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創業150年の歴史ある蔵元で造られた、うま味が特徴の「純米大吟醸 雪月花」「両関 純米酒」

2024/05/10

秋田県湯沢市には、150年続く蔵元があるそうです。今回は、編集長アッキーが気になった、両関酒造株式会社 代表取締役の伊藤康朗氏にインタビューを実施。同社の歴史や酒造について、取材陣が話を伺いました。

両関酒造株式会社 代表取締役 伊藤康朗氏
両関酒造株式会社 代表取締役の伊藤康朗氏

―1874年に創業。歴史を教えてください。

伊藤 創業前は油などを製造していたようですが、秋田県湯沢市の周辺には米が豊富にあるので、次第に酒造を行うようになっていったそうです。酒造が正式に家業となったのは、明治時代に入ってからでした。

創業した当時、弊社の周辺には酒造を行っているところが非常にたくさんありました。おおよそ60件はあったと聞いています。きちんと店を構えてやっているとこもあれば、一般家庭の中で作っているところもあったそうです。

―湯沢市で酒造が盛んだった理由は?

伊藤 いい条件が揃っていたからです。この辺りには米や水が豊富にあったため、原材料に困りません。そして、何よりも需要がありました。当時は、院内銀山という世界的有数の銀山があったため、たくさんの労働者が住んでおり、作ればいくらでも売れるような状態でした。

しかし、酒類製造免許が必要になったタイミングで、蔵元はおおよそ半分になったそうです。今となっては、弊社も含めて4件ほどしかありません。それでも、同じ街中に蔵元が4件もあるのは多いほうだと思います。

―社長に就任する前も、御社でお仕事を?

伊藤 始めに勤めたのは、運送業の会社です。実は、私は人と話すのがあまり得意ではなくて。しかし、「どのような職業でも、コミュニケーションをとって意思疎通をしっかりと行うことは大切だ」と思っていたので、あえて営業に携わる仕事を選びました。結果として、営業のサポート管理に廻されてしまいましたが、社内外と綿密な連絡が必要な部署だったので良かったと思っています。

弊社に入社したのは、その会社に3年ほど勤めた後です。東京都北区滝野川にあった醸造試験場で1年ほど酒造に関する勉強をし、弊社の東京出張所に勤めてから本社に戻ってきました。

―御社に入って感じたことは?

伊藤 弊社に入ってからは、「筋の通っていないことがまかり通っているところもあるな」と感じました。弊社は同族会社ということもあり、その悪いところが出てしまい、経営が傾いてしまっていました。

そこから会社を再建するために、おかしいと思うところにはきちんと向き合ってきました。いろいろな方の力をお借りして悪いところは是正し、十数年かけて立て直しながら、徹底してきました。もちろん、ときには理屈通りにいかないこともあるのですが、それを認識した上で取り組まなければ、会社はダメになってしまうなと思っています。

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秋田県湯沢市にある両関酒造。

―社長に就任後、苦労した点は?

伊藤 弊社が作ったお酒をお客様に認めてもらえるかどうかは不安でしたし、その壁をクリアするのにも苦労しました。

また、会社を軌道に乗せることも大変でした。以前の日本酒は、会社の等級別に分けられており、特級・一級・二級がありました。しかし、30年ほど前から、現在の大吟醸や純米吟醸、純米といった分け方に変っています。そのときの変化に弊社が対応しきれていなかったこともあり、業界の中でも遅れをとってしまっていました。

―経営状況は、どのように改善を?

伊藤 他の蔵元さんにお話を聞かせてもらい、いろいろと教わりました。そのときにいいご縁がたくさんあり、自社ブランドを作ることに対しても背中を押していただけたため、何とか現在まで続けられています。幸運にもいろいろな方の助けがあったので、懸念点や問題点を払拭してこれたと思います。

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両関酒造の看板商品でもある「純米大吟醸 雪月花」と、
長年愛されている「両関 純米酒」。

―御社の強みは?

伊藤 酒造の製造責任者は、一般的に杜氏(とうじ)一人なのですが、弊社では製造課長1名と課長代理2名のチームのような体制をとっています。この体制のおかげで、負担を分散できたり、いろいろなことを相談しながら決められたりできています。酒造としては新しい体制なので、他にはないような動きができているのが強みです。

―秋田県湯沢市だからこその製法は?

伊藤 寒冷地での酒造のスタンダードとして、低温長期醸造法があります。現在は環境整備さえすればどの地域でも行える製法なのですが、昔は冷却するのが大変だったので、寒冷地の気候を生かした冷却を行っていたようです。

秋田県のお酒は、伝統的にうま味が強いお酒が多いです。昔は「甘味」と「うま味」が区別されていなかったのであまり知られていませんが、現在は区別されているので秋田の蔵元さんは「うま味を出すこと」を念頭に置いているところが多いと思います。

―商品作りへのこだわりは?

