今回、編集長アッキーが気になったのは、大分の温泉水を使った麦焼酎です。商品を製造・販売している株式会社LINES・代表取締役の清原裕輔氏に商品の魅力について取材陣がお話を伺いました。

―創業の経緯を教えてください。

清原　私は幼少期からサッカーをやっていて、地元のサッカーチーム「HOYO FC（現ヴェルスパ大分）」でプレーをしていました。大学でもサッカーをやっていましたが、卒業後は父が経営している会社の関係で、中国に2年滞在しました。そのときに現地の縫製会社の社長と仲良くなって、現在のユニフォーム制作業へとつながっていきます。一方、サッカーをやっていたことから、サッカー選手が引退後に働ける場所を作る必要性を感じていました。そうした流れの中で、2009年、父の会社の傘下として株式会社LINESを立ち上げました。最初は保険代理店業からスタートし、その後、貿易事業や農業事業へと拡大していきました。

「神々」は原料に九州麦や芋、大分の温泉水を使用。「美人の湯」と呼ばれるシリカを128mg/L 含有。

―事業内容について教えてください。

清原　最初は保険事業を5年ぐらい営んでいましたが、代理店にお客様を移管して、次第に貿易事業に力を入れるようになりました。日本国内のスポーツチームや企業向けにユニフォーム、制服を作っています。お話したように中国滞在時に知り合った社長とのネットワークがあったので、日本よりもコストを抑えられる中国で生産し、製造販売しています。また、お客様の要望に応じて機械や部品の調達も行っています。

2017年には農業分野に進出しました。きっかけは、サッカーチームのコーチが営んでいたニラ農園の廃業でした。最初はフットサルコートを作る予定でしたが、大分はニラの特産地でもあります。農業には以前から興味があったので、そのままニラの生産を行うことになりました。

―今回ご紹介する焼酎「神々（ジンジン）」の開発の経緯を教えてください。

清原　2015年に弊社の新たな事業として焼酎ブランド「ジンジン」が誕生しました。その背景には、大分の温泉水の存在があります。大分にはシリカを豊富に含む温泉水があると知り、最初は化粧品や飲料水としての活用を考えました。シリカとは人間のカラダに必須なミネラルで、カラダにとって重要な役割を果たし、美容・健康に注目されている成分のひとつでした。しかし、化粧水や飲料水の事業に参画するのは障壁がいろいろあったので、お酒ならどうかと思いついたのです。

地元の小野酒造に企画を持ち込んで試作していただいたところ、非常にまろやかで深みのある焼酎ができたという報告があり、本格的に事業化することにしました。コロナ禍の際は形になっていたので、おうち需要で売上を伸ばすことができました。

ロックはもちろんソーダ割りで焼酎ハイボールや、ブラックコーヒーでコーヒー割などもおすすめ。

―「神々」のコンセプトはどういったものでしょうか。

清原　大分は湯布院、別府など温泉で有名です。温泉水を使っていること、さらに美人成分と言われるシリカ水が含まれていることをアピールし、女性にもおすすめできる商品であります。また地下800メートルから汲み上げられている15,000年前の温泉水なので神秘性も感じていただけることでしょう。

現在は、地元の小野酒造や藤井酒造と協力し、昔ながらの常圧蒸留法（じょうあつじょうりゅうほう）を用いて、麦の旨みと香りを存分に引き出し製造しています。蔵にあった蒸留器のサイズで作っているので、お酒をおいしくする菌がしっかりつき、5年熟成したような角がとれたまろやかな味わいを生み出しています。すっきりした口当たりの良さも魅力です。芋焼酎好きな方にもご満足いただける麦焼酎です。九州にはたくさんの有名な焼酎がありますが、「大分といえば神々」と思ってもらえるようなブランドを目指しています。

―パッケージデザインも素敵です。

清原　ラベルの文字は地元の女性書道家にお願いしました。デザインコンテストを通じて、コラボすることができたのです。木箱に「感謝」「御祝」などと書いた記念ボトルの焼酎もあります。手土産や贈答品としても使える、特別感のあるデザインに仕上がって、好評いただいております。

木箱に入った贈答用。

―今後の展望を教えてください。
清原　「神々」は全国に広めるだけでなく、将来的には海外展開も視野に入れています。今は酒蔵と協力して製造していますが、将来的には自社での生産も検討中です。さらにシリカの健康効果を科学的に証明し、新たなマーケットを開拓していきたいですね。これまでEC販売を強化し、Amazonや楽天を中心にオンライン展開を進めてきましたが、より多くの人に商品を届けるため、リアル店舗でも全国展開をしたいです。また、今年は世界初の温泉水を使ったウイスキーの販売も予定しているので楽しみにしていてください。

―貴重なお話をありがとうございました。

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

＜Guest’s profile＞

清原裕輔（株式会社LINES 代表取締役）
1983年大分県国東市生まれ。2009年8月に株式会社LINES設立と同時に代表取締役に就任。現在は酒類事業、貿易事業、農業を軸に国内のみならず海外へも目を向けて活動中。

＜文／垣内栄　MC／田中香花　画像協力／LINES＞