“もったいない”から生まれたお菓子。一度食べだしたら止まらない!「伊勢芋かりんとう」

2024/03/11

カリッとした食感と口の中に広がる優しい甘さが人気のかりんとう。一度食べ始めたら、ついつい手が止まらなくなります。そんな魅力のあるお菓子「伊勢芋かりんとう」を、創業160年を超える老舗の醤油製造会社が開発。同社のかりんとうは、地域で採れる貴重な伊勢芋の皮から生まれました。今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になった下津醤油株式会社の代表取締役社長の下津浩嗣氏に、取材陣が伺いました。

下津醤油株式会社 代表取締役社長 下津浩嗣氏
下津醤油株式会社 代表取締役社長の下津浩嗣氏

―どのような子ども時代を過ごされていましたか?

下津 実家の敷地内で秘密基地を4つ作ったり、友達呼んで焼き芋を作ったり、捨てられた家電を分解したりと色々な遊びをしていましたね。母親と一緒にお菓子作りもしていましたよ。

―子どもの頃からつくることがお好きだったのですね!貴社に入社されるまでの経緯を教えてください。

下津 父も母も大学を卒業しているのですが、母から「大学に進学しても意味がない」と言われていましたので、専門学校へと進学しました。卒業後は別会社への就職を考えていましたが、母から「お父さんの命がもうすぐ危ないから帰ってきなさい」と言われ、実家に戻り入社しました。あれから26年経ちますが、父はとても元気です(笑)。

―入社後はどのような業務をされていましたか?

下津 入社後は、社内環境が衛生的に良くないと思い、改善を目指して、掃除をしたりペンキを塗ったりしていましたね。当時は高価ではありましたが、パソコンとデジタルカメラを購入して、作業手順書を一から作成したこともあります。また、別会社での就職経験がなかったので、三重県中小企業家同友会に入会しました。同友会の会員の平均年齢は約50歳。私が当時23~24歳でしたので、先輩方から多くのことを学ばさせていただきました。

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2020年に移転オープンした工場直売所。調味料商品はもちろん、
下津醤油の調味料商品を使用して作られた煮魚や団子、伊勢芋かりんとうなどが手に入る。
そのほか、地元こだわりの商品も多数取り揃えられている。

―2010年、社長に就任されてからはどのような経営方針を意識されていましたか?

下津 もともと、贅沢をするのが好きではありません。売り上げは、社内改善のための投資に充て、健全経営に努めています。会社の規模を追わずに、中小企業の中でもキラリと輝く存在のある会社にしたい想いからです。全国的に有名な企業にならずとも、地元津市で存在感のある企業になりたいです。そのためにも、たとえ小さな取り組みでも良いから、地域に貢献したいと思っています。弊社のもったいない活動から始まった「伊勢芋かりんとう」は、会社の存在価値を上げるためにも良い活動になっていると思います。

調味料商品は、家庭用ではなく業務用中心に販売しています。しかし、地域のブランドとなり、地元のご家庭でも弊社の調味料商品をお使いいただけるように注力しているのが現状です。とくに醤油においては、日本の文化であると思っています。現在、全国各地に約1,000社の醤油屋さんがあります。現在は、ネットショッピングで全国各地の醤油の取り寄せができますが、各ご家庭で、地元で作られている醤油を楽しんでほしいと思っています。

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様々な家庭用調味料商品も展開中。
オンラインショップでも購入可能。左から「ぽんぽん酢」、
とり味噌のたれ「とり焼いて食ったらええやん」
「ドレッシング希望和風」「丸大豆醤油」。

―それでは今回ご紹介する「伊勢芋かりんとう」開発のきっかけについて教えてください。

下津 伊勢芋は三重県の貴重な伝統野菜なのですが、伊勢芋農家さんの高齢化が進んでいたり収穫量が減っていたりします。私は伊勢芋を、地元商工振興会のメンバーで立ち上げた、別会社の株式会社あかり屋で使っています。実際に畑を訪れていたので、伊勢芋の生産における苦労を現場で感じていました。そんな伊勢芋を剥いた皮が残ってしまうのがもったいないと思っていました。

そこで、伊勢芋の皮をミキサーにかけてお菓子の生地にしてみたらどうかと思い、日持ちのするかりんとうを試作してみると、おいしかったので、商品化しようと決めました。商品化するまでは、皮を使って生地を安定化させるために色々と試行錯誤しましたね。

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「伊勢芋かりんとう小箱ギフトセット」は、個包装の箱も色鮮やか。
華やかな見た目でワクワクさせてくれる商品。
大切な人への贈り物にぴったり。

―「伊勢芋かりんとう」はフレーバーの種類が多いですね。

下津 もともと、弊社の直売所でみたらし団子を作っていたので、第一弾にはみたらし味を作ろうと決めていました。きな粉味は、弊社が醤油屋なので、大豆繋がりで。蜂蜜味は、県の勉強会で知り合った地元の蜂蜜屋さんに「蜂蜜味を作ってほしい」と依頼され、キャラメル味は、親交の深い地元のあられ屋さんが「キャラメルの粉があるから使ってみない?」と持って来てくれたのがきっかけで生まれました。このように、勢いと地元の方からのお声がけで様々なフレーバーが生まれたのです。

現在、蜂蜜味・きなこ味・黒糖味・キャラメル味・みたらし味の全5種類が展開中。

―「伊勢芋かりんとう」の特徴は?

