千葉県が「豚肉の産地」として養豚が盛んで、実は全国3位の養豚県だとご存知ですか?旭食肉協同組合 株式会社アサショウは、千葉県旭市で豚肉の処理・加工品の製造を担っている企業。販売している商品には、いも類(さつまいもやタピオカ)を使用した餌を食べて育った「いも豚」を使用しています。今回編集長アッキーが気になった、旭食肉協同組合 理事長の井上晴夫氏に、取材スタッフが話を伺いました。
全国3位の養豚産地で育ったいも豚を使った「最高とんかつ」「家飲みセット」
2024/01/25
―創業50周年を迎えられたそうですね。
井上 弊社の創業は1972年。日本の高度成長とともに国内の畜産業が大きくなり始めたころに設立されました。千葉県旭市は養豚が盛んな地域で、「共同で仕入れや販売、加工ができる場所を作ったらいいのではないか」という話が上がり、当時畜産に携わっていた実力派の会社がいくつか統合して、「鮮度・品質日本一」というキャッチフレーズを掲げて、スタートしたそうです。
私が理事長になったのは30年ほど前。先代からの意思を受け継ぎ、「鮮度と品質は日本一」だと言えるよう、誠実さを大切に信念を持って取り組んでいます。
弊社では、年間およそ7万頭の豚肉を販売、加工した処理したものは、主に関東一円のスーパーマーケットやハム・ソーセージ会社、学校給食などに供給しています。
―代表的なお肉「いも豚」の特徴とは?
井上 差別化できるようなおいしい豚肉を作れないか、と考えたのがきっかけです。豚肉のおいしさは、豚自体の品質や農場の環境といった要素も関係しますが、3割ほどは餌が影響します。そこで、「差別化できるような餌を開発してほしい」と餌のメーカーにお願いしたところ、「さつまいもを食べさせるとおいしくなる」という意見をもらいました。
さつまいもを餌に混ぜる割合を10%、20%と増やしながらいろいろ試し、最終的に50%ほどになりました。その結果、程よい甘みとコクがある、おいしいお肉が出来上がっています。
契約農場で育てられているいも豚。
さつまいもを豊富に含んだ餌を食べて育っています。
―さつまいもを入れた餌の特徴は?
井上 いも類が入っている餌を豚も好むようで、よく食べてくれます。どちらかといえば、少し太り気味なくらいです。
豚の場合は、年齢が若いほうが肉も柔らかくなります。ただ、ある程度の重量までいかないと出荷できません。いも豚は、餌をよく食べてくれるので早く育つ。そこが、おいしさにもつながっています。
―餌や環境が、豚肉の味の違いに繋がるんですね。
井上 牛肉とは違って、豚肉の味の差は分かりにくいのです。しかし、他の豚肉と食べ比べてみると、その違いを感じていただけると思います。
―豚は、どのような農場で育てられているのでしょうか。
井上 すべて契約農場で育てられています。現在(2023年時点)は、千葉県内でいも豚を生産している4つの農場と契約していて、中には年間およそ2万頭も出荷してくださっている農場もあります。
いも豚のロース肉と千葉県匝瑳市(そうさし)産の
産みたて卵を使用した「最高とんかつ」。
―こだわりのいも豚を使った「最高とんかつ」。開発のきっかけは?
井上 いも豚を使ったとんかつは、地元で長く愛されていた商品なので、それを「ぜひ全国の方々に食べてもらいたい」と思ったんです。「最高とんかつ」には低温熟成させたロース肉を使い、それに合う卵やパン粉を選んで作っています。最高の素材を組み合わせていることから、商品名を「最高とんかつ」と名付けました。
―レンジやトースターで温めるだけで食べられるようにするには、何か苦労はありましたか?
井上 レンジで温めるとパン粉が油分を吸ってしまいベチャっとしてしまうので、そうならないようにする点には苦労しました。いろいろ試した結果、かつの下に吸水シートを敷くことで、サクサク感を出せるようになりました。
開発の際には、お店で食べる揚げたてのとんかつを目指しました。出来上がったとんかつを食べた地元のお客様から、「お店で買った揚げたてのとんかつよりおいしいよ」と言っていただいているので、目標は実現できたのかなと思っています。
―おすすめの食べ方を教えてください。
井上 とんかつはソースをかけて食べるのが一般的だと思いますが、岩塩で食べるのもおすすめです。岩塩をつけると、肉の甘さが引き立ちます。私としては、ピンク岩塩が一番合うと思っています。
おいしくお召し上がりいただけるよう、温め方のコツを書いた冊子を商品と一緒に梱包しています。何度も試して一番適した温め方を研究したので、ぜひ参考にしてください。
いも豚から作られたウインナーやベーコン、ハムなどの詰め合わせギフト。
オンラインショップでは、多様な組み合わせのギフトセットが用意されています。
―ハムやウインナーなどが入ったギフトセットを用意したきっかけは?
井上 お肉は、誰もが食べられて汎用性が高い。なかでもハムやソーセージは、お子さまからご年配の方まで食べやすく、毎日の食卓で出しやすい商品だと思います。そこで、「地元のおいしいお肉を贈り物として用意できたら、地域の方々に喜んでいただけるのではないか」と考え、ギフトセットを用意しました。
セットの内容は、貰った人に満足感を味わっていただけるように工夫しています。
―今回ご紹介するギフトセットは11品入り。この中でも特におすすめの商品は?
井上 「しそウインナー」ですね。千葉県旭市のいも豚と、千葉県佐野市の大葉を使用した地産地消の商品です。
ウインナーは、基本的に製造過程でスモーク(燻製)するものが多いのですが、しそウインナーは、大葉の風味を生かすためにあえてスモークをかけず、香りが立つような作り方をしています。
「しそウインナー」が完成するまではおよそ2日。
お肉も大葉も新鮮なうちに製造されています。
―「しそウインナー」を開発したきっかけとこだわりは?
井上 以前から「和風のソーセージ」というコンセプトでウインナーを作ってみたいと考えていたのがきっかけです。開発には1年ほどかかりましたが、納得のいくウインナーに仕上がりました。
ソーセージは賞味期限をある程度持たせないといけないのですが、「しそウインナー」には生の葉を使っているので、そこのバランスを取るのが難しかったです。乾燥させた大葉を使う方法もありますが、風味にこだわりたかったので、あえて生を使用しています。
―おすすめの食べ方は?
井上 焼いて、そのままで食べるのが一番おすすめです。もしアレンジをするなら、わさび醤油につけたり、お鍋に入れたりして食べるのもおいしいです。
―「最高とんかつ」「家飲みセット」は、どのような方に手に取っていただきたいですか?
井上 弊社の「最高とんかつ」は油を使わずに温めて食べられるので、人数が少ないご家庭や油を使うのが難しいご家庭でも食べていただきやすくなっています。そのような方にも手に取っていただけるとうれしいです。
「家飲みセット」は、長ければ1ヶ月ほど持ちますので、家族や親族が集まるときに皆さんで食べていただくのもいいのかなと思っています。
―最後に、今後の展望を教えてください。
井上 これまでも鮮度や品質にこだわった商品作りに、社員・スタッフ全員で取り組んできました。これからも、創業当初のモットーを忘れず経営を続けていきたいです。そして、弊社が全国に知られ、信用されるようにしていきたいと考えています。
―本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
「最高とんかつ」(ロースかつ 150g×5袋)
価格:¥4,980(税込、送料込)
店名:旭食肉協同組合 株式会社アサショウ 楽天市場
電話:0479-63-1521(8:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/imobuta/0201/
オンラインショップ:https://ask-ham.com/product/
「家飲みセット」(ソーセージ5種・ハム2種・ベーコン2種・肉味噌2種)
価格:¥5,790(税込、送料込)
店名:旭食肉協同組合 株式会社アサショウ 楽天市場
電話:0479-63-1521(8:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/imobuta/0068/
オンラインショップ:https://ask-ham.com/product/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
井上晴夫(旭食肉協同組合 理事長)
1945年千葉県生まれ。銚子商業高等学校を卒業後、家業の食肉卸業に従事。自身の事業を食肉卸から養豚業まで拡大し、1993年に旭食肉協同組合の理事長に就任した。
その後、株式会社アサショウ代表取締役や千葉県食肉公社取締役など、畜産関係の役職を歴任し、地域の畜産業の発展に尽力している。現在も旭食肉協同組合理事長として、千葉の畜産業を見守っている。
<文/奥山りか MC/髙橋美羽 画像協力/旭食肉協同組合>