2月の食日記

【2月の食日記】

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〇月×日
「鮨 海界」は昨年9月、六本木の路地裏にオープン。SNSなどで話題になる前から、著名なグルマン、三ツ星シェフ、はてはハリウッドスターまでが訪れていた脅威のお店。壮大過ぎる経歴を持つオーナーFei-Feiさんと、札幌「鮨田なべ」出身の求道者の如き西崎さん、30代のふたりがどこまで高みを目指し、上り詰めるのか楽しみでならない。そしてこの日は年間1000本しか作られず、しかも海外のみで売られている日本酒「N」を飲めるという僥倖。15分毎に味が変化するすごさ。

「鮨 海界」
海外のみで売られている日本酒「N」
六本木の路地裏にオープン

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮨 海界
▶ URL https://www.sushikaikai.com/

〇月×日
関内の「常盤鮨」にようやく。鮨好きの間で、「ところであの、「水谷」や「ます田」にいた背の高い彼はどこに行ったんだろう?」と密かな話題になっていた林ノ内勇樹さんが、三代目としてつけ場に立つ。昭和27年創業の老舗だが、全面改装して、いかにも美味い鮨が食べられそうな空間になった。「鮨水谷」ゆずりの流線形の握りが美しい。早めに常連になることをおすすめしたい。

関内の「常盤鮨」
「鮨水谷」ゆずりの流線形の握りが美しい

SHOP INFORMATION
▶ 店名 常盤鮨
▶ URL http://www.tokiwasushi.com/

〇月×日
渋谷随一、というか都内有数の焼き鳥屋さん「鳥福」。のんべい横丁にあるために誤解されやすいが、飲み屋でも居酒屋でもなく、極めて真っ当なお店だ。昨年9月から、1階に息子さんが立ち、ご主人は仕込みに専念するようになった。大ぶりの比内地鶏や姫っ子地鶏はもちろんだが、ジビエの季節の青首鴨は特に素晴らしい。

都内有数の焼き鳥屋さん「鳥福」
大ぶりの比内地鶏や姫っ子地鶏はもちろんだが、ジビエの季節の青首鴨は特に素晴らしい

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鳥福
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13002121/ (食べログ)

〇月×日
銀座「赤坂璃宮」で「春節を祝う特別賞味会」。お祝いには欠かせないという「仔豚の丸焼き」をはじめ、アヒル、ガチョウ、鳩などがずらりと吊るされた焼き物屋台が登場。壮観と言うしかない。こちらには梁さんという、焼き一筋40年以上の有名な焼き物師がいるだけに、その絶妙の火入れを堪能する。

仔豚の丸焼き」をはじめ、アヒル、ガチョウ、鳩などがずらりと吊るされた焼き物屋台
焼き一筋40年以上の有名な焼き物師がいるだけに、その絶妙の火入れを堪能する

SHOP INFORMATION
▶ 店名 赤坂璃宮
▶ URL http://www.rikyu.jp/

〇月×日
渋谷区南平台に2月オープンの「レストランナンペイダイ」は、ミシュラン三ツ星「神楽坂 石かわ」が出した洋食のお店。さるお金持ちの自宅を改装した店内は、ソリッド過ぎず落ち着きがある。和の要素も取り入れたコースは安心感があり、老若男女が楽しめる、確実に需要がありそうな構造。それゆえか、電話番号も公開されていないのに、1カ月先まで満席という人気ぶり。この日は鮑のコロッケでスタートし、〆はすっぽんとビーフコンソメのラーメン。

鮑のコロッケ
すっぽんとビーフコンソメのラーメン

SHOP INFORMATION
▶ 店名 レストラン ナンペイダイ
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13215830/(食べログ)

〇月×日
「亀戸の奇跡」と賞され、もはや伝説と化している感がある「メゼババ」。貧乏人のパスタなど、オープン当初からの名物は多々だが、外せないのが「愛農ポーク」。三重県の「愛農学園農業高校」で、生徒たちに大切に育てられた豚さんの美味さといったら! しかも滋賀県の肉のスペシャリスト「さかえや」さんが、この肉を扱える技術と知識と愛情があるシェフにしか卸さないという、幻級の豚。訪れた際にメニューにあったらぜひ。

貧乏人のパスタ
「さかえや」さんが、この肉を扱える技術と知識と愛情があるシェフにしか卸さないという、幻級の豚

SHOP INFORMATION
▶ 店名 メゼババ
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1312/A131202/13163222/(食べログ)

〇月×日
永福町駅から井の頭公園駅に至る井の頭線エリアには、個性的なイタリア料理店が多いが、中でもこちら、浜田山の「ダカゼッタ」は大好きな一軒。シェフはもともと魚介料理が得意だったが、最近は肉も充実。メニュー選びがさらに悩ましくなった。2.2ミリという、太麺好きにはたまらない美明豚のラグーは、口中で跳ねまわるような食感で、余韻まで楽しめる。グラスのビオや国産ワインも充実しているので、大いに食べ、飲みたい人にお勧めしたい。

2.2ミリという、太麺好きにはたまらない
美明豚のラグーは、口中で跳ねまわるような食感で、余韻まで楽しめる

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Da Casetta
▶ URL http://www.da-casetta.com/

〇月×日
「ダカゼッタ」の余韻を引きずり、パスタが食べたくなったのでお昼は娘とアマトリチャーナを。息子は置き弁。そんなわけで、お弁当の豚焼きはトマト味になり、パスタにはレバーが入ることに。そして料理家・山脇りこ先生のフェイスブックへの投稿で感銘を受けた、おくら竹輪! ネバネバが旨味を呼んで、意外な程美味しい。星型になるのも子どもウケしそうだ。たくわんは無添加「いなか漬たくあん」。

お弁当の豚焼きはトマト味になり、パスタにはレバーが入ることに
山脇りこ先生のフェイスブックへの投稿で感銘を受けた、おくら竹輪!

昔ながらの無添加・いなか漬たくあん
https://goo.gl/kJLLNX
(amazon商品ページ)

〇月×日
二代目の研究熱心さと憎めないキャラクターで、一躍人気鮨店となった四谷「後楽寿司 やす秀」に移転後初訪問。サービス精神が旺盛なのはよく知っていたが、入り口から仕掛けが。これだけで、初めての訪問でも緊張がほぐれて楽しめるはず。フランス料理の皿にインスパイアされたかのごとき「松葉蟹スペシャル」やウニのリゾットといった品もワクワクするが、羽釜にこだわった酢飯の握りは更なる進化を遂げていて、すぐに再訪したくなった。

羽釜にこだわった酢飯の握り
ウニのリゾット
「松葉蟹スペシャル」

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▶ 店名 後楽寿司 やす秀
▶ URL http://www.kouraku-sushi.jp/

〇月×日
調味料だけはこだわりなさいと、真っ当な料理家の方々は口を酸っぱくしておっしゃるが、本当にその通りだと思う。こちらは和歌山「堀河屋野村」の白味噌と三ツ星醤油。300年以上の伝統を持ち、昔ながらの手法を守っている。その深み、甘みは格別で、料理の腕が上がったと錯覚させてくれる。

和歌山「堀河屋野村」の白味噌
和歌山「堀河屋野村」の三ツ星醤油

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▶ 店名 堀河屋野村
▶ URL http://horikawaya.ocnk.net/

〇月×日
バレンタインに渋谷にオープンした新生「ビオディナミコ」。前の場所から少し移転して席数も大幅に増えた。1200円ランチのパスタは標準でも150グラム、そして同じ値段で200グラムにも出来る。夜のコースも6千円とお手頃値段に。さらに同じサローネグループの藤巻氏が山形で立ち上げ、話題の「グレープリパブリック」のナチュラルワインが飲めるというのはとても嬉しい。

バレンタインに渋谷にオープンした新生「ビオディナミコ」
1200円ランチのパスタは標準でも150グラム、そして同じ値段で200グラムにも出来る。

SHOP INFORMATION
▶ 店名 biodinamico
▶ URL http://www.bio-dinamico.com/

〇月×日
スペインのバスク地方、サンセバスチャンにあり、100年以上の歴史を持つ「美食倶楽部」。その日本版を目指し、職業も年齢もバラバラな料理オヤジが集って立ち上げた一般社団法人日本ガストロノミー協会のお披露目パーティ。数百名の方からお申込みいただき、3部6時間計90人の集いに。理事のひとりとして、不安に苛まれつつバタバタと準備していたが、全て杞憂に。いきなり「ENEKO東京」監修のスペイン三ッ星シェフ、エネコ・アチャ氏が飛び入りで羊を調理。その後ろで「肉山」の光山オーナーがフライパンを振り、横で「よろにく」早川料理長が肉を切り、2部では「ラブリアンツァ」の奥野シェフと「ジャスミン」山口シェフが競演。3部はかの「レカン」の前料理長である高良さん。さらに最後には際グループ・中島総帥による麻婆豆腐! しかし、人様に料理を振る舞うということが、ここまで緊張するものとは。改めて料理人・料理家の皆さまを心から尊敬いたします。

一般社団法人日本ガストロノミー協会のお披露目パーティ
理事のひとりとして、不安に苛まれつつバタバタと準備していたが、全て杞憂に
改めて料理人・料理家の皆さまを心から尊敬いたします

SHOP INFORMATION
▶ 店名 一般社団法人日本ガストロノミー協会
▶ URL https://www.facebook.com/japangastronomyassociation/

〇月×日
中目黒の住宅地にある「うどんsugita」で有名な「海苔ぶっかけうどん」を。四万十の海苔を練り込んだ麺の上にまた最上級の海苔と温泉卵。少しずつだし醤油をかけたり、卵を崩したりして味の変化を楽しみつつ、腰のある麺の食感を味わう。美味い。しかし、残念ながらこの2月で閉店に。いつまでも記憶に留めたい。

「海苔ぶっかけうどん」

SHOP INFORMATION
▶ 店名 うどんsugita

大木淳夫

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長

1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・クリエイティブ局メディアプロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「東京とんかつ会議」(山本益博・マッキー牧元・河田剛)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「グルメ多動力」(堀江貴文)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。
現在は、「テリヤキ」(堀江貴文氏が運営するグルメキュレーションサービス)公式キュレーター=「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」としても活動中。

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