ヘルシー麺界に新風来る!?「豆腐干(とうふかん)」

2025/06/04

今回編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、とある中国の伝統食材です。豆腐からできていて、高たんぱく低糖質、幅広い料理に使える逸品で、レンジアップで手軽に食せる世界の料理シリーズも誕生。株式会社優食 代表取締役の李振生氏に、取材陣がお話を伺いました。

株式会社優食 代表取締役の李振生氏

―李代表のご経歴からお聞かせください。

 中国で生まれ育ち、日本語の勉強をする中で、縁あって岡山大学の大学院で経済学を学びました。卒業後は東京の企業に就職し、中国での事業を担当する予定でしたが、バブル崩壊でとん挫。自分でするしかないと、1993年に三通国際商事という会社を立ち上げ、中国産天然腐植酸(土壌の改良に役立つ成分)の製造、販売を行ってきました。

-株式会社優食の設立は?

 日本でなじみの薄い中国の食材を、まずは日本に普及させて、ゆくゆくは世界に広めたいとの想いから2006年に起こした、食品事業専門の会社です。主力商品は、「豆腐干(とうふかん)」。豆腐に圧力をかけて、水分を抜き、軽く乾燥させたもので、糸状に切った「豆腐干絲(かんす)」は中華圏では広く食されている伝統食材です。中国における豆腐の歴史は2000年以上、豆腐干も同じくらいの歴史があるとも言われていますが、日本ではまだあまりなじみがないのではないでしょうか。私も子どもの頃から食べている大好きな豆腐干の良さを日本で広めるべく、日本人スタッフの意見を取り入れながら取り組んでいます。

中華圏の伝統食材「豆腐干」を日本に広めるべく活動中。

-商品の特長をお聞かせください。

 既成の豆腐干を輸入販売するのではなく、原料となる大豆選びから栽培、豆腐作り、豆腐干への加工までを一貫して中国の関連企業で行っています。同じ大豆でも、豆腐干に向くものとそうでないものがありますからね。

大豆を豆乳にする機械は、日本のものを使用。中国は生の大豆を搾る「生しぼり製法」ですが、日本と同じく大豆を煮てから豆乳にする「煮しぼり製法」を採用しています。大豆本来の風味や旨みをより豊かに引き出せるからです。主に軟水を使う日本の環境を再現するため、専用の軟水装置も導入しています。

豆乳からできた豆腐に圧力をかけ、水分を抜いて乾燥させる一連の機械は特許を取ったオリジナル。ラインに乗せて大量生産できるメーカーはそうないと自負しています。

中国では、細切りが最もメジャーですが、実は元はシート状になっています。皮のように、野菜を包んで食べたりもします。日本で展開するにあたって、細切りのロング、細切りのショート、そして平切りの3タイプをラインナップしました。

中国では細切りが一般的。

鍋料理や平麺の代替として使えるよう平切りタイプも。

-その理由は?

 中国の料理だけではなく、日本人に使いやすいような提案をしたいと思ったからです。細切りのショートは和え物や炒め物などに。ロングはスパゲティや中華麺、うどんの代わりに。平切りは鍋料理のほか、きしめんやフェットチーネといった平麺の代わりにお使いいただけます。

特に、麺の代わりに使うのをおすすめしたいです。最近の日本では低糖質のニーズが高まっていて、豆やこんにゃくなどを使った麺が出てきていますよね。これは豆腐が原料なので低糖質で高たんぱく質、そしてグルテンフリー。和洋中どんな味付けにもマッチする調理のしやすさも好評です。弊社のサイトでは、100を超える豆腐干レシピを紹介しています。料理家の市瀬悦子さんに中国まで来てもらい、大豆の栽培環境や製造工程の全てをお見せした上で、メニュー開発をしていただいています。

和洋中エスニックと様々な料理に変身。冷めてもおいしい、時間がたってものびないなどメリット多数。

-「エビとアサリのトマトソース仕立て」もその1つですか?

 これは全く別のところから生まれた商品です。とある展示会に出展した際、フードコーディネーターさんに作っていただいたメニューが大変好評でした。かねてから、豆腐干そのものだけでなく、すぐ簡単に食べられるニーズがあると思っていたこともあり、冷凍商品にすることを思いついたのです。幸いにも、生産に落とし込んでも味を保つことができ、2025年春、「豆腐干食堂」というブランドの第1弾商品として販売を開始しました。

魚介の旨みをたっぷり感じるトマトソースがフェットチーネ風の豆腐干によく絡んで間違いのないおいしさ。
豆腐干は独特の歯ごたえがあるので満足感も十分。

-どのようなブランドですか?

 豆腐干を使って、世界の料理をおいしくヘルシーに楽しむのをコンセプトとする、架空の食堂です。第1弾はイタリアとなりましたが、第2弾、3弾は中国か、タイか、韓国か、はたまた日本か…ご期待ください。「ひとに、地球に、優しい食を。」という優食のコーポレートスローガンと乖離しないよう、優しい料理、ヘルシー感、おいしそうな世界観を大切にしたロゴ・イラストになったと思っています。

コーポレートスローガンと豆腐干のヘルシー感をイラストで表現した「豆腐干食堂」。

-お客様の反応はいかがですか?

 豆腐干については、日本にいながら中国食材を楽しめるようになって嬉しいというお声をいただきます。このところ、業務用販売がとても伸びています。コンビニのサラダに定番品として使っていただいていますが、その他スーパーや百貨店からの引き合いも増えてきました。

そういえば、本国、中国から「豆腐干食堂」を扱いたいというオファーがありました。豆腐干そのものになじみはあっても、イタリア料理にアレンジするなど、まったく新しい食べ方ですから、中国でも新鮮なのでしょう。

豆腐干は中国で作っていますが、実は、大豆を加熱して絞った豆乳から作る日本式の豆腐を、中国で販売しています。絹豆腐や木綿豆腐という言葉すらない中国で日本の豆腐を売って、日本人があまり知らない中国の豆腐干を日本で売る……双方にとって役立つ食材として育てていきたいと思っています。

-今後の展望をもう少し。

李 日本のどこにいても豆腐干が食べられるような世界を、我々が実現したいと思っています。豆腐干といえば優食という存在になれるように、日々努力を続けていきます。健康的なだけではなく、おいしさや料理の面白さも一緒に啓もうしていくつもりです。そしてゆくゆくは、豆腐干をもっと世界に発信したいですね。

-素晴らしいお話をありがとうございました!

「豆腐干<細切り(長)・冷凍> 12袋セット」
価格:¥2,400(税込)
店名:優食
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yushoku.shop-pro.jp/?pid=149939266
オンラインショップ:https://yushoku.shop-pro.jp/

「豆腐干食堂 エビとアサリのトマトソース仕立て[4食セット]」
価格:¥4,000(税込)
店名:優食
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://yushoku.shop-pro.jp/?pid=179545070
オンラインショップ:https://yushoku.shop-pro.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

李振生(株式会社優食 代表取締役)
1962年 中国 吉林省生まれ。1992年 岡山大学 大学院 経済学研究科 修士課程修了。1993年 三通国際商事株式会社を設立。2006年 株式会社 優食を設立。2018年 豆腐干の輸入・販売を開始。

<文/植松由紀子 MC/田中香花 画像協力/優食>

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