たっぷりの野菜と煮込んで、あったかヘルシー。埼玉・深谷名物の「煮ぼうとう」

たっぷりの野菜と煮込んで、あったかヘルシー。埼玉・深谷名物の「煮ぼうとう」

“日本経済の父”も大好物。特産のねぎや根菜とともに煮込む「煮ぼうとう」

ツルっとのどごしがよく、だしの効いた汁がからだを温めてくれるうどん。香川の讃岐うどんや、名古屋のきしめんをはじめ、その土地が育んだ名物も多く、それぞれのおいしさを楽しめるのも魅力ですよね。
埼玉県北西部に位置する深谷市の名物が「煮ぼうとう」。古くから小麦栽培が盛んな武州・深谷地方の風土が育んだ郷土料理です。薄くて広い麺を使うのは、山梨の名物「ほうとう」と共通していますが、ほうとうが味噌味なのに対し、煮ぼうとうはしょうゆ味のスープ。具材も違いがあり、煮ぼうとうは、特産の深谷ねぎをはじめ、いちょう切りにしたにんじんやだいこんなどと煮込みます。あっさりと品がよく、栄養たっぷり。深谷出身で、明治から昭和にかけて日本経済の基礎を築いた渋沢栄一も煮ぼうとうが大好物だったそう。
近年、テレビ番組で取り上げられるなど知名度を高めている煮ぼうとうですが、その立役者が深谷市の製麺会社・新吉。オリジナルの乾麺と秘伝のたれを開発し、全国に郷土の味を届けています。

煮ぼうとうは、特産の深谷ねぎをはじめ、いちょう切りにしたにんじんやだいこんなどと煮込みます。
麺、野菜、鶏肉をひとつ鍋で煮込んでつくる煮ぼうとう。1品でおなかがいっぱいになり、栄養のバランスがいいのもうれしい

幅広麺としょうゆベースのたれ、野菜が鍋で一体に! 家庭ならではの楽しみ方も

深谷市で大正7年に創業、100年の歴史をもつ新吉では、「深谷の名物を広く知ってもらいたい」との想いで、約30年前から県内他地域や他県での催事に参加するなど、煮ぼうとうの広報・普及活動に取り組み始めます。「麺は国産小麦100%で、幅約2.5cm、厚さ約1.5mm。たれは、家庭ごとにつくられてきたものを研究し、スタンダードな味を開発しました。たっぶりの野菜と鍋で一体となった味は大好評で、催事では1日に1500杯も出たほどです」(株式会社新吉の小内大河さん)。
深谷市内においても、郷土の名物が改めて見直されるようになり、有志による「武州煮ぼうとう研究会」が結成。煮ぼうとうを食べられる飲食店MAPもつくられ、深谷を訪れる観光客の舌を楽しませています。また、深谷市産業祭の名物イベントで、麺類最強の称号をかける「N-1GP(エヌ・ワン・グランプリ)」にて、「武州煮ぼうとう」は8連覇を達成。そのおいしさは麺党の心をしっかりつかんでいます。

煮ぼうとうを愛した渋沢栄一
煮ぼうとうを愛した渋沢栄一。深谷市では銅像や記念館で近代日本の偉人を偲ぶことができる
煮ぼうとうといえば「新吉」
煮ぼうとうといえば「新吉」。渋沢栄一の雅号「青淵」を冠した特選麺(煮ぼうとうのほか、絹ごしうどん、よもぎうどん)が人気

煮ぼうとうのおすすめの具は、ねぎやにんじん、だいこん、しいたけ、油揚げ、鶏肉。水またはだしに具材を入れて煮たて、麺を入れてしばらく煮込んだあと、たれを加えて数分煮込めば完成。やや甘めのとろりとしたたれがじんわりと染み、からだにも心もあたたかくなります。具材は厳密ではなく、冷蔵庫にある残り野菜でOK。ただし、山梨のほうとうに欠かせないかぼちゃは、甘味が出すぎるので入れない方がいいそうです。
また、地元の家庭では「たてっかえし」と呼ばれる食べ方も好まれるそう。「大鍋にたくさんの煮ぼうとうをつくり、残りを翌日温め直して食べることをいいます。野菜のエキスがくったりとちぎれた麺に染みわたり、ひと味違うおいしさですよ」(小内さん)。飲食店では食べられない家庭の味、お取り寄せでぜひ試してみたいですね。

つるりとした食感の幅広の麺
つるりとした食感の幅広の麺。具材を煮たつゆと別にゆでた麺で、つけ麺風に食べるのもいい
手軽なのも煮ぼうとうの魅力
鍋ひとつでつくれ、具材は冷蔵庫の残り野菜でもOK。手軽なのも煮ぼうとうの魅力

こだわりの小麦をブレンドしたうどんや、自然のよもぎを使用したうどんも人気

国産小麦を使用するなど、こだわりの麺で知られる新吉。煮ぼうとうと、「絹ごしうどん」「よもぎうどん」をセットにした商品がお取り寄せでも人気です。国内産低アミロースの小麦を独自にブレンドした「絹ごしうどん」は、つややかなでもっちりとした食感。温・冷どちらでも楽しめますが、まずは冷やしうどんで味わってみると違いがわかります。自然のよもぎを練り込んだ「よもぎうどん」は、封を切るとよもぎの香りが立ちのぼる贅沢な麺。しっかりとした歯触りで、ざるうどんはもちろん、しゃぶしゃぶやうどんすきに入れるごちそう麺にもぴったり。それぞれのおいしさをぜひ味わってみてください。

絹のようにつややかで、なめらかな食感が楽しめる「絹ごしうどん」
絹のようにつややかで、なめらかな食感が楽しめる「絹ごしうどん」。ざるや釜揚げなどシンブルにいただくと違いがわかる
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