プレミアムなお肉を伝統のたれ味噌に漬けた山形の名品。吉田畜産の「米沢牛漬」と「蔵王樹氷三元豚ロース味噌漬」

2025/06/11

今回、アッキーこと坂口明子編集長が注目したのは、山形県のプレミアムな牛肉や豚肉です。山形県で評判のお肉屋さん「吉田畜産」では、牛肉は雌牛にこだわり、柔らかく口の中でとろけるようなお肉を提供。味噌漬けやハムなど、加工肉のおいしさにも定評があります。また、その伝統の味と品質の良さもさることながら、ネット通販ページのおしゃれさやスタイリッシュさにも注目です。吉田畜産株式会社 4代目 代表取締役社長の吉田昌永氏に取材陣がお話を伺いました。

吉田畜産株式会社 代表取締役社長の吉田昌永氏

―御社の成り立ちについて、教えてください。

吉田 もともと大正時代から山形で農家を営んでおり、豚も牛も飼っていました。その頃、牛はあまり食べる文化がなく、畑を耕すために農家が飼っていました。子牛を農家に売って、成長して働いた牛をまた買い戻し、屠畜して販売する「馬喰(ばくろう)」という商売をしていました。しかし、昭和40年代くらいからトラクターなどが普及しはじめ、だんだん牛を飼う農家が少なくなってきたため、肉屋として創業しました。

1953年に吉田畜産株式会社を創業。精肉店を皮切りに、その後スーパーマーケットへと発展。

―吉田社長就任の経緯も教えてください。

吉田 私は4代目で、牛や豚を飼っていた祖父や父をみて育ちました。なかなか県内だけでは商売にならず、東京に過積載状態で豚を運び、途中で豚が逃げ出してしまったという話も聞いたりして、苦労していることも知っていました。

それもあって、高校生の頃にはあまり家を継ぎたくなかったんです。山形からすぐに来られないように、なるべく遠くの方がいいと、北海道小樽の大学へ進学しました。ところが、大学に入って1週間くらいしたら父がやってきて、「継ぐのか継がないのかはっきり決めろ」「祖父も心配しているから安心させろ」と迫られて、長男でしたし、「継ぐよ」と答えるしかありませんでした(笑)。

それでもなかなか山形には帰らず、北海道の地元スーパーに就職しました。うちでもスーパーマーケットを営んでいたので、修行という形です。実家が肉屋だと言ったら、なぜかパン部門に配属されてパンを焼いていました。

25歳の時、大学で知り合った妻と結婚することになり、それを機に山形に戻りました。専務を経て、2017年(平成29年)11月29日、「いい肉の日」の語呂合わせが重なった日に社長就任し、8年が経ちました。

山形牛、米沢牛などのブランド牛をはじめ、「よしだの牛肉」は黒毛和牛のメスのみ。
皮下脂肪が多く、不飽和脂肪酸を多く含み、融点が低いため、とろけるような味わい。

吉田 ちなみに、肉屋の息子だからよく肉を食べていたかというと、そうではありません。やはり売り物ですから。18歳の誕生日に初めてサーロインステーキを食べさせてもらい、世の中にこんなにうまいものがあったのかと思ったのを覚えています。当時は霜降りの牛肉なんて、まだ珍しかったんです。

―現在は、「ショッピングセンター吉田」を営まれていますね。

吉田 スーパーは今年で46年目、1978年の開店です。豚小屋や牛舎があった場所なのですが、だんだんと市街地になってきたのと、当時スーパーマーケットが流行り出していたこともあって、精肉店をスーパーにしました。食肉部門の品揃えは、専門小売店以上に充実しています。鶏肉は青森県産の彩菜鶏や五穀味鶏などの銘柄鶏、豚肉は山形県産の蔵王樹氷三元豚などを中心に仕入れています。もちろん、山形牛などのブランド牛、山形県産牛の商品も多く取り揃えています。自家製造のハム・ソーセージも約30アイテムご用意しています。生肉だけではなかなか儲けが出ないこともあって、父がドイツで勉強してきて販売を開始しました。

先代がドイツで作り方を教わってきたというソーセージやハムなどの加工肉。
2010年には、IFFAドイツ国際見本市で5個の金メダルを受賞しているとのこと。

―山形牛、米沢牛を扱う、「エリア29」というコーナーもありますね?

