お菓子のさかい_top

スフレのふわふわ食感が家庭で楽しめる! 進取の精神から生まれたパンケーキサンド「うふれっと」

2024/03/04

国内有数の温泉地であり米どころとして知られる福島県。100年以上続く企業が全国で4番目に多いことをご存じでしょうか。その一軒が石川町に本店を構える株式会社お菓子のさかいです。当時ハイカラといわれた洋菓子をいち早く扱い、今は新商品の「うふれっと」など季節の果物、小麦粉、生乳などの素材や独自の製法にこだわった和洋のお菓子やパンが、地元で愛されています。今回編集長アッキーこと坂口明子が気になった次期代表後継者の川前綾子氏に、商品開発のきっかけや商品の特徴、こだわりなどを伺いました。

株式会社お菓子のさかい 次期代表後継者 川前綾子氏
株式会社お菓子のさかい 次期代表後継者 川前綾子氏

―会社の沿革を伺いたいのですが、今で何代目になりますか。

川前 1913年に創業し、今の社長である父が3代目になります。曽祖父は東京の小石川にあった和菓子屋さんで修業していました。地元で和菓子店を始めましたが、曽祖父の実家が牛乳屋で牛乳を入手しやすかったこともあり、すぐにシュークリームなどの洋菓子も作りだしたようです。

―革新的なお菓子屋さんだったのですね。おじい様も和菓子と洋菓子を。

川前 はい。祖父は現在の東京製菓学校に第1期生で入学し、菓子作りを勉強していました。

―お父様はおじい様から2011年に社長を継がれて。1カ月後に東日本大震災が起きて、大変だったのでは?

川前 父は就任の15年前から経営をほぼ引き継いでいたものの、これからというときに震災に遭い、前途多難だったと思います。幸い工場は被害も大きくなく稼働できる状態でしたが、スーパーやコンビニにも食べる物がない状況が続いていたため、これまで支えてきてくださった地域の皆さんに貢献したいと、再開後は食パンだけを工場で焼いて皆さんにお届けするかたちでやっていました。4月頃にはお菓子の製造販売も再開しましたが、いまだにお客様からは「あのとき、さかいさんが開いていて助かった」というお声をいただくことがすごく多いです。

お菓子のさかい_1
お菓子のさかい_2
初代の酒井正治氏が、皇室や徳川家にお菓子を献上していた東京の和菓子店で修業後、
石川郡石川町できんつばを販売したのが始まり。現在は県内に6店舗を構え、和菓子や洋菓子を豊富に揃える。
写真は本社のある長久保店(上)と石川本店(下)。
本店では焼き立てパンも提供しており、カフェでモーニングも楽しめる。

―お店を再開され、お菓子の種類も増えて現在に至っていると思います。ご紹介の「うふれっと」のほかに代表的なお菓子を教えて下さい。

川前 「幸福の黄色いブッセ」という一番人気のロングセラー商品があります。生地の配合や焼き方などを工夫して、パサつかずフワッとした焼き具合に仕上げており、うちのブッセが一番おいしいと言って買いに来られるお客様も結構いらっしゃいます。また和菓子では「カリントまんじゅう」が売れ筋です。かりんとう饅頭というとカリカリに揚げた日持ちしないものが多いのですが、油や生地にこだわり、最初からしっとりした食感に揚げることで日持ちする商品にしました。

お菓子のさかい_3
ギフトにも人気の1991年発売のロングセラー「幸福(しあわせ)の黄色いブッセ」。
しっとりふわふわのスポンジに挟まれたバタークリームには、角切りチーズがイン。
スポンジやクリームの甘味とチーズの塩味のバランスが絶妙。
お菓子のさかい_4
かりんとう風味のおまんじゅう「カリントまんじゅう」は2007年発売。
煮詰めた黒糖の風味豊かな生地の中には上質の小豆を使ったこしあんが。
時間が経っても油っぽくならず、2週間程度日持ちするのでお土産やギフトにもおすすめ。

基本的に、当社の商品開発の根底にあるのは進取の精神。どこかのお菓子を真似て作ったり、すでにある商品を自社で作ったりするのではなく、同じ商品でも他店ではやっていないような特徴や新しさがあることを踏まえて開発をしています。

―それがお客様にも認められているのですね。「うふれっと」もそんな進取の精神を反映している商品ですが、誕生のきっかけは?

川前 開発したのは工場長をしていた当社の専務です。カフェでよく出されるスフレパンケーキは、家では冷めて生地が硬くなったりしぼんだりするからどうしても食べられないイメージがあり、これを家でカフェにいるような気分で食べていただくことはできないか、という発想から2019年頃に開発を始め、私が入社する直前の2022年3月に発売しました。

お菓子のさかい_5
解凍するだけでふわふわのスフレの食感が楽しめるパンケーキサンド「うふれっと」は、
全国からのお取り寄せも多い注目の品。食べやすいサイズ感で、冷凍庫に常備したくなる。
定番は、ホイップクリームと自家製カスタードがマッチした一番人気の「カスタード」、
果実味溢れる自家製ソースが川前さんもお気に入りという「いちご」、
チョコチップ入りクリームが濃厚な味わいの「チョコレート」の3種。
その他、アンズやパッションフルーツなど、福島産の果物を使った季節の味も登場。

―解凍してもふわふわの生地が崩れない秘密は?

川前 ふわふわの状態を保つために、創業108年目にしてたどりついた卵と牛乳と小麦粉の配合の黄金比がありまして。また、焼き方も生地を焼きながら蒸すという方法をとっています。このふわふわ感にすごく驚かれるお客様は多いですね。

お菓子のさかい_6
冷凍で届く「うふれっと」は冷蔵室に入れて2時間程度で解凍できる。
食べる2、3時間前に解凍して、コーヒーや紅茶と一緒に楽しみたい。

―中のクリームの特徴は?

川前 かなり軽い食感のクリームで、解凍しても軽やかさが損なわれないものを厳選しています。またイチゴのソースは自家製で、県内の矢祭町産のイチゴで作っていますし、カスタードも県内産の牛乳を使って自社で炊いています。

―お話を聞いているだけで食べたくなります。では今後の展望を教えて下さい。

川前 110年間積み上げてきた歴史は守りつつも、進取の精神は守っていかなくてはいけないので、どんどんチャレンジしてお客様に新しい価値を感じていただけるようなお菓子を提供していきたいです。あとは、通販などの手段を活用しながら、全国の方にもお菓子をお届けしていければと思っています。

お菓子のさかい_7
創業時から地域で新しいお菓子を発信してきた同社。
画期的な商品ともいえる「うふれっと」のように、今後も試行錯誤を重ねながら独自の魅力あるお菓子を提供していく。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

「パンケーキサンド うふれっと」(6個入り/カスタード・いちご・チョコレート各2個入/冷凍)

「パンケーキサンド うふれっと」(6個入り/カスタード・いちご・チョコレート各2個入/冷凍)
価格:¥2,332(税込)
店名:お菓子のさかい 公式ショップ
電話:0120-26-2522(9:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://sweetssakai.kawaiishop.jp/items/76843867
オンラインショップ:https://sweetssakai.kawaiishop.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
酒井秀樹(株式会社お菓子のさかい 代表取締役社長)

1957年福島県生まれ。昼間は大学、夜は製菓学校に通い卒業。1981年東京目黒株式会社ベルン入社、3年間の修業を経て実家のお菓子のさかい(当時は有限会社)に入社。1991年に本社工場店舗をオープン。2011年に代表取締役社長に就任。しかし、就任1カ月後に東日本大震災に遭遇した。現在直営6店舗運営。首都圏などの交通系や観光地などで新商品「うふれっと」を中心にイベント販売に注力している。自社の強みを商品開発力として日々精進を心がけている。経営理念「おいしいお菓子をおいしく食べていただく」の実践として時代に合ったおいしさを追求している。

川前綾子(株式会社お菓子のさかい 次期代表後継者)

1996年福島県生まれ。大学卒業後、WEB専門の広告代理店(ソウルドアウト株式会社)に3年間勤務。2022年4月に実家である株式会社お菓子のさかいに入社した。現在は前職での経験を生かし、自社のWEB・紙媒体の広告に携わるほか、広報や人事も担当している。

<文・撮影/山本真由美 MC/三好彩子 画像協力/お菓子のさかい>

OFFICIAL SNS

Instagramでハッシュタグ#お取り寄せ手帖を検索。

  • Instagram
  • Facebook
  • Twitter