和菓子好きを魅了し続ける「たねや」の商品。6月からの通販限定品や、今年から年間を通して季節の味が登場するあの人気商品をご紹介。

和菓子好きを魅了し続ける「たねや」の商品。6月からの通販限定品や、今年から年間を通して季節の味が登場するあの人気商品をご紹介。

2022/07/08

全国の百貨店などでおなじみの和菓子舗「たねや」は150年の歴史を誇る老舗でありながら、世の一歩先を行く新しい試みを次々に展開する先進企業です。お取り寄せにも力を入れる同社に、アッキーこと坂口明子編集長も興味津々!たねやグループCEOの山本昌仁氏に取材スタッフがうかがいました。

たねやグループCEOの山本昌仁氏
たねやグループCEOの山本昌仁氏

―「たねや」という店名はどうしてついたのですか?

山本 当家は江戸時代から近江八幡で材木商を営んでいました。その後、穀物や根菜の種を売る仕事に転じ、地元の方から「種屋」と呼ばれていましたので1872年(明治5年)に私の曽祖父にあたる7代目が菓子屋を開いたとき、「種家末廣」とつけました。菓子屋になっても「〇〇の種はありますか」と電話がかかってきたそうですよ(笑)。地元の皆さまにつけていただいた名前を今も大事に「たねや」と名乗っています。育てていただいた近江八幡を大切に思い、今も本社は「ラ コリーナ近江八幡」 内にあります。

2015年にオープンした、たねやグループのフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」
2015年にオープンした、たねやグループのフラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」。
田畑を耕し、木を植えるなど、人と自然が交流する場でもある。

―近江八幡は近江商人が生まれた町として有名ですね。

山本 江戸時代、天秤棒をかついで全国を回って商売をしたのが近江商人です。その中から江戸で大きな店を構えた人も出ました。その商売のしかたを後世の人が「三方よし」と表現しました。「売り手よし 買い手よし 世間よし」と、皆が得をする商いのしかたは現在のSDGsの考え方そのものだと思います。
もちろん利益が出るほうがいいのは確かですが、私はそれよりも「今日いかにお客様に喜んでいただけたか」を大事にしたいと思っています。お母さんがおにぎりをつくるとき、屋内で食べる場合と屋外で食べる場合では塩分量や握り方を変え、夏なら梅干しを入れて腐敗を防ぐ工夫をしますね。これは食べる人を思いやってしているのです。思いやりとは相手のことを自分のこととして行動することです。私たちもお客様が、いつ、どのような場面でお菓子を食べてくださるのかを常に想像してお菓子をつくりたいと思っています。

―お菓子をつくるときに大切にしていることは?

山本 特に材料の吟味は大切にしています。材料をどういう人がつくっているのかを知るために、私自身が産地を訪ねます。
たとえば、オリーブオイルをお菓子に取り入れるようになったのも産地を訪ねた成果です。2011年、社長に就任した年のこと、イタリアのトスカーナ地方に行き、たまたま訪れたオリーブ農園のオーナーの方のオリーブオイルの有機栽培に対する熱意をうかがって意気投合し、その場で農園のオリーブオイルを全部買ってしまいました。当然、自分では食べきれない(笑)。そこでオリーブオイルを使うために開発したのが今の「オリーブ大福」や「たねやオリーブ餅」です。

近江米を使ったキヌア入り餅にたねやの餡を添え、フレッシュなオリーブオイルをかけていただく「たねやオリーブ餅」
近江米を使ったキヌア入り餅にたねやの餡を添え、フレッシュなオリーブオイルをかけていただく「たねやオリーブ餅」。
和のお菓子とオリーブオイルの出会いが楽しめる。

―ドラマチックなお話ですね。「たねや本生羊羹」にニュースがあるとか。

山本 この商品は完全無菌状態のクリーンルームでつくっているため、殺菌のために熱を加える必要がなく、小豆本来の赤紫色をしていて、食べた瞬間に小豆の風味が口の中に広がります。甘味も抑え、小豆のおいしさが最大限に引き出されています。夏季限定商品でしたが、多くのお客様よりご好評いただき、2022年からは年間を通しての販売に切り替えます。ビールに秋味があるように、和菓子にも季節ごとに味が変わってもいいのでは?という発想で、9月新商品として、秋にも美味しく食べられる味に調整した「たねや本生羊羹」が発売される予定です。

「たねや本生羊羹」はさらっとなめらかな口当たり。
「たねや本生羊羹」はさらっとなめらかな口当たり。

―食べ比べてみたいです! 御社は通販にも力を入れていますね。

山本 通販は1999年とかなり前からやっていましたが、お客様一人ひとりと向き合う対面販売を重視してきました。当社は3代前までは家族経営の菓子屋でしたので、「暖かくなりましたね」とか「雨で足元が悪いのにありがとうございます」などとお話しながらお菓子を買っていただくことを大事にしてきて、それは今でも変わりません。しかし、数年前からオンラインでも購入したいというお客様の要望が増えたため、2019年からシステムを再構築して態勢を整えました。2021年、コロナ禍で店を閉めていた時期もお客様にお菓子をお届けできたのはうれしいことでした。
もう1つ、オンライン販売のメリットがあります。それは冷凍技術が発達したため、工場でお菓子を冷凍してつくりたてのままお届けすることができるようになったことです。お客様は注文して食べたいときを見計らって解凍して、ご自宅でそのお菓子の一番の食べごろを楽しんでいただくことができます。今後、通販限定商品も拡充していきたいと思っています。

通販限定商品「冷やししるこ10食入」
通販限定商品「冷やししるこ10食入」¥5,400(税込)。
小豆の風味を生かし、甘さをおさえた爽やかな味わい。
あんこに余計な熱をくわえず冷凍しお届けすることで、“できたて”がおうちで楽しめると人気。
餅は力のある滋賀羽二重糯を使った白餅、よもぎ餅、赤米黒米餅の3種類。

―楽しみです。今後の展望は?

山本 相も変わらずお菓子屋をやり続けていくことです。伝統とは何かとよく聞かれますが、続けていくことが伝統だと思います。 2025年には「大阪・関西万博」がありますので店舗、通販と販売チャンネルを広げ、全国、世界中の方においしいお菓子を食べていただければと思っています。

―本日は有意義なお話をありがとうございました。

「たねやオリーブ餅」

「たねやオリーブ餅」
価格:¥864~(税込)
店名:たねや
電話:0120-295-999(10:00〜17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.taneya.co.jp/c/114
オンラインショップ:https://shop.taneya.co.jp

「たねや本生羊羹」

「たねや本生羊羹」
価格:(3個入)¥1,242、(6個入)¥2,484、(9個入)¥3,726、(12個入)¥4,860、(15個入)¥6,102(すべて税込)
店名:たねや
電話:0120-295-999(10:00〜17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.taneya.co.jp/c/68
オンラインショップ:https://shop.taneya.co.jp

冷やししるこ10食入

「<通販限定>冷やししるこ10食入」
価格:¥5,400(税込)
店名:たねや
電話:0120-295-999(10:00〜17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.taneya.co.jp/i/09287
オンラインショップ:https://shop.taneya.co.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山本昌仁氏(たねやグループCEO)

1969年 滋賀県生まれ。高校を卒業後、東京製菓学校に進学。1990年株式会社たねやに入社。専門学校在学中より和菓子職人に師事、修業期間は10年に及ぶ。1994年には「第22回全国菓子大博覧会」で工芸菓子『長閑(のどか)なるかな』が名誉総裁工芸文化賞を受賞。2000年にたねやの専務取締役、2011年に同社代表取締役社長に就任。2013年からたねやグループCEOに就任。自身はリレーランナーの1人と考え、次の代の育成に努めている。

<文/今津朋子 MC/中田紗也夏 画像協力/たねや>

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