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多くの人々の“茶への想い”と真の価値を伝えるために辿り着いた 日本茶のひとつの境地 「IBUKI bottled tea」

2024/04/15

古より身体を癒し、五感を潤す飲みものとして私たちの暮らしに寄り添ってきた日本茶。今回、編集長のアッキーが注目したのは、静岡県島田市より日本茶の本当の価値を今に伝える「IBUKI bottled tea」。山々に囲まれた豊かな土壌によって育まれた良質な茶葉の魅力を特別な製法で引き出した、株式会社カネス製茶 IBUKI bottled tea ブランディングマネージャー 小松元気氏に商品の魅力についてお伺いしました。

株式会社カネス製茶 IBUKI bottled tea ブランディングマネージャー 小松元気氏
株式会社カネス製茶 IBUKI bottled tea ブランディングマネージャーの小松 元気氏

―複数のベンチャーやスタートアップを経て、家業である株式会社カネス製茶に入社されたとのことですが、入社のきっかけをお聞かせください。

小松 私自身の大きな転換期ではありませんでしたが、会社としての転換期でした。新規事業として、今までとは違った新たなブランドを立ち上げようというタイミングで私が携わることになりました。

―会社の転換期とはどのようなタイミングだったのでしょうか。新ブランド立ち上げの背景についてもお聞かせください。

小松 会社として革新的なチャレンジをしていこうという節目の時期でした。現在の日本茶業界はストレートにお伝えすると勢いがありません。ここ10年の間に業界全体が衰退を辿っているのがより顕著になってきています。次の担い手がいないという問題も含め、ここ数年で畳まれてしまうお店も増えていく一方です。そこで我々売り手側が率先して今までとは違った方法でお茶の魅力をお伝えしていかないといけないという見解に至りました。新しい売り方、消費の仕方に変化をもたらさない限り、現状維持のままでは下降線を辿っていくのを見守っているだけですから。お茶業界の現況も踏まえて、新しい消費体系、茶葉のアレンジを模索していきながら、新ブランドのテーマやコンセプトを固めていきました。

―日本茶という伝統への想いも込めて、チャレンジングなことをスタートされたんですね。創業65年と歴史あるカネス製茶の企業として変わらないDNA、大切にされているモットーなどございましたらお聞かせください。

小松 “お客さまファースト”です。外の業界を経て感じたのですが、昔からのお客さまは元より、お取引先も信頼関係をとても大切にする土壌がこの業界にはあります。お茶屋さんは我々だけではなく他にも沢山あります。また、お茶は商品としての差別化が難しいものです。お客さまが求める品質をしっかりと追求してご提供することが大前提で、最後の決め手を改めて考えた際、これまで培ってきた信頼感がより大切だと思いました。「この人、この会社だったらお願いしたい」と思っていただけることが企業としても私個人としても一番大事にしているところです。

―ありがとうございます。商品についてもお話をお伺いさせてください。ボトリングティーはとてもユニークな商品だと思うのですが、どのような経緯で販売に至ったのでしょうか。

小松 これまでの飲み方と違った飲み方をご提案したい、茶葉にフォーカスを当てた商品にこだわりたいという2つの想いがありました。高級茶の産地、静岡県ということもありますので、上質な日本茶を適正な価格で体現いただける商品を追求しました。業界的にも新しい飲み方で日本茶の味わいに触れていただくことで、静岡県のみならずひいては日本の文化継承を踏まえた上での新たな一手になればと思っています。

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静岡県中央部、駿河湾に注ぐ大井川流域は茶王国静岡の中でも随一の茶所。
恵まれた環境の中、伝統と革新を備えたお茶のプロフェッショナルとして
茶を極め、笑顔を届け続けている。

