食べたり買ったり作ったり~レストランガイド編集長の日常~【6月】

【6月の食日記】

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〇月×日
「にぎにぎ」から「まるふく」まで、すっかり鮨のラインナップが充実した西荻窪に2017年にオープンしたのが「鮓処ひろ志」。つけ場に立つのはご主人と二番手の方のふたり体制。お好みもOKで、お櫃の中に白酢、赤酢、ふたつの酢飯を入れてリズムよく握ってくれる。”ノドグロの焼き寿司”といった面白い握りも。
発売されたばかりのリーデルの「純米」グラスもあり、日本酒への意識も高い。お腹いっぱいに食べてビール1本とお酒2合で1万円ほどと、美味しいお寿司屋さんの中ではお手頃価格なのもいい。

”ノドグロの焼き寿司”といった面白い握りも
西荻に2017年にオープンしたのが「鮓処ひろ志」

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮓処 ひろ志
▶ URL http://www.sushidokoro-hiroshi.jp/

〇月×日
同じ恵比寿の地で移転オープンしたイタリアン「マンサルヴァ」。
イタリアだけでなく、ヨーロッパ各地で修業したシェフの料理は美しく、食慾をそそる。

アーティチョークの蒸し煮を土台に、フォアグラを鶏もも肉のムースで蓋をした、パイ包み焼きへのオマージュのようなスペシャリテは、舌にも目にも焼き付けられる逸品。

なんといっても、コースだけでなくアラカルトもOKなのが嬉しい。
気持のいい空間でカウンターもあるので、品揃えの秀逸なワインと、今ならサマーポルティーニと発酵バターのタリアテッレなどを食せば、天国だろう。

アーティチョークの蒸し煮を土台に、フォアグラを鶏もも肉のムースで蓋をした、パイ包み焼きへのオマージュのようなスペシャリテ
サマーポルティーニと発酵バターのタリアテッレ

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Restaurant Mansalva
▶ URL https://xn--cckd5f6hub9438bnsgnry.com/

〇月×日
前日に鴨のテリーヌを食べたせいか、なんだか鴨づいて、今日の娘の塾用サンドイッチはカナールの本鴨のコンフィ。たらこを混ぜたタルタルソースに大きな大葉をのせて。トースターはもちろんバルミューダ。

たらこを混ぜたタルタルソースに大きな大葉をのせて
娘の塾用サンドイッチはカナールの本鴨のコンフィ

SHOP INFORMATION
▶ 店名 カナール
▶ URL http://kamonabe.jp/?pid=112383183

SHOP INFORMATION
▶ 店名 BALMUDA
▶ URL https://www.balmuda.com/jp/toaster/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_campaign=brand_btt_001

〇月×日
なんで「ご飯少な目で」なんて言っちゃったんだろう…。
と激しく後悔するほど旨かった荒木町「焼鳥多喜」のきじ丼。
4月にオープン。「鳥よし」で16年修業した方の独立店だけに、焼き鳥はふくよかで旨味が素敵に閉じ込められている。
この場所で長く営業していた「鳥こう」を居抜きで使用しているため、風格も十分だが、空調は軽自動車一台分くらいのコストをかけているとのことで、臭いは気にならない。
カウンター18席・喫煙可。

荒木町「焼鳥多喜」のきじ丼
焼き鳥はふくよかで旨味が素敵に閉じ込められている

SHOP INFORMATION
▶ 店名 焼鳥 多喜
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13220996/

〇月×日
5月にオープンしたばかりの「きざ㐂」。弱冠28歳。いかに「とかみ」という人気店出身とはいえ、山のような開店祝いの胡蝶蘭に囲まれ、客単価3万円はする店がすぐに満席になるという状態に置かれるプレッシャーは、いかなるものだろうか。とはいえ、こういう経験が出来るだけでも素晴らしいことだろう。電話予約時点から接客まで、奥様?の愛くるしく真摯なサービスは清々しいし、親方の立ち振る舞いも気持ちがいい。まさに「今」を象徴するような要素を持った鮨店。これからどうなっていくのか、とても楽しみだ。

5月にオープンしたばかりの「きざ㐂」
まさに「今」を象徴するような要素を持った鮨店

SHOP INFORMATION
▶ 店名 きざ㐂
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13221218/

〇月×日
最近、評判の店に行くと、かなりの確率で遭遇するのが太田哲雄さんの「アマゾンカカオ」と高山いさ己さんの「ニボバター」。
菊乃井でその名を馳せた店主・林亮平さんが、フィンランドで日本料理店を経営していたという奥様と営む居酒屋割烹「てのしま」では、デザートの「カカオミルクアイス最中」として登場。
コース1万円で、お酒が安い。なんともいい店だ。
そして、かの革命的お店「もんじゃさとう」には「ニボバター真ガレイもんじゃ」が。「アゼルバイジャンニラ玉もんじゃ」「イタリアンもんじャ」も記憶に残る傑作。イベリコ豚を使った「特級チャーシュー」に至っては、唖然状態。
これからは、美味しいお店の探し方のポイントに、アマゾンカカオとニボバター使用の有無が加わるのではないだろうか。

「てのしま」では、デザートの「カカオミルクアイス最中」として登場
イベリコ豚を使った「特級チャーシュー」

SHOP INFORMATION
▶ 店名 てのしま
▶ URL https://www.tenoshima.com/

SHOP INFORMATION
▶ 店名 おそうざいと煎餅もんじゃさとう
▶ URL http://www.cristianos.jp/satou/

〇月×日
前日に作った鶏ハムを煮た野菜出汁が旨かったので、麺つゆにして日曜の昼は豚しゃぶそばに。
豚をしゃぶしゃぶする温度は70度をキープ。こうするとなんともやわらかで美味しい一品に仕上がる。
そしてこれから夜9時まで模試という息子用に、タルタルソースと鶏ハムのサンドイッチ。大葉をかますことですっきりした味になる。
そんなこんなで効率よく在庫一掃。

