小松屋_top

フランスで自社醸造。「門出」の意味の名を持つ、ビオのロゼ・スパークリングワイン

2024/07/10

おいしいワインは、毎日の暮らしを豊かにしてくれるものです。大切な人と一緒にグラスを傾けたり、食事と一緒に味わったりするひとときに、幸せを感じる人も多いのではないでしょうか。

今回、編集長アッキーが注目したのが、株式会社小松屋が手がけるフランスワイン「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ」。代表取締役を務める藤田牧雄氏と、ECショップの立ち上げなどを担当する中川マリ氏に、味の特徴や魅力をうかがいました。

株式会社小松屋 代表取締役の藤田牧雄氏

―当初は政治家を目指していたとお聞きしました。

藤田 政治家を目指したのは、大学時代、外交官になった同級生に「キミもがんばらないと」と言われて血が騒ぎ、役人を使うには外務大臣になるしかないと考えたからです。好きだった政治家の田中角栄さんの秘書を務めた早坂茂三さんに弟子入りし、世の中のことは体験して覚えろだとか、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の姿勢だとか、それはもう多くのことを勉強させてもらいました。そういった学びは今も生きていて、会社も経営しているというより、人が育つ学校を運営しているイメージです。

田中角栄さんは、人の心をつかむ方でした。会社を続けていくにも、人の心をつかめなければならないでしょう。それには、大切な人や一番好きな人に出したいものを作ることが何よりも大事です。人の心を中心に商売をやっていきたいという思いが常にあります。

―経営に対する強い思いをお持ちなのですね。

藤田 企業経営は利益を出してなんぼの世界ですから、僕の考えは「甘っちょろい」と言われることもあります。ただ僕は、世間からできないと言われる子や要領が悪い子が愚直に取り組んで成長し、世の中に認められることがすごく楽しいと感じています。人間の力は無限だということを世の中に証明したい。最大の証明となるのは事実です。今フランスでワイン造りをしている岩田も、世間的にはどんくさい奴だと思われがちですが、長い時間をかけて畑の世話をしてくれています。

小松屋_1
単身フランスに渡り、ワイン造りに取り組んでいる岩田さん。

―今回ご紹介するワインは、その岩田さんがフランスで造っているのですね。

中川 はい、当社のスタッフである岩田がフランスで初めて造ったワインです。「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ」という品名は、このワインが岩田や小松屋にとっての「門出」であることと、フランス語で出発や門出を「départ」(デパ)ということから名づけました。ラベルも自分たちで作ったもので、「風船が飛んでいくように世界中に広がってほしい」という思いを込めています。ロゼのスパークリングで飲みやすく、日本の料理にも合わせやすい味になっています。

小松屋_2
世界に飛び立つことをイメージして描かれた風船のイラスト。

―ワイン造りで大変なことは?

藤田 ビオ栽培のブドウには(除草剤や殺虫剤などの)化学的な薬剤を使っていないので、病害虫の被害を受けやすく手間もかかります。生産量だけを追い求めれば1ヘクタールの畑から1万本のワインが造れるのですが、カドデパーのようなビオの栽培だと6,000本くらいしか作れません。

小松屋_3
「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ」には
フランスの自社農園でとれるブドウを使っている。

―特徴やこだわりを教えてください。

中川 何よりも私たちの仲間が作っているという点に尽きます。こだわりといえるのは、酸化防止剤などの薬品を使っていないことと、ラベル貼りや瓶詰めなどもひとりでこなしているので、愛情がたっぷり入っていることでしょうか。

―酸化防止剤は不使用なのですね。

藤田 僕はもともとお酒が飲めなかったのですが、あるとき酸化防止剤を使っていないワインであれば頭が痛くならずおいしく飲めることが分かり、大好きになりました。ワインをもっと広めたいと思い、僕をかわいがってくれた人が「物を売るときは仕入れるのではなく、作れ」と教えてくれたのもあって、畑を買って造っています。

中川 当社で扱うワインが酸化防止剤不使用というわけではないのですが、取り扱うのはタンクに1滴、2滴ぐらい、80mg/lのものまでというルールを独自で決めています。

―「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ」の味わいを教えてください。

中川 自然の中で作った強いブドウを使っていますので、酸化防止剤に頼る必要のない品質のワインに仕上がっています。ろ過などもしていないので、飲み始めと飲み終わりで変化を楽しんでいただけます。もともとは採れるブドウによって白またはロゼで造っていたのですが、今は白になるブドウが採れなくなってきたため、2022年のヴィンテージ以降はロゼでいくことになりました。微発泡のスパークリングで飲みやすく、日本の食事にも合わせやすい味です。

小松屋_4
微発泡でブドウの風味が生きたジューシーかつ軽やかな味わい。

―どんな人に手に取ってもらいたいですか?

中川 ワインをおいしいと思えない方や若い方、普段ワインを飲み慣れてない方にぜひ飲んでいただきたいと思っています。私たちが作っているワインを、人生で最初に飲むワインに選んでいただけたらすごくハッピーです。

―今後の展望をお聞かせください。

藤田 「ほんまもんの人とほんまもんの商品を世界へ発信していきたい」というビジョンのもと、もっとたくさん笑顔を作る場を提供していきます。2024年5月1日大阪の堂島浜にカフェとショップの融合店「カフェブー & パシオンエナチュール」がオープンしました。また、3年後の2027年をめどに東京・丸の内にも出店予定です。フランスの畑も広げたいですし、アメリカのサンディエゴにレストランがあるので、そこを拠点にロスまで北上したいとも考えています。あとは人間がもっともっと成長できるよう、人が育つ環境を作っていきたいという思いは常に持ち続けています。

―お店にもぜひ行ってみたいです。本日はありがとうございました。

「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ 2022」(750ml)

「ワ シュッド ペティアン カドデパー ロゼ 2022」(750ml)
価格:¥3,150(税込)
店名:Passion et Nature
電話:072-331-0179(10:00~06:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://pn-online.com/products/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AF-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%83%E3%83%89-%E3%83%9A%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%87%E3%83%91%E3%83%BC-%E3%83%AD%E3%82%BC-2022-%E6%B3%A1-750ml
オンラインショップ:https://pn-online.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
藤田牧雄(株式会社小松屋 代表取締役)

1965年大阪府松原市に生まれる。上宮高校時代、第55回選抜高校野球大会に出場。青山学院大学在学中、級友に刺激され政治家を目指し、故・田中角栄元首相秘書の故・早坂茂三氏に師事し「人間力」を学ぶ。グルメ杵屋の故・椋本彦之元社長から商売のイロハを教わり、1991年に株式会社小松屋を設立。社長に就任。現在はお酒のオンラインセレクトショップをはじめ、レストランなど10店舗を経営。フランスにワインの自社畑、アメリカに和食店を展開。

<文・撮影/坂見亜文子 MC/矢口優衣 画像協力/小松屋>

羽田甚商店

注目の連載

注目の連載

Special serialization

羽田美智子さん連載

SNSできになるあのひと

社長インタビュー

連載一覧を見る

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter