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300年の歴史をもつ別府の明礬(みょうばん)温泉「湯の花」配合コスメ「湯の花せっけん」と「湯の花ミストスプレー」

2024/09/26

温泉の蒸気に含まれるミネラル分が結晶化してできた入浴剤「湯の花」をご存じですか?今回、編集長アッキ―こと坂口明子が気になったのは、その湯の花を使った化粧品「湯の花せっけん」と「湯の花ミストスプレー」です。大分県別府市の明礬(みょうばん)温泉にて、江戸時代から現在に至るまで”湯の花”を守り続けてきた株式会社みょうばん湯の里の代表取締役 飯倉里美氏に取材陣がお話を伺いました。

株式会社みょうばん湯の里 代表取締役の飯倉里美氏
株式会社みょうばん湯の里 代表取締役の飯倉里美氏

―御社は代々続いていらっしゃると伺いました。沿革を教えてください。

飯倉 創業は1725年。和暦でいうと享保10年で、今年で299年目を迎えます。現在は温泉の蒸気が結晶化した「湯の花」の入浴剤で知られていますが、江戸時代には薬品や染料などの原料として使われたミョウバンを作っていました。品質の良いミョウバンを製造していたため、100%幕府に買い取ってもらっていた時期もあります。その後、明治時代に入り、江戸幕府の後ろ盾が無くなってしまいました。そこで着目したのが「湯の花」です。別府温泉には当時から湯治客が大勢いたので、湯治客に向けてお土産用に「湯の花」を入浴剤として製造販売するようになりました。これが明治17年のことです。それから140年、入浴剤の「薬用 湯の花」を主力商品としてずっとやってきました。

―「湯の花」の製造技術は重要無形民俗文化財なのですね?

飯倉 明礬(みょうばん)温泉の「湯の花」は、硫黄泉の温泉から立ち上る蒸気を、特殊な小屋「湯の花小屋」に引き込んで作ります。この製法は明礬温泉以外にありません。そこで平成18年3月に国の重要無形民俗文化財に指定されました。全国各地に「湯の花」と名の付く入浴剤はありますが、この伝統製法を守り続けて製造している「薬用 湯の花」があるのは明礬温泉だけです。

私たちはこの地で「湯の花」の製造・販売の他、露天風呂や貸切風呂、団体様向けのレストランの運営、温泉の蒸気で蒸す「温泉蒸し卵」や「温泉蒸しプリン」の販売もしています。

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湯の花小屋がある明礬温泉の景観も、
別府市内の鉄輪温泉地区とともに「重要文化的景観」の選定を受けている。

―社長に就任された背景を教えてください。

飯倉 私は「湯の花」製造を始めてから16代目、代々の当主としては33代目になります。もともとは広告制作の会社を起業していたのですが、27年ほど前に父が他界したことをきっかけに家業を継ぐことになりました。

当時は本当に忙しい日々でした。会社経営と実家のこの仕事、そして育児に家事。目が回る毎日を必死にこなしていましたが、広告業界で培った編集の視点や仕事管理の力、考え方は、今の仕事にも役立っていると感じています。

―今回ご紹介する「湯の花コスメ」シリーズが誕生したきっかけは?

飯倉 きっかけは若い世代の方々にも手に取ってもらいたかったという思いです。「薬用 湯の花」は世代を問わずお肌の健康維持に効果的ですが、親や祖父母世代が使用しているイメージから若い人には敬遠されがちでした。

そこで「湯の花つなぎ」というブランドを立ち上げ、デザインを一新。雑貨類に加え、同デザインの「薬用 湯の花」を発売したところ、若い方の反応が変わってきたのです。
さらに。湯の花という上質な商品を直接お肌で実感できる商品として、「湯の花コスメ」シリーズの開発に着手し、2005年に「湯の花せっけん」と「湯の花全身ジェル」を発売したのがはじまりです。

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発売から20年近く経つロングセラーのコスメ。
温泉水配合のコスメは数あれど、湯の花配合はこの商品だけ。

