【9月の食日記】

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〇月×日
ワインに合う肴を供する寿司屋は多いが、敢えて握りにワイン、それも赤を合わせるお店は「鮨からく」だけではないだろうか。老舗でありながら、戸川大将のたゆまぬ研究ゆえ、極めて独自な鮨店として注目されている。全てのネタに江戸前の仕事がしてある、つまり水分を抜いているので生臭さが消え、様々なワインと調和するようだ。マグロの漬けに、ワインの搾りかすで漬けたマスタードをのせたりといった工夫も面白い。まるでマリアージュを楽しむラボのようでもあり、来日したワイン生産者が訪れることも多いとか。それでいて、雰囲気は昔ながらの活気溢れる銀座の鮨屋っぽい。価格も極めて良心的なので、鮨入門的な使い方もいいかもしれない。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 からく
▶ URL http://ginza-karaku.com/

〇月×日
今年初挑戦した「いくらの醤油漬け」。編集を担当した山脇りこさんの「いとしの自家製」を見ながら。秋鮭の筋子を塩水で洗い、丁寧に皮を取るのがポイント。思いのほか簡単に出来るので、ぜひ。鯛を軽く漬けにした切り身とご飯にのせると、もう天国。

いとしの自家製(amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4835638166

〇月×日
「橋本屋鮨八」は、6月30日に駒場東大前にオープンしたカウンター6席のお店。ゆったりと寛げる。代々木の「橋本屋」という魚屋さんが経営。差別化を図るために、肴は和食の経験がある職人さんが作っていて、一品一品がとても美しい。握りは代々木上原「久遠」などで修業した八田宏和さんが担当。程よい按配で、フレンドリーな接客と相俟って住宅街で愛されそうだ。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 橋本屋 鮨八
▶ URL http://hashimoto-ya2.jp/

〇月×日
こちらも同じ6月30日にオープンした、うしごろグループの最高級ブランド店「USHIGORO S.」。全席個室でそれぞれの部屋に焼き師がつく。いかにも西麻布らしいお店。霜降り/赤身、各14000円のコースのみ。田村牧場と川岸牧場から仕入れた極上の黒毛和牛はもちろん、調味料に至るまで自然の素材にこだわっている。それゆえ、ユッケ、焼しゃぶ、ヒレカツ、シャトーブリアン、すき焼き、ステーキ等々、横綱級が並んでもスイスイ食べられて重くない。〆のラーメンやカレーまで余裕でいけてしまう。もう焼き肉無理かも…という年代の皆様におすすめ。個室は基本的に4名から。8月には隣にカウンターの肉割烹「上」もオープン。早く行かねば。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 USHIGORO S.
▶ 住所 東京都港区西麻布2-24-14 Barbizon73 B1F
▶ 営業時間 17:00〜24:00
▶ TEL 03-6419-4129
▶ URL http://ushigoro-s.com/

〇月×日
休日はストレス解消のため? 料理にいそしむ。この日は有名な「丸岡の餃子」が届いたので、こちらをメインに。とすると、イメージは居酒屋と勝手に思い、そんなようなラインナップに。愛用する「ろく助塩」を振って揉みこんでおいただけのキャベツが好評。一瞬にして消える。ご飯が余っていたので、〆には焼きおにぎりを。単に裏表5分ずつくらい焼くだけだが、子供受けは極めていい。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 ぎょうざの丸岡
▶ 住所 宮崎県都城市志比田町7314
▶ 営業時間 AM 9:00~PM 5:00
▶ 定休日 日・祝祭日
▶ TEL 0120-229-582
▶ FAX 0986-46-5546
▶ URL http://shop.gyo-za.co.jp/

SHOP INFORMATION
▶ 店名 ろく助本舗
▶ URL http://www.rokusuke-honpo.com/

〇月×日
目黒駅から8分ほど歩いた場所のおしゃれなイタリアン「リナシメント」。シェフは「ダノイアルトリ」出身。一時代を築いた名店「ダノイ」の良さは、過剰ではない、しみじみとした美味さ。ゆえに同店出身者のお店は安心できる。30種の品が盛られる名物、インサラティッシマ・リナシメントは酒好きならたまらない一皿。穴子のフリット、トリュフのタヤリン、短角牛のローストなどもぶれない安定感がある。三浦オーナーの、プロフェッショナルなイタリアンならではのサービスもとても楽しい。大人が楽しく寛げるお店だ。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 RINASCIMENTO
▶ 住所 東京都目黒区下目黒2-23−2 1F
▶ 営業時間 12:00〜13:30(LO) 18:00〜21:30(LO)
▶ 定休日 日曜日 月曜日のランチ
▶ TEL 03−6420−3623
▶ URL http://rinascimento.tokyo/

