東京で70年以上の歴史。炭火造りのおいしさが際立つ「昔ながらの納豆」「北海道産小粒 有機の蕾」

2025/06/26

今回、編集長アッキーが気になったのは、東京で作られているこだわりの納豆です。商品を製造・販売している株式会社保谷納豆・代表取締役社長の木内茂則氏に商品の魅力について、取材陣がお話を伺いました。

株式会社保谷納豆 代表取締役社長 木内茂則氏

─創業の背景やきっかけについて教えてください。

木内 祖父が戦後、今の西東京市、昔の保谷市で納豆屋を始めたのがきっかけです。最初は祖父が以前勤めていた飛行機工場の社宅からスタート。創業は1951年(昭和26年)で70年以上の歴史を持ちます。私は3代目になります。

「昔ながらの納豆」と「北海道産小粒 有機の蕾」。

─幼い頃から家業を継ぐことは意識されていたのでしょうか。

木内 当初は家業に入ろうという気持ちはありませんでしたが、大学卒業後は家業と少しつながりがある流通企業に就職しました。3年経った頃、父から戻るように言われて、いろいろ葛藤はありましたが、小さい頃から見てきた会社ですし、興味もあったため入社しました。

─事業戦略について教えてください。

木内 納豆業界では売上規模でおよそ30番目の企業だと思います。私達が生き残るためには、大手企業がなかなかやりたがらない、やりにくいことを軸に新しい商品を考えることが大事です。大手が手を出せない希少な材料で勝負していくというポリシーで会社を運営しています。

工場直販を行っているので、リピーターも多く、地元の方に支持されています。主力商品は40~50gの納豆を中心に、約20種類あります。通販ではクール便を利用し、キャンペーン等で送料を軽減する工夫もしています。

工場では手作業が多く、特に経木(きょうぎ)の包装は機械化が難しいです。煮方(にかた)と呼ばれる職人を筆頭に約50名で動いています。

─今回ご紹介する「昔ながらの納豆」について詳しく教えてください。

木内 「昔ながらの納豆」の三角の形は、前社長である私の父が、小さい頃に納豆売りをやっていた時の形です。経木は新潟県で育った赤松を薄く剥いたもの。水に濡らして少し柔らかくしてから容器として使うのですが、経木は非常に通気性もありながら保湿性もあって、納豆の容器としては非常に優れたものだと思います。経木自体にも殺菌作用があって、日持ちもします。経木が出すグルタミン酸の香りと味が納豆に乗っかり、風味が非常に良い納豆に仕上がっています。

室(むろ)の中で七輪を使って炭火をたく。炭は岩手県産の楢(なら)の木炭を使用。

発酵過程では炭火製法を採用し、特許を取得しています。納豆を発酵させる室で、一度酸欠にするために中で炭を炊きます。この時、納豆菌は自分の命を守るため、体内活動を徹底的に減らして、休眠状態にはいるのですが、今度はそこに一気に酸素を送り込みます。すると、菌は猛烈な勢いで、パワフルに活動を始め、この時の納豆菌の貧欲な活動がおいしさにつながるのです。さらに、発酵室内に備長炭を敷き詰め、炭の特性による空気清浄・脱臭・吸湿性効果などを活用し、おいしい納豆に仕上げています。

北海道小粒大豆100%。赤松経木でつつみ仕上げている。

─おすすめの食べ方を教えてください。

木内 経木にグルタミン酸が入っているのでそのままでも風味豊かです。そのため、塩との相性がとても良いんです。パラパラと塩をかけて、あまり混ぜないで食べるのが私は好きです。混ぜるか混ぜないかで確かに食感は変わりますが、栄養成分が変わることはないのでお好みです。岩塩も良いですね。

大根おろしでさっぱりと。

お味噌汁に入れて具だくさんに。

卵黄入りで、卵かけご飯風にも。

─最近開発された「北海道産小粒 有機の蕾」について教えてください。

木内 去年の秋から販売を開始した商品です。有機栽培の大豆を作るには、3年間有機農法として畑を使用しなければいけないんですが、その間は「転換期間中」で有機ではないんです。その期間の大豆を販売するところは少ないのですが、有機よりも低価格で譲ってもらい、商品にしたのが「有機の蕾」です。

北海道産のユキシズカ小粒大豆(有機転換期間中大豆)を100%使用。

─この商品を開発されたきっかけはなんだったのでしょうか。

木内 農家の方々を応援しようという想いと、有機の畑を増やしてもらいたい、というところから始まりました。有機農業に変えることで、農家の子どもさんが「お母さんの手がきれいになった」と話していました。お母さんも「みんな健康になりました」とおっしゃっていて、一生懸命売っていかないといけないなと思いました。

─お客様の反応はいかがですか?

木内 こだわりのあるお客様からは「扱ってくれてありがとう」と言われて、とてもうれしかったです。

─最後に、今後の展望についてお聞かせください。

木内 新商品の開発は2年に1回程度で、今後も他社との差別化を図りながら、小規模でも高付加価値の製品を展開していくつもりです。大手企業がやれない、やりたがらないというところを大事にしながら、東京で生き残っていきたいというのが一番の願いです。手抜きのない商品、手作りの商品をこれからも作っていきます。

朝食だけでなく、夕食の一品にも取り入れるのがおすすめ。

大豆という食材は免疫力もアップしてくれて、健康食品として非常にすごいものだと思うので、たくさんの方に食べていただきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「昔ながらの納豆1P(小粒)」50g
価格:¥140(税込)
店名:保谷納豆どっとこむ
電話:042-394-6600(9:00~17:30 日曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.hoya-nattou.com/item/2933/
オンラインショップ:https://www.hoya-nattou.com/

「北海道産小粒 有機の蕾(有機転換期間中大豆使用)」40gx2
価格:¥160(税込)
店名:保谷納豆どっとこむ
電話:042-394-6600(9:00~17:30 日曜除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL: https://www.hoya-nattou.com/item/2919/
オンラインショップ:https://www.hoya-nattou.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

木内茂則(株式会社保谷納豆 代表取締役社長)
1966年東京都生まれ。法政大学経営学部卒業後、流通業の一般企業に入社。3年後、株式会社保谷納豆入社。2014年代表取締役に就任。

<文/垣内栄 MC/田中香花 撮影/坂口明子 画像協力/保谷納豆>

羽田甚商店

注目の連載

注目の連載

Special serialization

羽田美智子さん連載

SNSできになるあのひと

社長インタビュー

連載一覧を見る

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter