このたび編集長・アッキーが出合ったのは、京都・伏見にある老舗宝石店・株式会社タカノが手がけるブランド「TRUTH」。原石そのままの姿が美しい稀少なアンカットダイヤモンドの神秘的なパワーを宿したジュエリーを生み出しています。自身もお守りのように毎日身につけているという株式会社タカノの副社長・高野徳代氏にアンカットダイヤモンドの魅力やジュエリーにかける思いを伺いました。
ありのままの美しさを!神秘的な力を宿すアンカットダイヤモンド「K18 Necklace」「K18 rough diamond」
2023/10/04
株式会社タカノ 副社長の高野徳代氏
―御社の歴史をお聞かせください。
高野 時計修理の店から始まって、今年で創業106年。主人で3代目にあたります。石川県から伏見へ出てきた初代は当初、酒蔵に勤めていました。その傍ら、夜には時計修理の見習いをして技術を習得したようです。独立後は時計に主軸を置きながら、宝石も取り扱うように。当時、宝石を扱う店はなかなか珍しかったようです。
世界で最も権威のある宝石学の教育機関・米国宝石学協会(GIA)が定めた
宝石鑑定士の資格を有する小谷氏(左)、
「TRUTH」の企画立ち上げから携わる市來氏(中央)。
―オリジナルのジュエリーブランド「TRUTH」設立の経緯は?
高野 一般的にジュエリーはシンプルなデザインが好まれる傾向にあるのですが、それと同時に現代は個性が重視される時代でもあります。ほかにはない特徴を打ち出していくためにはどうすればいいのか。色々と模索するなかで出合ったのが、「TRUTH」で使用している“アンカットダイヤモンド”でした。
地球のエネルギー、自然の美しさが詰まった
オンリーワンのアンカットダイヤモンド。
―アンカットダイヤモンドとは、どんな宝石なのでしょうか?
高野 一般的な宝飾用ダイヤモンドは、ゴツゴツした原石にカットを施すことで光が反射し、美しい輝きを放ちます。アンカットダイヤモンドも原石ではあるのですが、2つのピラミッドを底面でくっつけたような正八面体の結晶です。人の手が加わっていないというのが信じられないほど美しく、やわらかに輝くその姿にすっかり惚れ込んでしまいました。
ブランド設立の企画が立ち上がったのは3年前で、ちょうどコロナ禍の真っ只中。さまざまな情報が錯綜し、何を信じていいのか、この先どうなっていくのか、誰もが不安を抱えていた時期です。そういった状況下で企画を進めるなかで、古来人々は宝石の美しさだけでなく、エネルギーやパワーに魅せられてきたことを知りました。
とりわけエネルギーが高いのが、宝石の王様と言われるダイヤモンド。なかでも自然のままの姿をとどめる原石には非常に強いパワーがあるのだろうと感じていましたので、 “災いから守ってもらう”という意味も込めて、アンカットダイヤモンドのジュエリーブランドとして「TRUTH」を立ち上げました。
古くは、「神秘的な力」を保持するため、
ダイヤモンドはカットしてはならないと信じられていたという。
―かなり希少価値の高いものなのでは?
高野 ダイヤモンドは、数十億年という長い時間を経て、地下150kmより深い高温高圧下で炭素が結晶化したものです。それが地上へと押し上げられ採掘されるまでに、さまざまな外的影響を受けますから、ふたつとして同じものはないのです。そんななかで、これほど美しいエッジを持つ正八面体の原石が産出されるということは、本当に不思議だし、神秘的ですよね。歴史的に見ても産出量はごくわずかで、宝飾の世界に入って50年ほどになる弊社の宝石鑑定士でもこれまで目にしたことはなかったようです。
職人が一つひとつ想いを込めてつくる「K18 Necklace」。
京都・綾部で800年以上受け継がれてきた
手漉き和紙・黒谷和紙に包み、桐箱に収めて届けてくれる。
―とくに美しいものだけを厳選して使用されているそうですね。
高野 私たちが使用するのは1,000ctに2~3ctほどしか存在しない、もっとも希少価値が高く、高品質な原石です。まず、エッジが非常に綺麗だということ。そして、より透明度が高くて色も美しく、内包物が少ないことが条件です。一つひとつ微妙に形は違うのですが、ほぼ同じ大きさ、同じ特性を持つ原石を選んで使用しています。
ほかにも「TRUTH」とは別に、1点もののアンカットダイヤモンドを使ったジュエリーも販売しているんです。ダイヤモンド原石特有の “トライゴン(表面に見られる三角形の模様)”や、紫外線にあたるとネオンのように輝く蛍光性をいかした唯一無二のデザインも、ぜひご覧ください。
タカノBASE店で販売中の「K18 rough diamond」。
石の表面にいくつものトライゴンが見られる。
紫外線を当てると、美しい蛍光を発する。
―最後に今後の展望をお聞かせください。
高野 石だけを販売するミネラルマルシェなどの展示会にも出展しているのですが、そこではみなさん色々な石の見方をされるんです。私たち自身も「TRUTH」を立ち上げたことで、宝石に対する考え方が変わってきていて。これからは宝飾品としてだけでなく、石そのもの、“鉱物”としての魅力をもっと発信していけたらなと考えています。
―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
「K18 Necklace」
価格:¥94,600(税込、送料無料)
店名:TRUTH
電話:075-611-0246(10:00~19:00 火曜を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://truth-diamond.takano26.co.jp/products/k18-petitnecklace-2
オンラインショップ:https://truth-diamond.takano26.co.jp/
「K18 rough diamond」
価格:¥100,000(税込、送料無料)
店名:タカノBASE店
電話:075-611-0246(10:00~19:00 火曜を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://takano0246.base.shop/items/73440588
オンラインショップ:https://takano0246.base.shop/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
高野徳代(株式会社タカノ 副社長)
1963年、奈良県吉野郡生まれ。短期大学卒業後、株式会社タカノに入社。3代目社長の妻となる。2006年に健康事業部を設立。大正6年創業106年続く、宝石・小売り・卸企業。2022年よりミネラルマルシェ等のルース(宝石)の展示会に出展。天然石の魅力を伝え続けています。
<取材・文/野村枝里奈 画像協力/タカノ>