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世界で賞賛された福岡の日本酒 「大吟醸 極醸 喜多屋」 シャンパンのようにゴージャスな 「喜多屋 スパークリング クリスタル」

2022/09/16

今回、編集長アッキーが気になったのは、日本酒で数々の賞を受賞している福岡の「喜多屋」。株式会社喜多屋・代表取締役社長の木下宏太郎氏に、商品へのこだわりを取材陣がうかがいました。

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株式会社喜多屋 代表取締役社長の木下宏太郎氏

これまでの沿革を教えてください。

木下 福岡の八女で文政3年(1820年)に創業しました。もともとは米屋でしたが、長男の斉吉が家業を弟に譲り、酒造りを始めました。私は7代目となります。

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インターナショナルワインチャレンジで世界に認められた2本。

小さい頃から家業を継ごうと思われていたのでしょうか。

木下 昔は蔵元がマネジメントを担当し、酒造りは杜氏が行うのが一般的でした。しかし、初代の斉吉は自ら杜氏として酒造りを行い、「酒を通して多くの喜びを伝えたい」という志のもと屋号を「喜多屋」と名づけています。それからは「主人自ら酒造るべし」が家憲となり、父も祖父も現場に入って酒造りのリーダーとして酒造業を営んできました。ですから、私も杜氏になることが期待されており、小さい頃から祖父が私を毎日のように蔵に連れていき、酒造りに対する思いや情熱を話していたそうです。そして父に「必ずこの子が自ら跡を継ぐと言う日が来るから楽しみに待っておけばいい」と言ったそうです。私が小学校2年生の時に祖父が亡くなりましたが、その時に蔵を継ぐという約束を交わしました。でも、それを両親には言わず、小学校6年生のときに伝えたんです。

早い段階で決断されたのですね。

木下 じつは中学受験をしたいと思っていて、「家を継ぐから、ちゃんとした大学に行くために進学校に行きたい」「塾に通わせてほしい」と頼んだんです。その後、中高一貫校で学び、一浪して東大に入りました。東大に入った理由は、酒の博士として知られる坂口謹一郎先生が東大名誉教授だったからです。坂口先生が書かれた「日本の酒」(岩波文庫)は、業界のバイブルなんです。

学生時代から酒造りひと筋ですごいです。

木下 大学を出てからは宝酒造で修業しました。関東で営業をしたあと、伏見工場で技術者としていろんなことを教えていただき、酒類総合研究所の研究員として2年3か月在籍しました。醸造学者である岩野君夫先生が師匠で、毎日、全国新酒鑑評会金賞受賞レベルの酒を飲んで、コメントを求められるんです。そのときに徹底して舌を鍛えられました。また、単なる物質としての酒を醸造するのではなく、飲んでいただいた人が感動して、夢を思い描くような酒造りをせよと言われました。夢を醸せと。それを実現して行くためには、会社が持っている技術的なノウハウであったり、経営資源を投じて人が感動してくれるような、喜んでいただけるようなお酒を作りなさい。価格競争ではなくて、品質競争しなさいと教えられました。

それは会社が大切にされていることにもつながっているのですね。

木下 はい。もうひとつ大事なこととして、おいしい酒は「残らず寂しからず」だとも教わりました。トゥーマッチじゃダメなんです。おいしいお酒は料理に調和していき、それぞれの地域の料理に対して、残らず寂しからずになるお酒が名酒であると。例えば福岡はイカをはじめとする海の幸、博多地どり、博多和牛、辛子明太子、もつ鍋、水たきといった郷土料理があります。どういう酒ならば、福岡の食を受け止めて、残らず寂しからずになるのかということを考えました。その結果、口に含んだ時に優雅であること、大きく丸く、後味の余韻がとてもきれいで澄んでいるという酒にいきつきました。芳醇さと透明感の両立です。一流の料理は、少し味が濃いソースでも完璧に調和して残らないですよね。ならば酒でもできるでしょうと極めることを目標にしました。

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福岡の海でとれる白身魚との相性が抜群。

今回ご紹介する「大吟醸 極醸 喜多屋」がまさに「残らず寂しからず」なのですね。

木下 そうです。岩野先生に堂々と「できました」と言える酒が「大吟醸 極醸 喜多屋」で2013年に完成しました。全国新酒鑑評会に出品したところ「傑出している」という評価をたくさんの先生からいただきました。また、インターナショナルワインチャレンジで金賞をいただきましたが、審査委員長でマスターオブワインのサム・ハロップ氏から、「古典的なスタイルではなく、最高レベルの力強さで純粋、つまり透明感がある」と評されました。これはまさに私が目指す「芳醇さと透明感の両立」という意味で、この言葉を聞いて震えました。さらにこれには続きがあり、祖父が蔵に「芳醇爽快」という言葉を彫っていたことに気づいたんです。時代は変わってもぶれていない喜多屋の酒造りを再確認できた思いで感動しました。実際はお米や酵母、こうじ菌はバージョンアップしています。品質競争に勝ち残れませんから。でも根本は変わってなくて発展してきたということです。

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きめ細かい泡とやさしい甘みで、ハレの日のお酒にぴったり。

喜多屋 スパークリング クリスタル」は豪華クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」でも採用されています。どういう思いで作られたのでしょうか。

木下 結婚式など人生の門出だったり、1番喜びのシーンにふさわしい酒を作ろうという思いです。となると、当然ながらシャンパンと同じように澄んだ優雅な酒でないといけません。スパークリングの技術は持っていましたが、純米吟醸や純米大吟醸から作ってもどうもシャンパンのようにはならず、試行錯誤を繰り返しました。でもあるとき偶発的なトラブルから、「これだ!」と思える酒ができたんです。山廃仕込みで、原料は福岡・糸島の山田錦。無濾過原酒がフルーティでボディーもリッチで、甘みもあるけれど、重たくないというものでした。偶発的でしたが、これまでの経験からそれを再現することができ、完成に至りました。

最後に今後のビジョン・展望を教えてください。

木下 喜多屋の酒はこれで完成系ではありません。私の跡を娘が継ぐことに決まっており、7月に生産本部長の権限を渡しました。これまでは私が最終責任者として、酒を作るための絵コンテを描き、設計図を引き、それをみんなと共有しながらやってきました。今後は今の酒をキープしながら発展させて次の時代に向かいます。すでに娘はこれまでの研究開発でオリジナルの酵母を取得し、酒を作って販売もしました。とはいえ、私は死ぬまで作り手として存在したいと思っています。ですので、今度はウイスキーを作っており、徐々に本格化していく予定です。

素敵なお話をありがとうございました!

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「大吟醸 極醸 喜多屋」(720ml)
価格:¥4,730(税込)
店名:喜多屋
電話:0943-23-2154(9:00~17:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kitaya.biz/view/item/000000000003
オンラインショップ:https://kitaya.biz/

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「喜多屋 スパークリング クリスタル」
価格:¥11,000(税込)
店名:喜多屋
電話:0943-23-2154(9:00~17:00 土日祝を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kitaya.biz/view/item/000000000182
オンラインショップ:https://kitaya.biz/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
木下宏太郎(株式会社喜多屋 代表取締役社長)

昭和62年東京大学農学部卒業、宝酒造株式会社を経て、平成4年に喜多屋に入社。平成6年まで国税庁醸造試験所にて2年3ヶ月の研修を受ける。平成11年10月、株式会社喜多屋 代表取締役社長に就任。「大吟醸 極醸 喜多屋」が平成25年にロンドンで開催されたIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2013の日本酒部門で最優秀賞「チャンピオン・サケ」を受賞。

<取材/垣内栄  撮影/坂口明子  画像協力/喜多屋>

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