鶏ハムを煮た野菜出汁が旨かったので、麺つゆにして日曜の昼は豚しゃぶそばに
夜9時まで模試という息子用に、タルタルソースと鶏ハムのサンドイッチ

〇月×日
「鮨みずかみ」は、なんとも酢飯が美味い、正統派のお店。
「すきやばし次郎六本木ヒルズ店」で長年修業した42歳の水上行宣さんが親方で、イギリス大使館裏の一番町にこの3月にオープン。
握りコースは20貫で2万円。おつまみ5品がプラスされるコースは2.5万円と極めてわかりやすい。独立にあたり研究を重ねた酢飯は、旨味と酸味のバランスがよく、握りを食べているんだなあという満足感が味わえる。
昆布締めしたキンメダイなど印象的な握りも多く、酒は賀茂鶴と水芭蕉の2種だけというのも好感が持てる。ちなみにマグロは修業先とも大手とも違う新進気鋭の仲卸とか。握りを堪能したい人にお薦めしたい店だ。

昆布締めしたキンメダイなど印象的な握りも
マグロは修業先とも大手とも違う新進気鋭の仲卸とか

SHOP INFORMATION
▶ 店名 鮨 みずかみ
▶ URL https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13220742/

〇月×日
「なかむら系出身」というのがトレンドワードになったのは、渋谷「高太郎」の大ヒットからだろうか。
気が付けば「並木橋なかむら」を中心に、「高太郎」「松濤はろう」、恵比寿だけど「酒家の元」と、すっかり高級居酒屋の輪が出来ていた。
そして4月、さらなる刺客(なんの?)として「酒井商会」が渋谷警察裏にオープン。古いビルの一室で看板も無いのは神楽坂「ジュウバー」同様。
当然接客はすごく良く、料理も酒も決してキモは外さないという、主人の矜持を従業員全体で共有しているのだから、至極気持ちがいい。
自然派ワインが充実しているけれど、日本酒もにごり酒を燗で出してくれたりと、プレゼンテーションが楽しい。
爽快なまでにやわらかいハムカツ、〆の五島うどん明太子和えは、出色。
食べて飲んで笑って1万以下。渋谷、最近いいかも。

爽快なまでにやわらかいハムカツ
〆の五島うどん明太子和え

SHOP INFORMATION
▶ 店名 酒井商会
▶ URL https://sakai-shokai.jp/

〇月×日
インド料理にワインが合うと実感したのは、2006年にオープンした銀座一丁目の「カイバル」だった。あれから幾年。最近では千歳船橋の鬼才「カルパシ」の、まるで八寸のごときワンプレートをアテに、いつまでも飲んでいたいと心から思った。
そして銀座「バンゲラズキッチン」。”あ、あそこ気になっているんです!”という人多数。恐らくグルマンのオンリスト店上位に位置する店である。
結論から言うと、初めて食後酒まで飲みたくなったインド料理店だ。
辛味の強い前菜にはキングフィッシャービールを合わせ、ダールやラムミントカレー、ヤリイカの印籠には白と赤を。メニューには載っていないが、実はかの有名なインドワイン「スーラ」もあるので、お店の人に聞いてみてほしい。
〆の竹筒で供されるしっとりしたビリヤ二を堪能した後には、ウイスキー、ジン、ラムなどが待機している。
満腹でヨイヨイでも食後感は不思議とスッキリ。
インド料理は日本酒と並び、二大安すぎるジャンルだと思うので、酒と食を愛する皆様はぜひ、食べて飲んで楽しんでいただきたい。

〆の竹筒で供されるしっとりしたビリヤ二を堪能
銀座「バンゲラズキッチン」恐らくグルマンのオンリスト店上位に位置する店である

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Bangera’s Kitchen
▶ URL https://www.facebook.com/Bangeras-Kitchen-144603156157166/

〇月×日
6月は別れの季節か。1978年オープンの六本木「オーシザーブル」が遂に幕を閉じた。
「ル・マノアール・ダスティン」五十嵐安雄シェフ、「アラジン」川崎誠也シェフ、「ル・マンジュ・トゥー」谷昇シェフ、「ル・ブルギニオン」菊地美升シェフ、元「ラ・プリムール」シェフで「炭火焼鳥 たかはし」の高橋祐二氏、「ラブレー」山田恵氏等々、凄すぎる料理人、給仕人を輩出してきた名店。いかに関根葉子マダムの目利きが素晴らしいかを改めて実感。
昨日はそんなレジェンド達が続々集結。先輩たちを前にあの菊地シェフが立ちっぱなし。素敵な思い出を残し、今後マダムは夫君・関根進さんの「ビストロ・ド・ラ・シテ」で昼のサービスを務めるという。「好きなようにやるわよ!」とおっしゃるから楽しみでしょうがない。
さらに代官山「ファロ」の田村理宏さんも、7月から「モンド」に戻ることに。しんみりとお別れしようと思ったら、最後のグラスがグラマラスで。さすが一流サービス人。

六本木「オーシザーブル」が遂に幕を閉じた
最後のグラスがグラマラス

SHOP INFORMATION
▶ 店名 Bistrot de La CITE
▶ URL http://www.sixarbres.com/cgi-bin/WebObjects/11e1ff814be

大木淳夫

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長

1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・クリエイティブ局メディアプロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「東京とんかつ会議」(山本益博・マッキー牧元・河田剛)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「グルメ多動力」(堀江貴文)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。
現在は、「テリヤキ」(堀江貴文氏が運営するグルメキュレーションサービス)公式キュレーター=「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、「食べログ著名人」としても活動中。

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