内祝いや香典返しなどに、カタログギフトを贈る人は多いのではないでしょうか。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、「信州からの贈りもの」。信州の農産物や加工品、伝統工芸品などに特化したカタログギフトです。本品を販売する石森株式会社の代表取締役社長 石森義久氏に、取材陣がお話をうかがいました。
内祝い・香典返しに人気!信州の隠れた名品・伝統工芸品に出会えるカタログギフト「信州からの贈りもの」で心に残る贈り物を。
2024/07/03
石森株式会社 代表取締役社長の石森義久氏
―御社の沿革をお聞かせください。
石森 先祖代々、長野県上田市で呉服(絹織物)や太物(綿織物、麻織物など)の卸商を営んでいました。戦後、祖父が晒・天竺などの綿布、縫糸の卸商として新たなスタートを切り、1954年に石森良三商店を創業。1966年には株式会社石森商店を設立し、ブライダルや仏事のギフト用品の卸売を開始しました。その後、2代目の父が代表取締役社長に就任した際に、社名を石森株式会社に変更しています。
私は当社の3代目になります。大学卒業後は流通業界に就職、30歳のときに当社に入社し、2005年に社長に就任いたしました。総合ギフト・繊維商社として、現在も長野県上田市にて、経営を続けております。
―ギフト市場に参入したきっかけは?
石森 ギフト用品の卸売を始めたのは、祖父や父の代からです。日本では古くから、葬儀の返礼品に白いものを贈る風習があります。長野県上田市では当時、晒を贈る習わしがあり、当社が扱っていた太物にも返礼品としての需要があったことがきっかけです。また白いシーツやタオルなどを扱うにあたり、寝装品を販売する西川産業(現・西川株式会社)さんとのお取引が始まり、婚礼用布団を仕入れたことをきっかけにブライダル用品の卸売事業もスタートしました。時代のニーズに応え、変化していくことで、自然とそうした事業展開につながっていったのだと思います。
―「カタログギフト『信州からの贈りもの』」について教えてください。
石森 信州の農産物や加工品、伝統工芸品などに特化したカタログギフトです。作り手の丁寧な技術や温かい想いが込められた、他にはないこだわりのアイテムが詰まっています。結婚式の引出物や結婚内祝、出産内祝など、さまざまな場面での返礼品などとしてお使いいただけます。
コースは全部で4種類ある。
「りんごコース」¥4,180~、「あんずコース」¥6,380~、
「ぶどうコース」¥9,680~、「かりんコース」¥11,880~。
―なぜ、信州に特化したのですか?
石森 私が社長に就任した当時、仕入れ先の多くは県外のメーカーでした。一方、主な卸先は地元の葬儀場や結婚式場、金融機関などです。これでは、地元でお世話になっているにもかかわらず、売り上げた利益は県外に流出してしまいます。ちょうどその頃、地産地消という言葉をよく耳にするようになっていたこともあり、経済的に地産地消していきたい、長野県内に還元していきたい、と考えるようになりました。
地元に根差した企業や地元で評判の職人が創り出すアイテムを厳選して掲載。
安心安全、添加物不使用といった点にこだわってセレクトしている。
―カタログギフトにした理由は?
石森 返礼品には現物の商品を贈るのが一般的でしたが、私が当社に入社した頃に、カタログギフトというのが世間に出回り始めました。また、「作り手とお客様を結ぶ役割を果たす」という企業理念を掲げており、その理念にかなうギフトを作りたい、と考えていたのもカタログギフトを企画した理由のひとつです。
生産者さんや工芸品の職人さんが、地元で小規模な事業を営み、作るアイテムというのは、ギフトになりにくいものでした。なかには十分な販路を確保できず、埋もれてしまう商品もあります。そこで、カタログギフトとしてラインナップを揃えれば、選ぶ楽しみや隠れた名品を発見できるといった新たな価値を創出できるのではと考えました。作り手の販売面に関する手助けとなりながら、お客様が喜ぶギフトを提案できれば、それが我々の一番の役割であり、役目を果たせるかと思っています。
―どれくらいのアイテムが掲載されていますか?
石森 コースによって異なり、それぞれ50から70アイテムが掲載されています。カタログギフトを始めた当初は20アイテムでした。企業様によってはカタログギフトに抵抗感を示される場合もありますが、当社が長年、地元に根差してきた企業であることに信頼をお寄せいただき、掲載につながるケースもあります。カタログギフトの販売を始めてから20年弱。今では載せきれないものもあるほど、たくさんの企業様、職人さんにアイテムのご提供をいただくカタログギフトに成長いたしました。
―今後のビジョンをお聞かせください。
石森 創業から70年、時代の流れやニーズに沿って事業を行ってきました。当社はこれから事業継承という時期に入っていくのですが、それを見据えたときに、今後の日本、これからの地方というのがどう変わっていくのか、その変化に企業としてどう対応するか、思いを巡らせているところです。
人口の流出は長野県や上田市にとっても大きな課題であり、地元企業としても本来の事業活動とは別に、そうした課題に対する努力をしていかなければならないと考えています。これからの社会を担う若い世代に、魅力を感じてもらえる企業でなければなりません。
また、カタログギフトに関しては、デジタル化を進めており、デジタル交換できるような仕組みを作っています。皆様にお届けできる日も近いと思います。楽しみにしていてください。
―貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
「カタログギフト『信州からの贈りもの』りんごコース」
価格:¥4,180税込)
店名:石森良三商店通販(石森株式会社小売部門)
電話:0268-22-6237(9:00~17:00 土日祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ishimoriryozo.com/i/111
オンラインショップ:https://www.ishimoriryozo.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
石森義久(石森株式会社 代表取締役社長)
1964年 長野県生まれ。30歳を機に地元上田市に戻り、石森株式会社に入社。2005年、代表取締役社長に就任。「新たなる卸機能を創造する」をテーマに、商品開発、新業態に注力している。
<文/棚田れんげ MC/伊藤マヤ 画像協力/石森>