―ボトリングティーで深い味わいをお楽しみいただくために苦労した点、開発のエピソードなどがあればお伺いさせてください。

小松 ボトルの商品自体は市場に10年程前から存在はしていました。ですので、アイデア自体はオリジナルではないですが、楽しんでお手に取っていただけるようにこれまでにない仕掛けをしています。現在、ボトリングティーの作り方には、通常のペットボトル飲料と同じく加熱殺菌で抽出する製法、非加熱殺菌で抽出する製法の大きく分けて2つが存在すると言われています。加熱殺菌は製法としては効率的ですが、品質は非加熱製法にどうしても適いません。お茶は温度によって、色や風味が変化してしまいます。一般的に保存が効く商品は加熱殺菌する製法、一方、非加熱で濾過する「フィルタード・コールドブリュー製法」は、特に一般化されていないので、製法として確立されていません。ですので、業者の方々と試行錯誤を重ねながら実際の製造ラインに乗せていくことを繰り返し、ベストな味わいを手探りで求めていくことが大変でした。商品開発のための投資も含めてチャレンジングなことでした。

―製法へのこだわりが伝わってきます。原料となる茶葉についてもお聞かせください。

小松 新商品開発の際、改めてお茶処の静岡県で何十年と茶業をやってきた私たちがするべきことを問い直しました。生産者の方々に作っていただいた品質の良い茶葉をこだわりの製品にすることで、日本茶の魅力や価値を最大限味わっていただける体験をお届けすることもミッションのひとつです。
さまざまな茶葉原料の中でも、これまでに味わったことのないような日本茶体験をお届けしたいという想いから、味にインパクトを持たせる目的でも選定しています。味の特徴がきちんと出るようテストを繰り返した結果、納得のいく商品に仕上がりました。

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使用している茶葉は、農林水産大臣賞を受賞、日本茶鑑定士、
小松氏の父でもあるCEOの小松幸哉氏が全て監修。

―苦労やこだわりを重ねて作られたボトリングティーをどのようなシーンで愉しんでいただきたいでしょうか。

小松 「IBUKI」に関しては、ペアリングもいいのですが単体で飲んでいただくのがおすすめです。味覚の主張が強いので、味わいをしっかり感じながら少量をショットグラスで飲むような感覚で香りから色調まで、ぜひ五感でご堪能ください。ブルゴーニュ系の丸いワイングラスなどで少しずつゆっくり口に含ませると、グラスに漂う余韻まで感じられると思います。料理店などでは、ノンアルコールの食前酒や食後酒のような感覚で召し上がっていただくことをおすすめしています。

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ブランド名の一部になっている「IBUKI bottled tea」フラッグシップでもある「IBUKI」。
社の茶園にて20年以上の歳月をかけて開発された「金谷いぶき」を使用。
濃厚かつ華やかな香りと味わいを感じながら未知なる日本茶体験を。

―「KOUSHUN」に関しても魅力をぜひお聞かせください。

小松 KOUSHUNは皆様に親しみやすい味わいになっていてペアリングもお楽しみいただける味に仕上げています。味の濃い塩味のある食材が合うかと思いますので、チーズ等の乳製品、煎茶と相性のいい白身魚の鰤や鯛などのお料理とのマリアージュもおすすめです。お刺身などもお魚が持っているグルタミン酸の繊細な旨味とお茶の旨味の相性が良く、味わいを深めてくれます。お寿司に併せていただくのも美味しいです。

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原料茶葉である「香駿」が育てられるのは島田市伊久美村。
フルーツのような爽やかさと程よい苦味が特徴。
シャープで雑味のない飲み心地はチーズなどとペアリングすることで味わいが一層引き立つ。

―愉しみ方のバリエーションが広がりますね。

小松 その他、アルコールのカクテルベースにも重宝いただいています。バーテンダーの方々にお話を伺う機会もあるんですが、「IBUKI」や「KOUSHUN」はクラフトジンと併せると結構美味しいカクテルに仕上がります。上級者的な新しい楽しみ方のご提案です。また、ボトリングティーは面白味のある商品かと思いますので、人が集まるような場にも華を添えてくれるような存在です。

―お茶としての味わいはもちろん、アルコールが好きな方にも召し上がっていただけますね。

小松 喉を潤すというよりも、嗜好品としてお手に取っていただければと思っています。本来、お茶は高価な嗜好品、薬でもありました。日本では平安時代から、中国だともっと古くからお茶の文化が根付いていました。室町時代に茶の湯という文化が生まれて、お茶の物質的な価値と精神的な価値が高まっていったという歴史的背景があります。現在、生活様式が変わって、喉を潤す飲料としての効果に焦点が当たっていますが、本来の嗜好品としての奥深い味を探っていきながら、これからもお茶の本質をお伝えしていければと思います。

―今後の展望やご予定をお聞かせください。

小松 日本国内においては、イベント等を通じて本質的な日本茶の魅力や嗜好品としてのレベルの高さをお伝えしていくこと。みなさんが抱く日本茶のイメージや概念を打ち壊すといった意味でも、モデルケースとなって発信していくことです。消費者の方、法人の方々へも伝えていくことがあります。
海外での展開も視野に入れています。海外の日本食レストランや日本料理を通じて日本茶の価値を感じていただいた方々へ僕らの商品をお届けするより良い方法を考えています。「日本茶が面白いから一緒に何かしてみたい」というプレイヤーを増やすことが会社としてはもちろん、個人としてのミッションだと感じています。お茶業界が抱える問題、ビジネスとしてうまくいかないから辞める、高齢化の為、敢えなく辞めるという方が増えている中、やはりプレイヤーを増やしていかないことには競争も激しくなりませんし、業界全体が盛り上がっていきません。
国内外において販路を広げて、最終的にはしっかりと日本の茶生産者の方へ還元する。本場のお茶は日本の静岡へ行けば味わえるということを知っていただくことでツーリズムにも繋がります。地域はもちろん、日本にも還元していくことを目指しています。

ブランドを立ち上げてから認知度をあげるための施策として、また、本質的な日本茶の魅力をお伝えするためにも試飲会やイベントを都内近郊で行っています。お付き合いのあるホステルバーとのコラボレーションでは、バーテンダーの方に作っていただいたオリジナルカクテルをご提供したり、クラフトジンと日本茶のカクテルと共にペアリングディナーを召し上がっていただくイベントも行っています。ご一緒しているクラフトジンの会社は、使われなくなった腐葉土を使用してジンを作ることを先駆け的に始めた会社でSDGsの視点で活動しています。そういったストーリー性も含めて、お互いに目指している世界や最終的にお伝えしたいもの、到達点を共有できた上で、こだわりや面白さをきちんとお伝えてしていける方達とイベントを企画しています。
お茶は口に入れて、味わっていただくもの。やはり、本来の良さをお伝えするためにも召し上がっていただく機会を作ることが大事です。これからも軸を持って発信し、多くの方がお茶の価値を見直し、感じていただける場を作っていきます。

―貴重なお話をありがとうございました。

「IBUKI」(750ml) 「IBUKI」(180ml)

「IBUKI」(750ml)
「IBUKI」(180ml)
価格:750ml/¥24,840(税込)
180ml/¥10,800(税込)
店名:IBUKI bottled tea
電話:0547-46-2569(9:00~17:00 日祝・年末年始/夏季休業を除く)
※7~10月は土日祝休業
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://ibuki-tea.com/shop/products/IB-25975-B0M0
オンラインショップ:https://ibuki-tea.com/shop/products

「KOUSHUN」(750ml) 「KOUSHUN」(180ml)

「KOUSHUN」(750ml)
「KOUSHUN」(180ml)
価格:750ml/¥12,960(税込)
180ml/¥6,480(税込)
店名:IBUKI bottled tea
電話:0547-46-2569(9:00~17:00 日祝・年末年始/夏季休業を除く)
※7~10月は土日祝休業
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://ibuki-tea.com/shop/products/IB-25960-B0M0
オンラインショップ:https://ibuki-tea.com/shop/products

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
小松元気(株式会社カネス製茶 IBUKI bottled tea ブランディングマネージャー)

1994年生まれ。静岡県島田市出身。早稲田大学卒業後、都内にて複数のベンチャー・スタートアップに所属し、事業立ち上げや業務効率化を経験。家業である株式会社カネス製茶の4代目後継として継承予定。IBUKI bottled teaのブランディングマネージャーを務める。

<取材・文/渡辺彩子 MC/髙橋美羽 画像協力/カネス製茶>

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