静岡・清水のこだわりの味。おいしいレシピも広がる「【桜えび缶詰・しらす缶詰入り】オールおためしセレクト8」

2025/06/26

今回、編集長アッキーが気になったのは、バラエティ豊かな缶詰のセットです。商品を製造・販売している山梨罐詰株式会社専務取締役の山梨瑞穂氏に商品の魅力について取材陣がお話を伺いました。

―家業を継がれるまでのご経歴について教えてください。

山梨 大学を卒業後、株式会社ロック・フィールドに就職しました。ロック・フィールドは外食と家庭の間の「中食」という分野で、デパ地下や駅ビルなどでサラダを中心としたお惣菜を販売している会社です。栄養系の大学に通っており、「衣食住」の中でも食が一番生きる上で関わってくると思い、そこにクローズアップして勉強したいという気持ちがありました。ロック・フィールドでは店舗運営を中心に担当していました。自分達の販売する商品の何を好み、お客様がどう選び買っていかれるか。そんな様子をお客様と直に接し、肌で感じることを経験出来たことは、自分の中で大きな財産となっています。

大学卒業時は家業を継ぐつもりはありませんでした。優秀な弟が継ぐ予定でしたが、私が就職後、弟は体調を崩して、残念ながら亡くなってしまったんです。弟が亡くなる前に父からは「もう長くないかもしれない。帰ってきてもらえないか」と相談されました。家業を意識して食の仕事に就いていたわけではなかったのですが、これも何かの縁だと思い、4年で退職し、地元に帰って会社に入ることにしました。それが2010年のことです。

しらすや桜えびといった難しい食材も缶詰に。

―創業の経緯を教えてください。

山梨 創業者は私の曾祖父になります。明治初期にお茶の問屋をやっていたと聞いています。会社としての創業は1933年(昭和8年)で、私の曽祖父が立ち上げました。私が4代目になる予定です。創業当時は、清水港にビンチョウマグロが大量に水揚げされていました。通常の生食用マグロと違って白っぽいので、あまり生食には向かない魚だったのですが、海外、特にアメリカではツナステーキとして缶詰にして重宝されているという話を聞いて、「じゃあ缶詰をやってみよう」と始まったそうです。その時期に清水区内で缶詰会社が一気に増えて、弊社もツナ缶やフルーツ缶をメインに扱うようになりました。

―看板商品である「釜揚しらす」はどういった商品でしょうか。

山梨 しらすは冷凍か冷蔵でしか流通できない商品だったのですが、静岡市から「ロングライフチルド商品にしたい」という相談をいただいたのがきっかけでした。ただ最初は全然うまくいかなかったんです。オイル漬けにしたり、ちりめんじゃこのようにカリカリにしたり、いろいろな味付けを試しましたが、どれもしっくりきませんでした。3〜4年かかりましたが、何度も試験を繰り返して、ようやく完成しました。獲れたしらすをそのまま釜揚げにして、それを缶に詰めているだけで余計なものは入っていません。木枡のようなパッケージは社長のアイデアです。「升で量るみたいな感じで、升の中に入れたら面白いかもね」という話から生まれました。

おいしい静岡県産しらすの味をそのまま閉じ込めた缶詰。

―「釜揚桜えび」の開発はいかがでしたか?

山梨 桜えびは、しらすができた段階からやりたいと思っていた商品でした。でも、桜えびの漁獲量が非常に悪くて、禁漁している状況が続いていたんです。国産の桜えびは静岡の由比漁港と大井川漁港でしか水揚げできないので、非常に希少性が高く、原料を集めるのが難しいということで躊躇していました。徐々に獲れるようになってきたタイミングで開発をスタートしたのですが、これも本当に苦労しました。桜えびは時間が経つとアンモニア臭が発生するため、そこを解決するまでの開発期間が長かったですね。

旬の桜えびの香りや食感、鮮やかな色彩を楽しめる。

―「鮪のトロ 醤油味」はいかがですか?

山梨 昔からのロングセラー商品です。マグロからはちょっとしか取れない希少性の高い部位であるハラモを使っています。すごく柔らかくて脂も乗っているので、「ちょっと贅沢にやりたいね」ということで作った商品です。そのままでもおいしいですし、おつまみとしても最適で、熱烈なファンがいます。

隠し味は黒酢にネギエキス。コクがあり深みのある味わい。

―「まぐろオリーブ油漬け(フレーク)」について教えてください。

山梨 比較的最近の商品で、オリーブオイルのツナ缶がなかったので作りました。料理との相性を考えると、エクストラバージンよりピュアオリーブオイルの方がマッチングが良いと判断しました。また、塩にもこだわって、西伊豆にある「戸田塩」を使っています。駿河湾の海水を深度20メートルぐらいのところから汲み上げて、昔ながらの釜で13時間ぐらいかけて煮詰める伝統製法で作られた塩です。丸みと甘みがあって、ツナとの相性が抜群なんです。

油ごと味わって欲しい商品。

―「マッシュ(戸田塩味)」「マッシュ(ガーリックハーブ味)」はどのように誕生したのですか?

