大阪屋製菓_top

鹿児島の旨味がギュッ!食べ出すと止まらない、プレミアム豆菓子

2022/09/27

おやつによし、おつまみによし。甘辛いタレが、ピーナッツに絡まった豆菓子と言えば、誰もが「あのお菓子!」と頭に思い浮かべることができるのでは?そのお菓子、実は、鹿児島生まれ。そして製造しているのは、株式会社大阪屋製菓です。鹿児島なのに、大阪屋?そんな疑問を解決すべく、3代目代表取締役社長・水野貴之氏にお話を伺いました。

株式会社大阪屋製菓 代表取締役社長の水野貴之氏
株式会社大阪屋製菓 代表取締役社長の水野貴之氏

―御社の沿革について教えてください。

水野 昭和21年(1946年)に、私の祖父が大阪の問屋街で雑穀の卸業を始め、10年ほど経った頃、次にメーカーを志し、当時お世話になっていた豆菓子屋さんに修行に入りました。その後、独立する際に、大阪では師匠と商売敵になるということで、当時、大豆やピーナッツの産地であった南九州にIターンしたそうです。今ほど人々の往来も多くなかった時代、鹿児島では大阪弁が珍しく、周りの方にも「水野」という名前より「大阪弁の!」という方が認識されやすかったことから、社名を「大阪屋製菓」とし、昭和33年(1958年)の12月に有限会社として法人化しました。

―水野社長は2001年に入社されたのですね。

水野 実は、家業を継ぐことなど全く考えていませんでした。学校を出てからずっと、今でいうIT関連の仕事に就いていたんです。ですが30歳になる前くらいに、父が「帰ってくるつもりはあるのか」と確認をしてきて、もし私が継がないのであれば、父の代で会社を廃業する方向で考えたいと。そこで初めて選択を迫られまして、いろいろ考えた結果、私自身、食に興味があったこと、そして懇意にして頂いていた飲食店の方々にも、弊社の社会的意義や家業を継ぐということについて、たくさんご指導いただくことで背中を押され、入社することを決めたんです。

―畑違いの業界で、ご苦労などは。

水野 前職では、1,000万円単位の商売が当たり前。ところが弊社は1個何十円の駄菓子を扱っていて、100円のお菓子を1万個売っても100万円。自分の時間に対しての対価にモチベーションが持ちづらいところには苦労しましたね。
ところで、珍々豆は表面が凸凹していますよね。ランダムに粉をかけて、タレをまんべんなく絡ませることで表面に凸凹ができ、味に変化が生まれます。まだらに粉をかけるこの技術は今では一般的となりましたが、実は当社が開発したものなんですよ。

―そうなのですね!

水野 そうなんです。昭和30年代の豆菓子といえば、弊社の「雀の卵」のように丸い形のものしかありませんでした。それがある日、「雀の卵」を作るプロセスでたまたま失敗作として、表面に凹凸のある豆菓子ができて。しかしそれが、タレが薄いことで豆の味がダイレクトに味わえ、クリスピー感もあって面白い!珍しい!と。そこから安定して失敗する技術を開発していき(笑)、生まれたのが、「南国珍々豆」でした。昭和42年(1967年)のことです。完成後は、この画期的な豆菓子を全国の方に味わってもらいたいと思ったようですが、当時は流通ルートが発達していません。そこで製造特許を取らず、製造方法を伝えることで、大阪の修行先への恩返しとするとともに、全国のお菓子へと育てていきました。なので、今となってはこれが鹿児島県発祥、大阪屋製菓発祥、ということをご存知の方はほとんどいらっしゃらないと思います。

大阪屋製菓_2
「雀の卵」のようなタレがけスタイルを「厚がけ」と呼ぶ。
大阪屋製菓_3
対して、「南国珍々豆」のようなスタイルは「薄がけ」。

―それから半世紀、平成29年(2017)年に、南国珍々豆50周年を記念して誕生した「南国珍々豆プレミアム」は、かごしまの新特産品コンクールで観光連盟会長賞を受賞しましたね。

水野 先ほどお話ししたようなこともあり、弊社には地元色の強い商品があまりありませんでした。そこで、もう少し鹿児島らしい、お土産になりうる商品を作ってみようと。2017年に、鹿児島県がパッケージのデザイン費を補助してくれる制度を設けてくれましたので参加し、誕生したのが「南国珍々豆プレミアム」でした。

大阪屋製菓_4
箱を2つ重ねて置けば、立ち姿の西郷さんに!

―西郷さんをモチーフにしたパッケージ、かわいいです。

水野 私と、営業担当をしているスタッフと、デザイナーの3人でプロジェクトを進めて、私からは、「鹿児島らしいもの」というざっくりとしたリクエストを出しました。西郷さんは鹿児島の象徴的なシンボルですし、2018年にはNHK大河ドラマで「西郷どん」が放映されたので、タイミングも良く、反響も大きかったですね。ちなみに1箱5袋入りなのですが、小袋には「鹿児島弁のひとこと」が付いています。6種類あって、ランダムに入っているのですが、例えば、「おやっとさあ」は「おつかれさまです!」。ちょっとでも鹿児島のことを知っていただけたら嬉しいですね。

大阪屋製菓_5
「わっぜよかにせじゃ」は、どんな意味?

―「プレミアム」と名付けた意図についても知りたいです。

水野 パッケージを鹿児島らしくするだけでなく、中身も、これまでとは違う「南国珍々豆」にしてみようと。枕崎の最高級本枯節粉末や、鹿屋の「やねだん」の無農薬唐辛子、種子島の粗糖を贅沢に使うことで「プレミアム」とさせていただきました。レギュラーの南国珍々豆と食べ比べると、深みのあるダシの味わいや、粗糖のコク……明らかに“違い”がわかっていただけると思いますよ。

大阪屋製菓_6
こだわりの素材を使ったタレがピーナッツに絡む。

―今後の展望についても聞かせてください。

水野 老若男女に気軽に楽しんでいただける“駄菓子”をこれからも製造していくのはもちろん、2007年には「BeansNuts」(https://beans-nuts.com)、2018年には「umami nuts」(https://www.umaminuts.com)という新ブランドを立ち上げ、日本橋三越、丸の内などで店舗を展開しています。これらを立ち上げたのは、長きにわたり培ってきた弊社の豆菓子作りの技術、職人の技をもっと多くの方に知っていただきたいという思いから。今後は、これらのブランドを通して、世界の方々にも、「大阪屋製菓」の豆菓子を楽しんでいただけたらと思っています。

―駄菓子から、世界に羽ばたく豆菓子まで。ダイナミックなお話をありがとうございました!

南国珍々豆プレミアム 西郷どん箱(18g×5袋×2箱)

「南国珍々豆プレミアム 西郷どん箱(18g×5袋×2箱)」
価格:¥820(税込)
店名:株式会社大阪屋製菓
電話:099-247-1411
定休日:土曜・日曜、インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL: https://chinchinmame.shop-pro.jp/?pid=158062997
オンラインショップ: http://www.chinchinmame.jp

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
水野貴之(株式会社大阪屋製菓 代表取締役社長)

1969年鹿児島市生まれ。IT企業勤務を経て、2001年に株式会社大阪屋製菓に入社。2007年には「おいしくて、たのしくて、体にいい」をコンセプトにした新ブランド「BeansNuts」を立ち上げ、2012年、日本橋三越本店に旗艦店オープン。2014年に3代目代表取締役社長に就任。業務の傍ら、地域ボランティアにも参加し、地元青少年育成の活動などを行っている。

<文・撮影/鹿田吏子 MC/升谷遥香 画像協力/大阪屋製菓>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter