
発酵食品の魅力を全国へ!福島の老舗漬物店が手作りする「みそしそ巻4種セット」
2025/06/26
今回編集長アッキーが注目したのは、お茶請けやおつまみ、ご飯のおともにぴったりの「みそしそ巻4種セット」。“みそしそ巻”とは、くるみやごまを加えた甘味噌をしその葉で包んだ東北の郷土料理のことで、どこか懐かしさのある素朴なおいしさが魅力です。そんな伝承の味を手作りして届けてくれるのは、福島県にある老舗漬物店「西野屋食品株式会社」。代表取締役社長の小野賢司氏に商品作りにかける思いを取材陣が伺いました。

西野屋食品株式会社 代表取締役社長の小野賢司氏
ー創業は1928年だそうですね。
小野 はい、その年に祖父が事業を開始いたしました。業歴は長いのですが、最初の頃は漬物をやりながら食料品も扱っていて、漬物専門店になったのは父の代になってからです。
ー社長ご自身のご経歴は?
小野 高校を卒業したあと、東京農業大学の醸造学科に進学しました。大学では味噌や醤油、お酒、食酢といったジャンルを4年間勉強し、卒業後はそのまま家業に入りました。工場で製造を学んだり営業を経験したりしながら、専務を経て40歳のときに代表に就任しました。

「みそしそ巻」は甘味噌をしその葉で包んだ東北の郷土料理。一つひとつ手作業で包んで揚げる、昔ながらの製法で作られている。
ー大学では具体的にどのようなことを学ばれたのでしょうか。
小野 食品全般、食にまつわることを学びました。とくに微生物です。発酵学の第一人者である小泉武夫先生のもとで、酵母やカビ、細菌といったものを学びつつ、お酒や味噌、醤油、食酢などの醸造実習も行っていました。
今、世の中の発酵食品に対する意識は、当時とは変わってきているように感じています。最近は菌活や腸活が注目されています。微生物の働きを生かし、無添加で作られた発酵食品を消費者が求め始めているのです。“飲む点滴”と言われる甘酒もブームで、一年中売れるようになってきました。やっぱりみんな、体にいいもの、自然なものを求めているんだと思います。
ー市場の変化を肌で感じていらっしゃるのですね。
小野 そうですね。今は何でもネットで買えるし、家にいながら世界のグルメが味わえる時代になりました。でも、どんなにおいしいものを食べても、最後はご飯と味噌汁とお漬物というのが、日本人が行き着くところではないでしょうか。やっぱり毎日ハンバーグやステーキは食べられませんからね。日本人のDNAというか、遺伝子に刻まれた、持って生まれたものがあるのでしょう。

しその葉は、県内の契約農場および自社農場で栽培されたもののみを使用。
ー社長が考える、発酵食品の魅力とは?
小野 発酵食品の面白いところは、発酵食品同士の相性が非常に良いことなんです。たとえば納豆とキムチは合うし、飲み屋さんのメニューによくあるクリームチーズにいぶりがっこを乗せたものもおいしいですよね。ほかにも色々な組み合わせができると思います。だからこれからは漬物屋として、豊かで健康的な食の提案もやっていければ楽しいだろうなと思います。
ー今回ご紹介する「みそしそ巻4種セット」はどんな商品なのですか?
小野 くるみやごまを加えた玄米味噌をしその葉で包んで揚げた西野屋オリジナルの“みそしそ巻”です。味噌の香ばしさとほのかな甘み、パリパリに揚げたしその葉の風味が絶妙にマッチ。蜂蜜やコチュジャン、酒粕、えごまを味噌に混ぜ込んだ、それぞれに味わいの異なる4種を詰め合わせてお届けしています。味噌は地元いわきの味噌蔵で作られたもの、しその葉もすべて福島県産を使用しています。
実はある調査によると、添加物の多い食品の1位は漬物だそうなんです。確かに弊社の漬物のなかには、保存性を高めるため色々なものを入れているし、見た目をよくするために着色料を使ったりしているものもあります。でも昔ながらの製法でつくる漬物——ぬか漬けや三五八漬けなどは本来無添加なんです。この「みそしそ巻」も含め、これからはそういったものを消費者の方にアピールしていきたいと思っています。

深いコクとほのかなうま味が特徴の玄米味噌は、玄米に含まれる亜鉛やマグネシウム、鉄分、ビタミン類などが摂取できるのも魅力!
ー手作業にもこだわっていらっしゃるそうですね。
小野 そうですね。我々は小さな漬物屋なので、大企業のように機械化で朝から晩まで同じ商品を作るのには向いていません。それをやってしまうと値段だけの勝負になって、大企業には勝てないんです。だからこそ地域性を出しながら手作りした商品を通して、田舎っぽさや懐かしさ、東北の食文化についてを首都圏に向けて発信していかなければならないと考えています。
ー最後に、今後の展望やビジョンをお聞かせください。
小野 今の時代、“持っていないもの”って、そうそうないですよね。車も洋服も家も、程度の良し悪しはあっても、生活に困らない体制は整っています。それでは今、何が人の興味を集めているかというと、美容と健康だと思うんです。長生きしたい、いつまでも若くいたい、病気を防ぎたい。そういったニーズにいかに応えていくかが大きな課題です。我々がこれまで培ってきた発酵技術を生かし、身体に良い発酵食品を全国にお届けできれば、と思っています。
ー本日はありがとうございました!

「【常温】みそしそ巻4種セット」
価格:¥3,240(税込)
店名:西野屋オンラインショップ
電話:0120-66-2828(9:00〜18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ikaninzin.com/?pid=175224547
オンラインショップ:https://www.ikaninzin.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
小野賢司(西野屋食品株式会社 代表取締役社長)
1962年福島県生まれ。東京農業大学醸造学科を卒業後1985年西野屋食品株式会社に入社。2003年に同社代表取締役社長に就任。漬物・総菜を製造しながら、地域の素材を活用した6次化商品や発酵食品の開発に力を入れている。
<文/野村枝里奈 MC/藤井ちあき 画像協力/西野屋食品>