伊藤 昔も今も伝統的な従来のお酒で重視しているのは、「飲み飽きしないで長く飲めるか」でした。

ですが、10年ほど前から地酒ブランドの展開を行っており、そちらでは当初から「一杯目を飲んだときに、おいしいと思ってもらえるようなお酒を作ること」を意識しています。お酒が本当に好きな方には「いろいろなお酒を楽しみたい」と考えている方が多いので、同じお酒を何度も飲むことはあまりありません。そのため、最初の一杯の印象が非常に大切です。

また、最近は昔のように泥酔するまで飲む方も少ないと思います。そうすると、飲む量は自ずと決まってきます。その中でもいろいろなものを楽しみたいとなると、弊社のお酒を定番として選んでもらえるようにしなければなりません。こうした理由から、「明確な特徴があり、好みに合う方には確実に選んでもらえるお酒」を目指しています。

―御社のお酒の特徴は?

伊藤 コンセプトは、「濃醇旨口」です。お客様を含め、弊社を知る方々からも、そのようなイメージを持っていただいています。

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「純米大吟醸 雪月花」はうま味が強く、コクのある味わいを楽しめます。

―今回ご紹介いただく商品は?

伊藤 弊社には、地酒専門店に展開しているお酒と一般流通しているお酒がありますが、今回は一般流通商品の中から「純米大吟醸 雪月花」と「両関 純米酒」をご紹介します。

―商品開発のこだわりは?

伊藤 「両関 純米酒」は、地酒の商品を展開していたときに、その技術を応用して強いこだわりのあるお客様にも「おいしい」と言っていただけるように試行錯誤した背景があります。また、元々「純米大吟醸 雪月花」も永年お取り扱いいただいていた商品ですが、「両関 純米酒」で応用した技術を反映させて、より良い商品を目指しました。

味は、一度決めてしまうと発展や進化といった機能向上はありません。とはいえ、劣化していなくても同じ味だと、お客様はやはり飽きてしまうものです。そのため、弊社ではいろいろな技術を取り入れながら品質向上を行っています。その結果、「純米大吟醸 雪月花」は、販売開始から20年ほど経った今でも皆様に御愛顧いただいています。

―「純米大吟醸 雪月花」に合う料理やおつまみは?

伊藤 肉料理やいぶりがっこチーズといった味の濃いものがおすすめです。「純米大吟醸 雪月花」はうま味が強く、意外と味が濃いので、それに負けない味わいのものだと釣り合いが取れると思います。

―「両関 純米酒」の味は?

伊藤 少し辛く、味自体は濃くなっています。「両関 純米酒」の場合は、淡白な食べ物の方が合うと思います。例えば、赤身や白身のあっさりした刺身、魚の塩焼きなどです。

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「両関 純米酒」は、さやわかで芳醇な香りが特徴です。

―お気に入りの日本酒を見つけるポイントは?

伊藤 嗜好は人それぞれなので、いろいろなお酒を試しながら楽しんで探すのがいいと思います。実際に、私たちが思いもしなかったような組み合わせで楽しんでくださっている方もいらっしゃいます。

―今後、展開したい商品は?

伊藤 従来の商品の品質向上も継続しますが、辛いものが少ないので作りたいなと思っています。ただ、西日本の辛いお酒を飲んでみると、単純に辛いだけではないのです。弊社の特徴を出しながら辛い日本酒を製造するとしたら、酸味の出し方や特徴など、考えなければならないこともあるなと悩んでいるところです。

―今後の展望を教えてください。

伊藤 現在は、一般流通商品と地酒専門店に展開している商品がありますが、今後は地酒に力を入れていかなければならないと考えています。残念ながら飲酒人口が減ってきていますし、秋田県の場合は地元での販売数が増えません。「単価上げればいい」という問題でもないので、自社商品を国内のいろいろな地域で売れる体制を作っていきたいです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「純米吟醸 雪月花」(720ml)

「純米大吟醸 雪月花」(720ml)
価格:¥3,300(税込)
店名:両関オンラインショップ
電話:0183‐73‐3143(8:30~17:00 定休日 土日祝)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ryozeki.co.jp/shohin.html
オンラインショップ:https://www.ryozeki.co.jp/shohin.html

「両関 純米酒」(720ml)

「両関 純米酒」(720ml)
価格:¥1,485(税込)
店名:両関オンラインショップ
電話:0183‐73‐3143(8:30~17:00 定休日 土日祝)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.ryozeki.co.jp/shohin.html
オンラインショップ:https://www.ryozeki.co.jp/shohin.html

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
伊藤康朗(両関酒造株式会社 代表取締役)

1967年 秋田県に生まれ。1989年に本田航空に入社。運航管理業務を経て、1992年 両関酒造に入社し、国税庁 醸造試験場にて研修を受け、2007年に代表取締役に就任。以後地元のさまざまな活動に参加している。

<文・撮影/奥山りか MC/澤水拳太 画像協力/両関酒造>

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