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沖縄の新たな魅力を追及した新感覚のお菓子「薔薇甘紅芋」

2024/03/11

薔薇が描かれたおしゃれな六角形の箱を開けると、まるで両手に抱えた花束をのぞき込んだような美しさ。個包装されたお菓子は一つ一つが薔薇の形で、従来の紅芋菓子とは大きく印象が異なります。思わず食べる前に並べて、写真を撮りたくなるかわいさです。新しい沖縄土産としてじわじわと人気を呼んでいる「薔薇甘紅芋」に編集長アッキーが注目。製造販売している株式会社ナンポー代表取締役の安里睦子氏に、取材陣が開発のきっかけや「薔薇甘紅芋」への思いなどについて伺いました。

株式会社ナンポー 代表取締役の安里睦子氏

―創業はいつですか?

安里 株式会社ナンポーは、1983年に観光土産卸業としてスタートし、1999年に菓子製造事業を開始しました。創業者は現会長である父で、私は2代目です。

―幼少期の頃からずっと、後を継ぐと思っていらしたのでしょうか?

安里 私は子供の頃からデザインや色が大好きで、ナンポーとは別で経営していた印刷会社に就職しました。営業、デザインなど、印刷に関わる仕事にやりがいを感じていたので、お菓子会社で働くことに、最初は驚きを隠せませんでした。

―それが、お菓子会社の社長となった経緯を教えてください。

安里 お菓子会社の企画運営部門で人員がいなくなるということで、初めは印刷会社の営業統括部長と、お菓子会社の企画部長を兼務するということで入社しました。

印刷業とは全く違うお菓子会社で働くことに、初めは喜んで引き受けたという感じではありませんでした。4年間ぐらいは断っていたのですが断りきれず、家業に対する恩返しのつもりで引き受けました。入社してしばらくすると、お菓子に「色」や「デザイン」で付加価値をつけていくことができるという面白さに気がつきました。印刷業での経験が発揮された瞬間でした。たくさんの経験を積ませていただき、社長に就任したのは2017年です。

―もともとナンポーは「べにいもたると」が有名ですが、さらに今回ご紹介する「薔薇甘紅芋」を開発された経緯を教えてください。

安里 開発のきっかけの一つにコロナがあります。沖縄は観光面でも大きな打撃を受け、経済が回らなくなっていたとき、私はひとまず主力商品である「べにいもたると」を除いて、製造と販売をストップさせました。

工場が稼働していない時間の全てを、商品開発と新ライン導入、従業員の研修などに充てました。この全てが売り上げを見込めるものではないため、かなり大きな決断でしたが、経済が回復して観光客が戻ってきたときのことを考えたかったのです。久しぶりに沖縄を訪れた方々を、新鮮でワクワク感のある商品でお迎えしたいという一心でした。

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ナンポーの定番商品「べにいもたると」。

―パッケージもすてきで印象的だと評判です。

安里 おいしいものが溢れている時代に、パッケージがかわいくないと手に取っていただけないので、パッケージにはかなりこだわっています。SNSで個人が情報発信する時代に、ビジュアルはとても大事です。もちろん、中身でがっかりされないように、お菓子のクオリティーも緊張感を持って追求しています。

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パッケージもエレガントで美しい「薔薇甘紅芋」。

―商品パッケージの色使いもとても印象的です。

安里 「薔薇甘紅芋」のパッケージを作る時に、『沖縄らしさ』と『紅芋菓子の付加価値』を感じてもらえるようにしたいと考えました。そして、注目したのが色です。

沖縄らしい色というと、やはり原色ではないでしょうか。沖縄は暑く気候も東南アジアに近いし、景色や食べ物の色が強いのが特徴です。紅芋なら紫、マンゴーはオレンジ、パイナップルは黄色、シークヮーサーなら黄緑、ハイビスカスの緑と赤。海や空は青と白です。とてもカラフルで原色のイメージが大きいはずだと思い、当社の製品は「薔薇甘紅芋」以外もパッケージは原材料の色を基調にデザインしています。

―薔薇の形にしたのには理由があるのでしょうか?

安里 生活に親しみやすく庶民的な食材である紅芋の付加価値を上げたいというのが目的です。エレガントな印象にするためにはどうしようと考えたとき、紅芋の紫色からヒントを得ました。紫といえば高貴な色です。『高貴』『エレガント』といったら薔薇だということで、この形にしました。

―パッケージにはさらに仕掛けが?

安里 六角形の箱の底に中敷きが入っているのですが、葉っぱの柄がプリントされています。その上に薔薇の形をしたお菓子を並べると、まるで花束に見えるという仕掛けです。真珠やジュエリーを一緒に飾るなど、いろんなデコレーションをしながら、実際に撮影してSNSにアップしてくださっている方もいます。

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箱の中敷きに「薔薇甘紅芋」を並べると花束のようになる。

―発売前の「薔薇甘紅芋」が高級外車のお土産コンペで採用されたとか。

安里 高級外車のゴルフイベントが沖縄で初開催され、その際に提供する土産品のコンペが実施されました。まだ開発途中だったのですが、出品したところ採用されました。全国からいらっしゃった、ゴルフイベントに参加された方々から好評をいただいたことで、自信がつきました。

―製造の点で苦労したところはどこでしょうか。

安里 薔薇甘の開発がスタートした時期は、コロナ禍の業績不振などで多くのベテラン社員が工場を離れた後でした。後任としてパティシエ経験のある女性社員に、工場長をお願いしました。彼女とナンポーの新しい時代を作ろうと、新体制での「薔薇甘紅芋」の開発がスタートしましたが、難題も多くありました。

きれいな薔薇の形にするのも苦労した点です。形をプレスするタイプは、形が均一にそろいます。でも、私たちは薔薇の花びらの繊細な美しさを表現したかったので、機械メーカーさんに、絞りで薔薇の形を作ることをお願いしました。普通の生地でも難しい薔薇の形に、柔らかいスイートポテトで挑んだ結果、いくつもの難題にぶつかりました。でも、何度も試行錯誤を繰り返し、かなりリアルな薔薇の形になったのではないでしょうか。

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紅芋餡と土台の焼きショコラの2層になっている。

―素材についても教えてください。

安里 紅芋はもちろん、できるだけ沖縄県産のものを使用しています。その他の原材料も厳選して使用しています。「薔薇甘」シリーズとして「薔薇甘苺」があるのですが、その苺を作っているのも沖縄の農家さんです。

「薔薇甘紅芋」はスイートポテトですが、「薔薇甘苺」はカマンベールチーズを使っているので、チーズケーキの味わいになっています。両方とも餡の下にホワイト焼きショコラを敷き詰め、そこに「塩ちんすこう」を砕いて混ぜているので、ただ甘いだけではなく塩味を加えて味を整えています。

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紫の「薔薇甘紅芋」とピンクと赤をメインに使った「薔薇甘苺」。
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「薔薇甘紅芋」と「薔薇甘苺」を一緒に並べても色のコントラストがおしゃれ。

―販売方法で工夫された点は?

安里 商品の世界観を重視したいと考えました。たとえば、東京の空港でほかの商品を見ていても、それぞれの世界観を表現したディスプレイがされていると思います。

お客様が商品を購入する際、商品の世界観も含めてお金を払っていると考えます。だから「薔薇甘紅芋」の世界観を表現する什器を特別に作りました。また「薔薇甘紅芋」をその店舗の一番メインの陳列棚に置いてくれるお店限定で販売しました。私たちの希望をクリアしていただけたのが那覇空港内では6店舗のみでしたが、3ヶ月で2万箱販売しました。

―商品開発で大事にされているのは?

安里 発売開始から大々的にキャンペーンやプロモーションを行い、無理やりバズらせようとして大量に商品を売ろうとは考えていません。なぜなら、いろんなところにたくさん置いて売れなかった場合、一度売れないというレッテルが貼られたら、そのお菓子の印象は悪くなるでしょう。販売後も商品イメージって大事なんです。ナンポーのどの商品も、「お菓子」「価格」「パッケージデザイン」などのトータルバランスを大切にしています。もちろん、トレンドも意識しつつ、長年愛される定番商品になっていくような商品作りを心がけています。

―おすすめの食べ方を教えてください。

安里 もちろんそのままでもおいしいのですが、オーブントースターでほんわかと温めてもおいしいです。マーガリンがほどよく溶けて、クリーミーな味わいを楽しめます。ただ、温め過ぎないように注意してください。一方「薔薇甘苺」は冷やして食べるのもおすすめです。

―貴重なお話をありがとうございました。

「薔薇甘紅芋」(6個入り)

「薔薇甘紅芋」(6個入り)
価格:¥2,160(税込、送料別)
店名:沖縄のお菓子・お土産 ナンポー オンラインショップ
電話:0120‐677‐902(10:00~17:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://e-nampo.com/products/detail/235
オンラインショップ:https://e-nampo.com/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
安里睦子(株式会社ナンポー 代表取締役)

1972年生まれ。2010年に株式会社ナンポーに入社後、2017年に代表取締役に就任。色とりどりの沖縄県産素材を活かし、目で見て楽しい、食べておいしいお菓子作りを心掛けている。

<文/平野智美 MC/菊池美咲 画像協力/ナンポー>

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