さまざまな業界が大打撃を受けました。口蹄疫が発生すると畜産の海外輸出はストップし、再び清浄化した地域と認定されるまでに数年かかります。
お客様が減る中で新しいビジネスを見つける必要があり、以前から興味のあった食品の開発をしようと考えるようになったのです。そんな時代背景もあって、ブランド戦略の観点からも「宮崎発」として開発を進めることには躊躇いもあり、もっと大きな括りで海外にも挑戦したいと思っていました。それが九州パンケーキ誕生のきっかけです。

九州パンケーキの食べ比べができるセット。通常価格よりもお得に購入できる。
―宮崎に絞らず九州に目を向けた理由はありますか?
村岡 海外に住んでいる期間は出身地の話をすることがよくありました。出身地を聞かれたときに宮崎と伝えても知らない人がほとんどです。宮崎を説明するときには九州の説明から入らなければなりません。出身地の説明を繰り返しているうちに、いつの間にか九州全体がホームという感覚になったんだと思います。グローバルな視点で商品開発を考えたときに、九州の素材で作るビジョンが生まれたのは私にとっては自然な流れでした。

乳化剤・香料・加工澱粉などは不使用。穀物によるつぶつぶ食感が特徴的なパンケーキ。
―なぜパンケーキに決められたのですか?
村岡 九州全県から素材を取り寄せて、九州を表現するために考えを巡らせていたのですが、しっくりくるものが無かったんです。しかしいろいろと考えていく中で、九州は稲作に特徴があると思いました。オーガニック産地は九州各地に点在していますし、九州を北と南で半分にすると南半分は小麦をほとんど作っていないという特徴もあります。宮崎だと稲田の田園風景、熊本あたりだと6月頃には黄金色の小麦畑が広がります。九州らしさと考えたときに生活の原風景、地域性など全てリンクするのが稲作かなと。それならば、家庭に身近なパンケーキが良いなと思いました。
―こだわりの原料はどのように決められましたか?
村岡 九州パンケーキは複数原料を使います。複雑な工程を引き受けてくださる製粉会社を探すのが難しくて苦労しました。現在お願いしている熊本製粉さんに辿り着くまでに、いくつかの会社に断られています。そんな中で、知人に紹介された熊本製粉さんの山口さんに出会えました。熊本製粉さんは研究開発のセクションが素晴らしく、そこから一気に走り出したという感じです。理念や展開を話しながら、熊本製粉さんと二人三脚でさまざまな産地をひとつひとつ吟味し、現在の原料構成にたどり着きました。

一番人気はプレーン。豊富なラインナップは贈り物としても喜ばれる。
―ブランドとして確立された現在、お客様からの反響はいかがですか?
村岡 初めてご利用される方やプレゼント用にご購入される方は「九州パンケーキ 6種食べ比べセット」をご注文されることが多いです。一番人気のプレーンは、ご自宅用で定期的に購入される方もいます。ECサイト以外だと空港で扱っていたり、ホテルの朝食メニューで出してくれたりと時間をかけて広がっている感じです。全国展開している商品はプレーンかバターミルクが中心となるのですが、全国のセレクト系スーパーやカルディコーヒーファームなどでもお取り扱いがあります。最近発売した「やさしい黒糖」も、とてもおいしいです。
―今後の展望をお聞かせいただけますか?
村岡 九州の家庭の定番商品になりたいです。朝食にパンケーキを焼くときのために、九州パンケーキが常備されているみたいな。私もイベントや食育体験を開催したりすることが多いのですが、袋に入っている粉をボウルに入れて、牛乳や卵と混ぜると液体になりますよね。液体になったものを熱い鉄板の上に置くと固体になって、良い香りと共に膨らんでいきます。子供たちにとって、これは魔法みたいだととても喜んでくれるんです。こうした思い出は、きっと時代を通して変わらないものなんです。
何でも手に入る食糧事情が当たり前になりつつある中で、世界情勢や気候は変化し食糧危機は間近に迫ってきていると個人的には考えていて。お金を出せば手に入る贅沢な食材もありますが、カロリーベースで安くお腹いっぱいになる大量生産の便利な食品と二極化される中で、私は普通に食卓の思い出に紐付けられるような何かを残したいです。その代表となるのが、九州パンケーキだと思っています。
―食糧危機などの問題にも着目されているのですね。
村岡 現在、小麦の国内自給率は20%前後で、大産地は九州と北海道です。為替の変動や紛争によるロジスティクの変化など、近年の社会情勢を背景に、安心安全な国内産の小麦が注目されるようになりました。そんな中で、私は地元である九州の小麦を使い続けることはすごく大事だと思っています。経営者として「何が残せるのだろう?」「変えちゃいけないことはなにかな?」という考えを日々巡らせています。
―九州パンケーキが誕生したきっかけや未来の展望など、貴重なお話をたくさんいただきありがとうございました!

「九州パンケーキ 6種食べ比べセット」(プレーン 200g×1 バターミルク 200g×1 ベジタブル 200g×1 さつまいも 200g×1 和紅茶 200g×1 やさしい黒糖 200g×1)
価格:¥3,020(税込)
店名:九州アイランド
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL: https://www.kyushu-island.jp/shop/products/detail/200
オンラインショップ: https://www.kyushu-island.jp/shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
村岡浩司(株式会社 九州テーブル 代表取締役会長)
宮崎県出身。高校卒業後、コロラド州の大学へ留学。古着屋アンティークのバイヤー経験を経て、帰国したあとは実家の寿司店やタリーズとフランチャイズを結ぶなど、多方面で事業に携わる。現在は株式会社九州テーブルの代表取締役を務めつつ、食を通じた地域活性化やコミュニティ創生にも取り組んでいる。
<文/坂根結城 MC/藤井ちあき 画像協力/九州テーブル>