【連載】グルメ散歩・福井 ~街散歩大野市

天空の城❝越前大野城❞のお膝元
静かな城下町・越前おおのをぶらりと歩く

天空の城として近年注目を浴びている越前大野城。そのお膝元は、歴史の風情を感じさせる町並みと名水の城下町。福井市から足を延ばし、半日コースでぶらりと散歩して。
撮影/山田耕司(扶桑社) 取材・文/田中ゆう子(扶桑社) 協力/大野市商工観光振興課

雲海に浮かぶ越前大野城。西に位置する犬山が撮影スポットで、11月が最も雲海が出現するそう。
名水のひとつの芹川清水は、無料休憩所や特産品販売所などがある観光拠点「結ステーション」のそばにある。

山間の盆地に静かに佇む城下町

福井市から車で約40分、鉄道でも1時間ほどの山間に位置する大野市。小高い山の上に建つ越前大野城を有し、城下の一角には、寺町通りや七間通りなど、歴史的な風情を感じさせる通りが碁盤目状に走っています。

越前大野城は、織田信長に仕えていた武将・金森長近によって1575年頃から5年かけて築かれた城で、近年では雲海に浮かぶ天空の城として注目を集めています。秋から春にかけての雲海が出現する時期は、その姿を写真に収めようと多くの人が訪れます。

また、名水の地としても名高く、「御清水(おしょうず)」「芹川清水(せりかわしょうず)」など、いたるところに湧水があり、名水巡りを愉しむことができます。町の水路を流れる水は滑らかで透明、名水に触れながらの散歩も、この町らしい旅に。

毎日開催される名物朝市と、珍しい寺町

遠くに天守閣が見える七間通りでは、400年以上も続いている名物の朝市が毎日開催されています。地元の新鮮な農産物などが並べられ、この土地ならではの特産品に出会えるかもしれません。そして、出店者と会話が楽しめるのも旅の醍醐味です。にぎわう朝市が終わると、通りは、石畳と町屋や木造りの建物が立ち並ぶ、落ち着いた景観に変わります。

七間通りと交差する寺町通りも、そぞろ歩きにぴったり。中世から近世にかけて建てられた寺院が整然と並ぶこの通りは、同じ宗派ではなく9宗派16寺が並んでいる寺町で、全国でも珍しいといわれています。16の御朱印が収集できるので、思いがけずご利益のある町散歩になります。

疲れたら、雰囲気のあるカフェでひと休み。ランチには名水おろしそばや大野市のご当地グルメ“醤油”カツ丼をいただき、お土産探しは老舗の和菓子屋さんや特産品販売所で「でっち羊かん」(冬限定)やさといものお菓子を選んで。
立ち寄りたいお店が、分かりやすくコンパクトにまとまっているのも観光客にはうれしいもの。登城から町歩きで半日、情緒ある城下町でのんびりした時間が過ごせるでしょう。

越前大野城>> http://www.onocastle.net/#
結の故郷 越前おおの>> http://yuinokuni.jp/

朝市が終わったあとの七間通り。老舗の和菓子屋店や酒蔵など、石畳の道に歴史を感じさせる町屋が並ぶ。
七間通り途中にある、おしゃれなカフェ。町並みに合わせて外装がデザインされている。

お土産は特産のさといもを使ったお菓子がおすすめ

静けさが漂う寺町通り。城下を管理しやすくするために各宗派の寺院が集められたといわれている。

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter