大切な思い出を長く美しく飾っておきたい人に。「Oshibana de peu.connu(オシバナ ドゥ プーコニュ)」

大切な思い出を長く美しく飾っておきたい人に。「Oshibana de peu.connu(オシバナ ドゥ プーコニュ)」

2022/10/11

名古屋の下町大須で20年以上、花と緑を飾る文化を提案している生花店。クラフトイメージの強い押し花をスタイリッシュに仕上げ、一瞬の幸せを洗練されたインテリアグッズへ生まれ変わらせるブランドを立ち上げました。今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になった株式会社プーコニュ 代表取締役の下野浩規氏に、取材陣が伺いました。

株式会社プーコニュ 代表取締役の下野浩規氏
株式会社プーコニュ 代表取締役の下野浩規氏

―イベント運営、郵便事業からの生花店開業と、ユニークな経歴ですね。

下野 高校時代に組んでいたバンドにのめり込み、イベントや舞台をつくる仕事に就きました。しかし交通事故で膝を痛め、仕事ができない時期が長く続いてリタイヤ。入院中、両親の勧めで試験を受け、郵便局員になりました。ただ、いつか起業したいという思いは常々もっており、好きだった雑貨店を検討しましたが、ただ仕入れたものを売るだけでなく、そこに自分の手をかけて人に喜んでもらいたいと考えていました。雑貨を求めて海外を旅行する中で、花屋に魅力を感じました。特にパリなどヨーロッパでは、花屋がいたるところにあって、気軽に花を買って日常的に飾る文化がすてきだな、と。

―郵便局員から花屋さんへと転身されたんですね。

下野 修業のため、古い体質の花・植木小売企業に就職しました。過酷な労働環境下、さまざまなことを学びましたね。花屋が身近で日常に溶け込むためにはどうしたらよいか、もっと気楽に立ち寄れる場所にしたいなど、自分の店づくりへのイメージをどんどん膨らませていきました。
イベントを盛り上げたり人生の節目を彩ったりと、すばらしい仕事をしているのに、花屋の地位が低いと実感したのもこの時期です。良い仕事に真っ当な対価が発生する世界にしたいと強く思いました。

―2000年にオープンされた「プーコニュ」への想いをお聞かせください。

下野 妻と2人で、5坪の店を始めました。コンセプトは「生活の中で気軽に花を飾る文化を広める」。当時はまだ、花は花瓶に飾るものという概念が強くありましたが、マグカップや雑貨に花を飾る提案をしました。家の中にあるもので花を飾れれば、ハードルが下がりますよね。ギフトショーに雑貨の仕入れに行くわけなんですが、花屋はほとんどいなくて、珍しいことをしているんだと思い、その路線を貫きました。
誰でも気軽にさらっと入れる店、買わなくても気後れしない雰囲気、見ることも楽しんでいただくための滞在時間が長くなる工夫……店づくりで大切にしたのはそんな点です。

―20年の間に2度の移転や事業拡大、社員増強と目覚ましい成長ですね。

下野 1度目の転機は、ブライダル事業を始めたことでしょうか。まだ妻と2人でやっていたので、昼間は店、夜はブライダルの準備で徹夜続き。心身ともに疲弊し、公私ともに2人きりだった妻とのけんかも絶えませんでした。そこで人を雇い入れたんです。そして気づきました。どんなに花を日常に飾る文化を広めたくても、提供する側である花屋が増えないと実現しないということに。後進を育てながら、知人がスタートさせたブライダル事業が発展したことで、うちのブライダル装飾も広がっていきました。現在は35名の正社員と40名のパート社員を抱えるまでになりました。

―「Oshibana de peu.connu」ブランド誕生のきっかけは?

