
素材重視のツナ缶のおいしさがクチコミで広がった「オリーブ油漬 ファンシー・フレーク詰合せ 小型缶6缶入」
2025/06/23
今回、編集長アッキーが気になったのは、こだわりのオリーブオイル漬けのツナ缶です。商品を製造・販売している株式会社由比缶詰所 代表取締役社長の織戸仁氏に商品の魅力について取材陣がお話を伺いました。

株式会社由比缶詰所 代表取締役社長の織戸仁氏
―創業の経緯について教えてください。
織戸 創業は1933年で、私は5代目の代表となります。このエリアは近くに駿河湾や清水港があり、北側の山の方にはみかん畑もあります。鉄道や大きな幹線道路も走っていたので、流通面からも缶詰の製造に適していたのでしょう。静岡県の缶詰工場が静岡県中部一帯に立ち並び、マグロやカツオ、果物などの缶詰が製造されていました。私が入った頃にはマグロやみかんがメインでしたが、その前までは桃など季節ごとの農産物を扱っていました。旬の時には量が出すぎて消費しきれないため、それを無駄にしないよう缶詰にしていたのです。
主にOEMの製造していましたが、「社員自身が作ったことに胸を張れる自社商品を」と自社ブランド「ホワイトシップ印」を復刻しました。昭和30年代には存在していましたが、このときはまだ社内販売程度でした。会長などから聞いた話になりますが、当時は輸出がメインだったため、船で世界に送り出すという意味で、ホワイトシップ印というブランド名になったようです。その後、ホワイトシップ印をもっと多くの人に知ってもらうため、通信販売の強化、自社ブランド展開を積極的に進めました。


オリーブの持つ豊かな風味がツナの味を一層引き立てる。
―現在はどのような販売チャネルで商品を提供されていますか?
織戸 メインは会社にある直売所と、直接お客様からご注文いただく通信販売です。流通に乗せてしまうと、自社で売っている値段よりもどうしても高い値段で売られることになるので、弊社から直接買っていただけるよう、ネットショップも展開するようになりました。
―今回ご紹介する「オリーブ油漬 ファンシー・フレーク詰合せ」についてお聞かせください。
織戸 当初からとにかくおいしい缶詰を作って、それを直接お届けしたいというところから始まっています。最初はオリーブオイルではなく、綿実油という、一番ツナと馴染みがいい油をメインに販売していました。しかし、次第に日本国内でオリーブオイルがポピュラーになってきました。また輸出産業時代に、ヨーロッパ向けの商品として、オリーブオイル漬がありました。その当時、日本ではオリーブオイル漬というのがほとんどなかったので、1996年(平成8年)に発売したところ、皆さんに好評いただいて、今では綿実油の油漬よりも売り上げが伸びています。


鮮度の良い夏のビンナガマグロを、ピュアオリーブオイルに漬けて熟成。
―使用している原材料について教えてください。
織戸 イタリア産で、地中海のオリーブを100%使用したオリーブオイルにこだわり、ビンナガマグロを使用しています。調味料は基本的に塩とごく少量のアミノ酸のみと、本当にシンプルです。素材が一番大事で、マグロ自体がおいしくないとおいしい缶詰は作れません。
―製造面でのこだわりについて教えてください。
織戸 冷凍の大きな魚を工場に入れて、原料の魚の搬入から缶詰が完成するまで、一つの工場で一貫して行っています。このスタイルは今では少なくなっています。多くは、缶に詰める状態になったような魚を海外から仕入れて、詰めるだけということが多いんです。魚の皮を取ったり、骨を取ったり、血合いを取ったりというところはなかなか機械化ができなくて、どうしても人手がかかります。そこも弊社の商品が昔と変わらない味をキープしている秘訣になります。
製造して半年から1年、熟成期間ということで商品を寝かせるのも当社のこだわりです。熟成期間で魚と油が馴染んで、よりおいしくなります。これは他社ではなかなか真似のできないところかなと思っています。本来はもっと長くてもいいんですが、さすがに販売しないわけにはいかないので(笑)。
―おすすめの食べ方を教えてください。
織戸 私自身は白いご飯にツナ缶を開けて、それにお醤油を数滴垂らして食べるのが好きです。夏はそうめんと一緒に食べることが多いですね。油とツナがメインで、調味料もそんなには入っていないので、全部使っていただいて、パスタにもちょうどいいと思います。ドレッシング代わりにそのまま使うのもおすすめです。是非、油を捨てないで油ごとお使い頂きたいです。

缶詰を油ごと使ったツナ塩やきそば。レシピはHPで紹介。
―お客様からの印象に残っているエピソードはありますか?
織戸 年配の方からは「昔のツナ缶詰ってこうだったよね」と言われることが多いです。一方で、今の方からは「ツナ缶ってこんなにおいしかったの」と驚かれる方が多いです。残念ながら、市場では価格を重視した商品も増えてきています。そういった商品しか食べていないお客様が弊社の商品を食べると、ツナ缶の本当のおいしさに気づいてくれます。我々は昔からレシピも製造方法も全く変えていないんですが、時代の変化とともに、私たちの変わらないこだわりが、結果として商品の価値を高めることになったのかもしれません。
―今後の展望をお聞かせください。
織戸 今後もあまり変わりません。とにかく良いものを作っていくということと、我々が販売しているホワイトシップのブランドの品質にかなう魚を使っていくということです。どんな魚でもいいというものでもないので、魚の時期や魚自体の品質を考えると、かなり限定されてしまいます。大事な限られた資源を使わせていただいているので、大事に売っていきたいと思っています。
最近はFacebook等SNSを使ったPRを行っており、大阪・関西万博に商品を提供しました。もともと弊社の商品は口コミで広がってきました。社員が友人や親戚に「私たちが作っている缶詰って、こんなおいしいんだよ」と渡していたところ、その方々が次々に買ってくださるようになりました。ご友人に配ったり、ご贈答品として使っていただいたところ、またそれを食べた人が買ってくださり、少しずつ少しずつ輪が広がって、現在に至っています。今までのお客様にご迷惑をかけないよう、品質だけは絶対に守っていかなければなりません。
―貴重なお話をありがとうございました。

「オリーブ油漬 ファンシー・フレーク詰合せ 小型缶6缶入」特撰まぐろオリーブ油漬ファンシー 90g×3缶、特撰まぐろオリーブ油漬フレーク 90g×3缶
価格:¥2,041(税込)
店名:由比缶詰所
電話:0120-272-548(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yuican-shop.com/index.php?dispatch=products.view&product_id=49
オンラインショップ:https://yuican-shop.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
織戸仁(株式会社由比缶詰所 代表取締役社長)
1964年生まれ。1982年に入社し、1989年には自社ブランド品の通信販売開始に伴い、その中心メンバーとして通信販売業務に携わり、特にブランディングの強化に注力した2003年に取締役就任、2016年には同社代表取締役社長に就任。静岡缶詰協会経理部会長として、協会および業界全体の発展にも注力している。
<文/垣内栄 MC/田中香花 画像協力/由比缶詰所>