山梨 コロナ禍に誕生した商品です。長谷川農産さんというマッシュルーム専門の生産者さんの原料を使用しているのですが、当時会社に出入りしていた共通の業者さんから、「レストランが休業状態になって売り先が少なくなって困っている。一度食べてみてくれないか」と相談を受けたのがきっかけでした。食べてみたら本当においしくて、びっくりしました。無農薬・無漂白のマッシュルームで、栽培用の菌床にもこだわっており、オランダから輸入した菌床を使って栽培されています。味の濃いブラウン種だけを使用しているのも特徴です。多くの缶詰メーカーはホワイトとブラウンをミックスしますが、炒め物などの調理により向いているブラウン種だけにこだわりました。

化学調味料不使用でマッシュルーム本来の味わい。

―箱に描かれているキャラクターもかわいいですね。

山梨 2021年頃に誕生したキャラクターで、家族向けに手に取ってもらえる商品を作りたいという思いから、お子さんにも親しみを持ってもらえるようなキャラクターを作りました。メインの水色の子は「ちゅな君」と名前を付けています。お客様からは「孫が箱を気に入って工作に使っている」といううれしい声もいただいています。

缶詰の缶をモチーフにして、そこに富士山を加えたデザイン。

―印象的なお客様の声はありますか?

山梨 一番印象的だったのは、海外で働いている方からの声です。釜揚しらす缶詰は、国内のしらすが食べられない地域の方に届けたいと思って作ったのですが、予想以上に海外で働く日本人の方に喜んでいただいています。海外在住の方が日本に帰国した際にまとめ買いして持って帰る、という使い方をしてくださっています。海外でパスタを作る時に使うと、お子さんたちも喜んでくれるという話も聞きました。

長期出張の際に持参し、電子レンジで温めたご飯と一緒に食べると「ホッと一息つける」と言う声も。

―おすすめの食べ方を教えてください。

山梨 「まぐろサラダ油漬(ソリッド)」で作る「ゴロゴロ炊き込みご飯」が特におすすめです。ツナには味の深みがあって、炊き込むことでご飯にも旨みが染み込んで、ツナもしっとりとおいしく仕上がります。

豊富なレシピはSNSで発信中。

―今後の展望について教えてください。

山梨 一貫してこだわっているのは、自分たちがおいしいと思った素材を使って、そのおいしさを活かす商品作りです。これからもブレずにやっていきたいと思っています。

缶詰が主軸ですが、レトルトパウチの技術も持っているので、それを活かした商品開発も考えています。また、数年以内には直営販売所を持ちたいと思っています。小さなお店からでも良いので、お客様と直接接する機会を増やしたいです。

また、弊社はOEMが主体なので、自社商品の展開を通じて「山梨罐詰ならこういうことができる」という認知を広げて、新しい企業様との出会いにつなげたいと考えています。培ってきた技術や知識に興味を持ってくださる方に頼っていただけるよう、これからも取り組んでいきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

「【桜えび缶詰・しらす缶詰入り】オールおためしセレクト8」
まぐろサラダ油漬(ソリッド)✕ 1缶、まぐろフレーク油漬✕ 1缶、まぐろオリーブ油漬(フレーク)✕ 1缶、鮪のトロ 醤油味✕ 1缶、静岡釜揚しらす缶詰✕ 1缶、静岡釜揚桜えび缶詰✕ 1缶、マッシュ(戸田塩味)✕ 1缶、マッシュ(ガーリックハーブ味)✕ 1缶

価格:¥4,293(税込)
店名:山梨罐詰
電話:054-369-1101(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yamanashi-can.shop-pro.jp/?pid=174764892
オンラインショップ:https://yamanashi-can.shop-pro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

山梨瑞穂(山梨罐詰株式会社専務取締役)
1982年静岡県生まれ。大学卒業後、株式会社ロック・フィールドへ入社。店舗運営、営業推進事業の職務を経て、2010年山梨罐詰株式会社へ入社。主に研究開発部にて従事後、2025年より取専務取締役に就任。多岐に渡るOEMで培った技術をもとに県内を中心としたこだわりの食材を使い、オリジナル自社製品の企画開発にも注力している。

<文/垣内栄 MC/田中香花 画像協力/山梨罐詰>

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