〇月×日
銀座にオープンした「新広東菜 嘉禅」へ。シェフを務めるのは昨年、紀尾井町「シノワ テイスト オブ カントン」で料理長だった簗田圭氏。かつて働いていたシンガポールのエッセンスも取り入れた料理は、様々なスパイスを絶妙に組み合わせてあり、味の広がりや深みがいい。個室やライブ感を味わえるカウンター、秘密の入口などもあって、まさに銀座仕様。高レベルで競い合う最近の中華に、またひとつ注目の店が登場した。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 新広東菜 嘉禅 − Cantonese Kazen –
▶ 住所 東京都中央区銀座 6−5−13 銀座美術館ビル 2F
▶ 営業時間
平日
・ランチ 11:30〜15:00(LO.14:30)
・ディナー17:30〜23:00(LO.22:00)

土日祝
・ランチ11:30〜16:00(LO.15:30)
・ディナー17:30〜22:30(LO.21:30)

▶ TEL 03-6264-5851
▶ URL https://ginza-kazen.therestaurant.jp/

〇月×日
中目黒の某バーで開催された驚きと楽しさに満ちたイベント『すし喜邑』VS『鮨なんば』。予約の取れない人気店の両ご主人が、交互に握りを供してくれた。同時に食べ比べると、特徴がわかりやすく面白い。そしてさらに「しらす創り七代目 山利」のしらすセットがお土産に。早速「天日干しちりめん」「胡麻入りちりめん佃煮」「山椒入りちりめん佃煮」で息子の3色弁当を。同梱の「しらす、ちりめん醤油」は直接ごはんに少し垂らして。豚のバター醤油焼きとしゃぶしゃぶポン酢。自分で食べたい。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 しらす創り七代目 山利
▶ 住所 和歌山県和歌山市本脇543
▶ 営業時間 8:30~17:00
▶ 定休日 日曜/天候不良時
▶ TEL 073-455-0013
▶ FAX 073-451-0313
▶ URL http://www.yamari.info/

〇月×日
根岸にある、東京を代表する洋食店のひとつ「香味屋」。ビーフシチュー、オムライスなど数多い名物の中でも、こちらのメンチカツは格別。ナイフを入れても流れ出ない肉汁が、噛んだ途端に口中に溢れる。揚げ物好きなら、一度は味わってほしい逸品だ。下町ならではの、老若男女がハレの場として集う雰囲気もたまらなくいい。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 レストラン香味屋
▶ URL http://www.kami-ya.co.jp/honten/

〇月×日
こちらも下町の名店、浅草「ちんや」さん。創業は明治13年。現在の6代目は「適サシ肉宣言」などで注目を集める住𠮷史彦氏。伝統を守りながらも革新を追求する姿勢が注目を集めている。最近は、すき焼きの生卵に工夫を凝らしていて、味が飽きてしまわないようにと、2個目からヨーグルト入り、カレーオイル入りを選べるようになっている。これが味のアクセントとしてとても楽しい。野菜との相性も抜群。肉の質などトータルで考え抜かれたすき焼きは、食後感がまったく重くない。浅草の友人に聞くと、ハレの日や、大事な会合でよく利用される店とのこと。こういう店がある街はいい。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 すき焼「ちんや」
▶ URL http://www.chinya.co.jp

〇月×日
岡山県人なら誰もが知っているという、ソウルフード「ふるいち」のぶっかけうどん。自らCDまで出すタレント社長は、大変なアイデアマンで、真摯な経営者でもある。それゆえか息子はこの出汁の虜に。娘に至っては、お弁当に持っていきたいと。仕方ないので、茹でた麺と具材を別々のタッパーに入れ、保冷ボトルにつゆを入れて持たせて送り出す。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 ぶっかけ亭本舗ふるいち
▶ 住所 岡山県倉敷市阿知2-1-8
▶ TEL 086-425-3200
▶ URL http://shop.marubu.com/

〇月×日
親愛する食業界の友人たちと高田馬場「とんかつひなた」で念願の部位食べ比べ。リブロース、ロース、ひれ、しきんぼ、らんぷ、とんとろを一切れずつ。さらに豚汁とソースカツ丼で3500円というのは、絶対のおすすめ。同じ時に食べてこそ、違いが実感できるし、とんかつでそんなことが体験できることは滅多に無いので。そしてこちら、編集を担当した「東京とんかつ会議」の中で、わずか15軒しかない栄えある殿堂入り店! とんかつの人気店は、基本的に行列必至だが、こちらは予約もできるので行きやすい。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 とんかつ ひなた
▶ 住所 東京都新宿区高田馬場2丁目13-9 鈴木ビル
▶ 営業時間  [月~土]11:00~20:30(L.O) 昼休みなしの通し営業
▶ 定休日 日曜
▶ TEL 03-6380-2424
▶ URL http://www.tonkatsu-hinata.jp/

大木淳夫

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長

1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・クリエイティブ局メディアプロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「東京とんかつ会議」(山本益博・マッキー牧元・河田剛)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「グルメ多動力」(堀江貴文)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。
現在は、「テリヤキ」(堀江貴文氏が運営するグルメキュレーションサービス)公式キュレーター=「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、「食べログ著名人」としても活動中。

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