下野 雇用を始めた当初は、独立していくスタッフを育てるつもりだったのですが、人が増えるにつけ、一生関わり合える関係になりたいと思うようになりました。結婚や出産を理由に退職するスタッフに、戻れる場所があったらいいのではないかと……。店での販売やブライダル装飾、企業の生け込みなどと違って、必須の時間がないので、労働時間の制限や、子どもの病気など突然の欠勤も、ある程度許容できます。現在「Oshibana de peu.connu」のトップ4人は、結婚や出産を経て戻ってきたスタッフなんですよ。

―ブランドのコンセプトやメニューを教えてください。

下野 「ブライダルブーケを押し花に。」がコンセプトです。結婚式で使用したブーケを押し花に加工して、自宅へお送りします。押し花って、実はちょっとあか抜けないイメージがあって、敬遠していました。しかし洗練されておしゃれな作品を見つけたんです。これなら、寿命のある生花を保存して、スタイリッシュに飾ることができる、これはいいぞと、東京まで通って習いました。

ブライダルブーケに使った実際の花を押し花にしてくれるサービス。
ブライダルブーケに使った実際の花を押し花にしてくれるサービス。

―どのくらいの工程を経て出来上がるんですか?

下野 まずは、花をすべて解体します。花びら、おしべ、めしべ、がく、葉という具合に。次に、マットに乗せて乾燥させます。毎日マットを変えながら1~2週間かかるでしょうかね。そして、ドライになると花の退色や変色が起きますから、着色します。それを元のブーケ通りに見えるように組み立て直し、額に入れます。注文から納品まで5か月をいただいています。

ブライダル装飾を手掛ける生花店だからこそのクオリティを実現。
ブライダル装飾を手掛ける生花店だからこそのクオリティを実現。
花を一度解体し、加工を施して再度組み立てるという、手間暇のかかる工程。
花を一度解体し、加工を施して再度組み立てるという、手間暇のかかる工程。

―プーコニュならではのバリューは?

下野 長年生花を扱いブライダルブーケを作ってきた経験ではないでしょうか。生花の見え方やブーケの良さを押し花に生かすことができていると思います。専属の熟練カリグラファーが1文字1文字心を込めて描くオリジナルのカリグラフィーも好評です。「幸せな想い出を残したい」という気持ちに応えたいという思いです。

新郎新婦の名前や結婚式の日付など希望の文字を手描きしてもらえる。
新郎新婦の名前や結婚式の日付など希望の文字を手描きしてもらえる。

―2022年夏にブランドサイトが完成。今後の展開は?

下野 現在は電話やFAX、契約しているブライダル会場などから申し込みができますが、2022年中に押し花専門の実店舗をオープン予定で、ECサイトも制作中です。現在はブライダルブーケが中心ですが、インテリアアイテムとしての制作販売もしていく予定です。プーコニュ創業のときから変わらず「花を日常に飾る文化を広めたい」と思っています。生の花から作る押し花なら、より気軽に飾れるのではないでしょうか。

―下野社長ご自身の展望は?

下野 会社が大きくなりマネジメント業務が増えてきましたが、自分自身は花で好きなものを作ることが一番好きです。「Oshibana de peu.connu」でも、現在インテリアアイテムは私が1人で担当しています。この押し花は本当に良いものだと自信がありますし、教えてくれた師匠に広める約束もしているので、広く知っていただけるよう展開していきます!

―素晴らしいお話をありがとうございました!

Oshibana de peu.connu

「Oshibana de peu.connu」
フレームのデザイン、大きさ、レイアウト、入れる文字をセレクトしてオーダー。

価格:¥40,000(税込)~
店名:oshibana de peuconnu
電話:052-433-8711(10:00~16:00)
FAX:052-433-8711(10:00~16:00)
E-mail:info@oshibana-de-peuconnu.jp
定休日:日曜/インターネットでのご注文は24時間365日受付
オンラインショップ:https://www.oshibana-de-peuconnu.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
下野浩規(株式会社プーコニュ 代表取締役)

1974年愛知県名古屋市生まれ。高校卒業後、イベント会社での照明担当、郵便局員などとして働いた後、老舗の園芸ショップで4年間修業。2000年に独立し、妻と一緒にフランス語で「穴場」という意味のフラワーショップ「PEU-CONNU」を開業。店売り、生け込み、ブライダルを20年間プロデュース。
2020年、新たに「生活の中にお花、oshibanaを気軽に飾る、贈る文化」を広めたいとOshibana de peu.connuを立ち上げる。

<文/植松由紀子 MC/根井理紗子 画像協力/プーコニュ>

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