吉田 2017年に米沢牛コーナーをリニューアルしました。精肉業界も高齢化していて、やめてしまう人も多いんです。業界を盛り上げないと、なかなか若い人が入ってきてくれないのが現状です。そこで、肉屋をかっこよく見せたいと思い、「地方から業界をCOOL&STYLISHに変えたい!」を掲げ、「お肉の秘密基地」をコンセプトに店作りをしました。同名のギフト用通販サイトも立ち上げています。「エリア29」というネーミングについては、当時大リーグで活躍していたイチロー氏の守備範囲をその背番号から「エリア51」と呼んでいたことや、ネバダ州のUFOが頻出すると言われる場所が「エリア51」と名づけられていることにインスピレーションを得ています。

ショッピングセンター内の「エリア29」コーナー。まるで海外のようなおしゃれな店構えで、買い物が楽しい体験になりそう。

山形牛・米沢牛のギフト用通販サイト「エリア29」。
最高級のお肉をスタイリッシュなパッケージでお届けできる。おしゃれなオリジナルグッズの販売も。

―今回、ご紹介いただく「蔵王樹氷三元豚ロース味噌漬」について教えてください。

吉田 こちらは、50年以上前からあった商品です。オリジナルブレンドのたれに、地元産豚肉を漬け込んだもので、かなりお買い得でリピート率の高い商品です。地元山形のタレ味噌を甘くブレンドしているので、特にお子さんに好評で、「せがまれてまた買いました」といったお声を聞くと、とても嬉しいです。豚肉は、山形県の広大な大自然で育った上質なものを厳選しています。通常より肥育期間が長いため、手間がかかっていますが、その分濃厚さを楽しめます。温かいご飯にのせて丼にするのが一番のおすすめ。そのほか、サンドイッチにしたり、細切りにしてもやしと炒めても合います。 

80%以上の人がリピートするという豚肉の味噌漬。
お肉はしっかりと厚みがあるのに、口の中でとろけるようにやわらかく、甘いタレ味噌はきっと誰もが好きな味。
焼くだけで調理も簡単なので、忙しい人にもピッタリ。

―もう一品ご紹介いただく、「よしだ伝統の味 米沢牛漬」はどんな商品でしょうか?

吉田 米沢牛のモモ肉をメインにサシの多いところを厳選して、山形の味噌と吟醸酒の酒粕をガーゼに塗ったものに挟んで漬け込んでいます。吟醸酒の酒粕を使っているので、フルーティな芳香と旨味が凝縮され、肉もとても柔らかくなります。お酒の風味がありますから、お酒が好きな方や大人の方におすすめです。少し高級なので、贈答用にお買い求めいただくことが多いです。

こちらも50年以上前から作りつづけている商品です。今だったら「米沢牛漬」なんていう商標は取れていなかったでしょう。包装紙も昔のままです。また、これは裏技なのですが、ガーゼに残った味噌ダレに鶏肉や魚などを挟んで2〜3日つけておくと、おいしい味噌漬けになります。

大切な人への贈答品として、昔から続く人気商品。米沢牛の厳選部位を2週間熟成させた後、丁寧に味噌に漬け込んでいる。
さすがは米沢牛という繊細な脂の旨味に、酒粕と味噌が効いていて絶品。一度は食べてみたいご馳走。

―今後の展望について、お聞かせください。

吉田 地方は特に、人口が減り、高齢化しています。どんどん人が減って、お客様も60歳以上の年配の方がほとんどですから、幅を広げるにはネット通販しかありません。それもなかなか競争も激しく、苦心しているところです。伝統の味を受け継ぎながら、時代にあった商品を開発していかなければ、と思います。農家も減っていて、牛を育てる人もいなくなるのではないか、という危機感があります。それでも、儲かる業界なら若い人もきっと入ってくるはず。若い世代の憧れになること、畜産業のイメージをかっこよく変えていくことで、業界の活性化に繋がると信じています。 それが、私たちができる社会貢献の形ではないかと考えています。

デザイン性の高い贈答用のパッケージや、デニムのトートバッグ、Tシャツといったアパレル商品も開発。
デザインのセンスで業界を盛り上げていく。

―おいしいのはもちろん、かっこいいお肉屋さんに行ってみたくなりました。貴重なお話をありがとうございました!

「蔵王樹氷三元豚ロース味噌漬」(10枚入・15枚入)
価格:¥2,376〜¥3,564(税込)
店名:よしだのお肉・吉田精肉店
電話:0236-44-5629(10:00~17:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yoshidameat.stores.jp/items/6536042e87fb370030cff814
オンラインショップ: https://yoshidameat.stores.jp/

「よしだ伝統の味 米沢牛漬」(300g・200g)
価格:¥3,564〜¥5,940(税込)
店名:よしだのお肉・吉田精肉店
電話:0236-44-5629(10:00~17:00 土・日・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yoshidameat.stores.jp/items/65360d124b7d39002d2f8e32
オンラインショップ: https://yoshidameat.stores.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

吉田昌永(吉田畜産株式会社 代表取締役社長)
山形県出身。山形東高校、小樽商科大学商学部を卒業後、米ユタ州立大イースタン校への留学を経て、住友石炭鉱業株式会社(現住石マテリアルズ株式会社)スーパーマーケット事業部に勤務。1997年に家業の吉田畜産株式会社に入社し、専務を経て2017年に代表取締役社長に就任。

<文/尾崎真佐子 MC/田中香花 画像協力/吉田畜産>

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