下津 他社のかりんとうに比べて、細いのが特徴です。軽くて食べやすいので、一度食べだしたら止まりません(笑)。また、伊勢芋の皮を粉にして生地に配合しているのですが、伊勢芋の割合が高いのも特徴です。ですから、伊勢芋の風味を強く感じることができます。貴重な伊勢芋の粉が、こんなに配合されたかりんとうは弊社の商品だけです。

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「伊勢芋かりんとう」は、
細めでカリッとした食感。軽くて食べやすく、
噛んだときのカリッポリッとした音も楽しい。

―伊勢芋農家の方々の反響は?

下津 伊勢芋農家の方々は、芋の形が悪いとき、芋の皮を剥いてから出荷するそうです。弊社は、農家からその皮を直接買い取って仕入れさせていただいています。SDGs向けの動画を作成するときに、伊勢芋農家の方々にインタビューするきっかけがあったのですが、そのインタビュー内で、農家の方々から「伊勢芋かりんとう」の開発を喜んでくれている声をいただきました。

―商品名もユニークですね。

下津 「伊勢芋かりんとう」の「おこまさん」は、弊社の工場長からのアイデアです。弊社の創業者である下津利兵衛の奥さんの名前です。下津醤油を、下津利兵衛の奥さんのように、影ながらに支えてくれる商品であってほしいという想いから採用しました。

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創業者下津利兵衛の奥さんの愛称である「おこまさん」から商品名に。

―どのような方に「伊勢芋かりんとう」を手に取っていただきたいですか?

下津 お子様からお年寄りのまで幅広い年齢層の方に召し上がっていただきたいです。また、ちょっとしたプレゼントにも最適かなと思っています。たとえば、ご近所の方から野菜をもらったときのお返しにもおすすめです。もし、お返しのプレゼントに醤油をいただいたとしても、使い切るまで時間がかかってしまいますが、かりんとうだとすぐに食べ切ってしまいますよね。そして、食べて気に入った方に「また買おう」「別のフレーバーも食べてみよう」と思っていただけたら嬉しいです。

―今後の展望についてお聞かせください。

下津 売り上げを伸ばすことには重点を置いていません。地域に根ざした経営で、中小企業の食品会社様たちから信頼を得られる会社になりたいです。地域の方々に「醤油といえば下津醤油さん」と言ってもらえるように、どう活動していくべきかを考えています。

1年に1回の経営方針の発表会では、今年は何ができたかを報告できるようにしています。今年は、新しい機械を導入して工場の製造過程を改善する予定です。しかし、新しい機械の導入時には、資金が必要です。そのためにも、健全経営で売り上げを確保しつつ、商品開発にも注力していかなければなりません。進歩がないまま一年が過ぎていかないように努めています。

また、オンラインショップを通じて、下津醤油の直売所を訪れてもらえるようになると嬉しいです。まだまだインターネット上での可能性も広がると確信しています。

―最後に「伊勢芋かりんとう」に合うお飲み物を教えてください。

下津 お茶や紅茶とも合うと思いますが、弊社のスタッフはコーヒーと合わせて食べていることが多いです。

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どんなお飲み物にもあう「伊勢芋かりんとう」。
おやつにもおすすめ!

―貴重なお話をありがとうございました!

「伊勢芋かりんとう小箱ギフトセット送料別」

「伊勢芋かりんとう小箱ギフトセット送料別」
価格:¥2,490(税込)
店名:醤油 調味液 たれ かりんとう 団子 業務用 下津醤油株式会社
電話:0120-098-944
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.kyu-boshi.com/product-page/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E8%8A%8B%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%86%E5%B0%8F%E7%AE%B1%E3%82%AE%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88
オンラインショップ:https://www.kyu-boshi.com/shop-products

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
下津浩嗣(下津醤油株式会社 代表取締役社長)

1977年三重県生まれ。1998年下津醤油株式会社に入社。現場改善を中心に取組み、2004年にはISO9001を取得(現状ISO22000)。2009年に同社代表取締役社長就任。2013年株式会社あかり屋代表取締役就任。三重県中小企業家同友会副代表理事。地元のファンを増やすために家庭用製品の開発にも注力している。

<文・撮影/土屋香名子 MC/白水斗馬 画像協力/下津醤油>

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