
ボトルデザインも素敵!岩見沢発、北海道の素材を使ったみずみずしい「炭酸ドリンクセット」
2025/06/13
味のよさはもちろんのこと、パッケージのセンスがよいと、ギフトやおもてなしに、また一人で楽しむ時にも選びたくなりますよね。そんな視点で今回編集長アッキーが注目したのが、地元北海道の素材を使ったドリンクやジャム、スープなど、おいしくておしゃれな加工品を製造販売する岩見沢市のブランド「NORTH FARM STOCK」の「炭酸ドリンクセット」です。運営する株式会社白亜ダイシン代表取締役の早坂亮二氏に、ブランド設立の経緯や商品について、取材スタッフがお話を伺いました。

株式会社白亜ダイシン 代表取締役の早坂亮二氏
ー御社ではもともと食品を扱っておられたのですか?
早坂 いえ、もともとは鍋や釜、包丁など金物を製造する会社で、私は長男ですから会社を継ぐと漠然と考えていました。大学を卒業して入社した後、28年前に、父が体調をくずしてバトンタッチをすることになったのですが、当時は地元岩見沢の中心部がシャッター街になりつつあり、本州の大型店ができてそちらに人が集まるなど、これから何をしたらいいか、不安を感じていました。
そんななか、ある時料理講習の仕事で農協の婦人部に出かけ、講習後にトマトジュースを勧められました。実は私はトマトジュースは苦手だったのですが、せっかくなのでいただいたところ、びっくりするほどおいしくて衝撃を受けたのです。ただ、見た目というかデザインはきれいではなかったので、おいしいものはおいしく見せないと、とその時強く思いました。
ーそれが始まりだったのですね。
早坂 考えてみると、本州の取引先の方々は、北海道に来るとなんでもおいしいとおっしゃっていました。道民は毎日おいしいものを食べているので、地元のすぐれたものに気づかなかったのです。私は「これだ!」と思いました。北海道は日本の食料基地なんです。ただ、原材料など一次流通は多いけれど、加工品は弱い。北海道の素材を加工して広めていくために、きちんとしたブランドを作り、パッケージもイメージのよいものにして新しい食の提案をしていこうと考えました。

早坂氏は地元北海道は食の宝庫と実感し、北海道の素材を使った食品製造の道へ。
ーNORTH FARM STOCKというブランドですね。
早坂 「北海道」「加工品を含む農産物」「蔵出しのような特別感」という意味込めました。ブランドの名前から背景が見えるようにしたのです。トマトジュースが苦手な私がおいしいと思ったのですから、売れる確信はありましたが、父や周囲は猛反対。でも熱い思いを持っていたので、止めても聞かないと思ったのか、父は500万円という軍資金を出してくれました。
ーすぐに売れたのですか?
早坂 本州に売りに行きましたが、なかなか売れず、家はトマトジュースの山になりました。いろいろ苦労がありましたが、多くの人に助けられてここまでやってこられたと思います。
ー事業で大切にされていることは?
早坂 大切にしているのは5つのP。マーケティングで知られるProduct(商品)、Place(販売場所)、Price(価格)、Promotion(販促)に、私が加えた5つ目はPromise、約束。エンドユーザーとの信頼関係を大切にするということです。お客様のイメージや期待を裏切ってはいけないということ。お客様との見えない約束を守ろうと決めているのです。北海道のいいものを北海道から発信するブランドを作るには、毎日の積み重ね、約束が大事だと考えています。
ー商品はデザインの良さも目を引きますね。
早坂 たとえばトマトジュースは、中身はそのままでワインのようなボトルに詰めることにしました。当時は珍しかったと思います。おそらく日本で初めて、トマトジュースにワインキャップも付けて…。手作り感が伝わるラベルも作りました。デザインはデザイナーさんにお願いしていますが、私はもともと映画や音楽、ファッションに興味があって、デザイナーさんとも話が盛り上がり、一緒にこんなふうにしてみようとか言いながら作っています。

北海道の素材を生かしたブランドを設立。きっかけとなったトマトジュースをおしゃれなボトルで販売。


すっきりとしてコンセプトが伝わるパッケージ。ドリンクのボトルもおしゃれ。
ー中身の試作はお家のキッチンでされることもあるとか?
早坂 妻が料理好きで、開発は妻が担当しています。バーニャカウダも20年前は私は知りませんでしたが、妻が提案してくれました。ただ、家庭の小さい鍋と工場の大きな釜では、配合から何から変えないといけませんから、多少苦労はします。でも年に数回、最近は年に1回と決めて5、6点は新商品を出しています。
ー商品づくりのこだわりは?
早坂 素材を大切にすること。そして、原材料の何か一つは必ず北海道のものを使うことにしています。全部北海道のものと決めると、幅が狭くなってしまいますから。生産者さんは、最初は紹介してもらうことが多かったのですが、今はこんなものがあるよと、よいものを持って来てくださるケースが多いです。たとえば生姜。北海道では採れないと思っていましたが、おいしい生姜があって、ジンジャーエールに使っています。
ー販売のほうでは、直営店も作られたと?
早坂 最初は岩見沢に工場があって、12、3年前に少し離れた郊外に移った時に、ちょっと違った空間、遊べるお店というのか、アンテナショップを付けたいと思ったんです。展示販売だけではなく、お茶でも飲める空間があればとカフェを併設しました。


工場を郊外に移転オープンする際に、アンテナショップを併設。
「見せるだけではなく、ゆっくり過ごしていただける空間を」と奥様のすすめもあり、カフェも開いた。
ーセンスがよくてカラーも可愛いですね。
早坂 直営店には岩見沢だけでなく、札幌や旭川、本州や海外などいろいろなところからお客様が来てくださっています。SNSの影響はわかりませんが、SNSも大切なツールとしてやっていきたいと思っていますし、息子と有能な社員が考えてやってくれています。
ー今回の商品、ドリンクギフトセットはどんなセットですか?
早坂 ジンジャーエール、エルダーフラワーシロップ、ミックスベリーソーダ、ハニーレモネードのセットです。いずれも微炭酸のドリンクで、まずジンジャーエールから始まりました。北海道にはないと思っていた生姜を、近郊の農家さんが作っていることを知り、作ってほしいとお願いしました。生の風味を楽しめるもので、瓶の底にオリがたまるのですが、それは本物のジンジャーだというプライドのようなもの。一度逆さにして開けていただくと、生姜の味がより豊かに感じられます。
エルダーフラワーシロップは、やや挑戦的な商品ですが、北欧などで風邪予防にも飲まれるハーブドリンクです。ミックスベリーソーダは、今年発売した新商品。北海道にはベリー系が多く、これはラズベリー、ハスカップ、カシスなどをミックスしています。ほかには、ハニーレモネード。レモンは北海道では採れないので、北海道産のはちみつを使っています。

希少な北海道産生姜を使った「北海道ジンジャーエール」。無濾過でみずみずしい生姜の風味が味わえる。

ハーブと北海道産はちみつから生まれた「北海道エルダーフラワーソーダ」。リラクゼーション効果がありそう。
ー赤いドリンクは珍しいですね。
早坂 赤い色の炭酸飲料はあまりなく、見た目もきれいですので、ギフトボックスに入れました。白い玉のデザインは、炭酸をイメージしたものです。炭酸系は夏場はとくにご好評をいただいています。

2025年の新商品「ミックスベリーソーダ」。ハスカップ、はちみつをベースに、ラズベリー、カシスをブレンド。

北海道のはちみつとシチリアレモン。大人向けのスパークリング、「北海道ハニーレモネード」。
ー全国のお店にも卸されているのですか?
早坂 北海道から全国に食の新しい提案をしようということで、取引先はアッパー層をターゲットにした200社ほどがありますが、岩見沢から発信することをモットーとして、私の代では店舗展開はしないと決めています。
ー今後の目標やビジョンをお聞かせください。
早坂 NORTH FARM STOCKをご存知ない方は多いので、やはりブランド力を付けたいです。一朝一夕にできることではなく、ゴールもない。ミルフィーユのように積み重ねが大事です。お客様との約束をどう守っていくか。ブランド力の向上は大変な作業ですが、毎年ジャムやソースをはじめ新商品を出して広げていきたいと思いますし、白亜ダイシンは黒子でいい、NORTH FARM STOCKを前面に出し、ホームページやSNSなど時流にあったやり方で前進していきたいです。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。

「GIFT SET」
価格:¥3,240(税込)
店名:NORTH FARM STOCK
電話:0120-70-6003(9:00~17:00 日曜・祝日除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.northfarmstock.com/SHOP/4046.html
オンラインショップURL:https://www.northfarmstock.com
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
早坂亮二(株式会社白亜ダイシン 代表取締役)
1956年12月15日、北海道生まれ。1979年、大学卒業後に父が経営する株式会社白亜ダイシン入社。1998年、代表取締役就任。2000年に業種転換を図り、北海道産原材料にこだわる「NORTH FARM STOCK」を立ち上げる。北海道から全国へ新しい食の提案を行うことを目指し、事業を展開。
<文・撮影/大喜多明子 MC/藤井ちあき 画像協力/NORTH FARM STOCK>