―「湯の花せっけん」には「湯の花」が入っているのですね。

飯倉 その通りです。「湯の花」には洗浄効果もあるため配合しました。当時は炭の人気が高まっていたこともあり、竹炭も配合しています。洗浄力をさらにサポートする上、ニオイの対策にも期待できますから。
さらに私がこだわったのは、無香料・無着色・無鉱物油を徹底したことです。お子様からご年配の方まで、家族みんなで使えるようにという思いを込めて開発しました。

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真っ黒な「湯の花せっけん」は泡立てネット付き。
しっかりした泡で洗顔したあとはツッパリ感なく過ごせる。

―「湯の花ミストスプレー」が生まれたのはいつ頃でしょうか。

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飯倉 翌年の2006年です。もともとは冷暖房で乾燥しがちな日中のお肌のために開発しました。朝晩のスキンケアだけだと物足りず、日中にお肌の乾燥が気になるときに、メイクの上からシュッとひと吹きしてください。その後お肌を押さえてなじませれば、日中も潤いを保てます。

こちらも無香料・無着色・無鉱物油を徹底し「湯の花」を配合しました。保湿しながら肌荒れを防ぎ、お肌のキメを整えられます。実際にみょうばん湯の里に来られたお客様には、メイクの上からテスターのミストを吹きかけて、肌を押さえながら売店内を回っていらっしゃる方もいます(笑)

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無香のミストは肌にスプレーするとサラッとなじんでいく。
エアコンや暖房が欠かせない季節も肌の強い味方になってくれる。

―これからも大切にしていきたい御社の思いを教えてください。

飯倉 実は一時期、湯の花が売れなくなり、祖父の代に土地を一部売却していたのです。それを父が全て買い戻しました。ただし湯の花小屋は残っていたものの細々とした運営で、製造技術はあっても販売は不得意でした。そこで私の代になって商品開発や販路拡大に注力し「湯の花コスメ」も誕生したのです。

そうは言っても全国展開を目指すつもりはありません。コロナ禍での海外輸出の話もお断りしました。「まずは別府に来ていただきたい」という思いが強かったのです。別府という土地だからこそできる湯の花づくり。その醍醐味を味わっていただくには、実際に足を運んでいただくことが大切だと考えているからです。それこそが、私たちが観光地・別府に根差す意味だと思っています。

コロナ禍を経て、今は多くのお客様が戻ってきてくださいました。利益追求だけでは、持続可能とは言えません。江戸時代から受け継がれてきた技術を、少しでも長く繋ぐこと。それこそが本当の持続可能性です。これからも次世代に繋げることの重要性を大切にしつつ、まい進していきます。

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クレンジングの硫黄泉とも言われる明礬温泉。
ここから車を5分ほど走らせると”保湿のナトリウム塩化物泉”鉄輪温泉に行き、
お肌の機能を高める2湯めぐりもおすすめ。

―貴重なお話をありがとうございました。

湯の花せっけん

「湯の花せっけん 100g」(泡立てネットつき)
価格:¥1,760(税込)
店名:みょうばん湯の里オンラインショップ
電話:0977-66-8166(10:00〜18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.yuno-hana.jp/sc/products/details/7
オンラインショップ:https://shop.yuno-hana.jp/sc/categories/index/

湯の花ミストスプレー

「湯の花ミストスプレー 95ml」
価格:¥2,200(税込)
店名:みょうばん湯の里オンラインショップ
電話:0977-66-8166(10:00〜18:00)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://shop.yuno-hana.jp/sc/products/details/8
オンラインショップ:https://shop.yuno-hana.jp/sc/categories/index/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
飯倉里美(株式会社みょうばん湯の里 代表取締役)

1959年大分県生まれ。1990年に広告制作会社を起業。1995年株式会社みょうばん湯の里に入社し、2006年に代表取締役に就任。国の重要無形民俗文化財である明礬温泉の「湯の花」製造技術の保存会 会長も務める。大分県の観光振興にも尽力し、県のツーリズム戦略推進会議の評議委員や、大分経済同友会 観光戦略委員会の幹事を務めるなど、地域活性化に寄与している。

<文・撮影/西村初音 MC/三好彩子 画像協力/みょうばん湯の里>

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