今回アッキーこと坂口明子編集長が気になったのは、茨城県のブランド牛「常陸牛」を100%使用したハンバーグ。牛一頭買いをしている精肉店が作ったこだわりの逸品です。これまでの歩みや、商品開発秘話について、有限会社肉の木村屋 代表取締役の木村賢治氏に取材陣が伺いました。
焼いても硬くならず、ふわっとした食感。ブランド牛の旨みを味わえる「常陸牛100%使用!常陸牛ハンバーグ」
2024/09/19
有限会社肉の木村屋 代表取締役の木村賢治氏
―家業を継がれたきっかけを教えてください。
木村 両親が家畜商を営んでおり、私が小学校に入学した頃に精肉店を始めました。幼少期から身近に牛がいて、学校が休みの日には親の手伝いをしていましたので、その影響かもしれません。親の仕事を見ていて興味がわき、いつかは家業を継ぐ思いがありました。高校卒業後、全国食肉学校に入学し、スーパーの小売部門で約2年半の修業を経て、22歳のときに実家に戻り家業を継ぎました。
―その後、大変なご苦労があったとか。
木村 実家に戻り、1年後くらいに2店舗目となる精肉店をオープンしました。お店が軌道に乗ってきた頃、弟二人が交通事故に遭い、その後亡くなりました。落ち着いてからお店を再開したものの、さすがに一人で2店舗を経営するのは厳しく、新しいお店は閉めることに。そこで商売を辞める選択肢もあったのかもしれませんが、お客さまや取引先に迷惑をかけたくないという一心で踏ん張りました。売上を伸ばすために目標を設定し、達成できたらまた上を目指すという気持ちと、お客さまの存在のおかげで続けられたように思います。
―和牛に着目された理由は?
木村 家業を継いだころ、地元ではあまり和牛を扱っているお店はありませんでした。そこで、地元産の和牛を広めたいと思い、茨城県のブランド牛「常陸牛」の直売所を設立。「木村屋に行けば常陸牛が買える」と知っていただけるよう、店頭に和牛の精肉を並べました。当時は、スーパーで販売されているお肉と同じくらいの価格でしたので、よりおいしいお肉を味わいたいというお客様に足を運んでいただいたおかげで、少しずつ認知度が上がっていきました。
―御社の強みは何でしょう?
木村 弊社は中間業者を介さず、直接市場に行って和牛を仕入れています。いわゆる一頭買いです。業者を通すとその分価格が上がってしまいますから、独自の仕入れルート調達と品質へのこだわりが、お客さまの信頼獲得につながっているのだと思います。
―精肉以外に、お惣菜なども販売されています。
木村 お惣菜や味付け肉は、食品ロスを減らすために始めました。たとえば牛の内臓は、日本食肉協会での活動から得たアイデアをもとに味付けを工夫しています。所属している地元の野球チームのバーベキューで、試作品と言わずに食べてもらい、反応を伺ったこともあります。自分がおいしいと思っても、多くのお客様に受け入れられるかは分かりませんので、率直な感想を得られる機会を設け、改良を重ねて、商品化の参考にしています。
ふんわりとした食感にこだわったハンバーグ。
―「常陸牛100%のハンバーグ」を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
木村 焼いても硬くならない、ふわっとしたハンバーグを作りたいと思ったのがきっかけです。ハンバーグを焼いて食べると、ぼそぼそとした肉の塊が口に残ってしまうのが気になっていました。そこで、炒めた玉ねぎをタネに混ぜたり、合わせる調味料を変えたりと試行錯誤を重ねました。お昼ご飯に、試作品のハンバーグを社員に食べてもらったことも。何度も改良を続け、最終的に肉の塊を小さく刻んだものを加えてみたら、焼いても硬くならない理想のハンバーグが完成しました。
やわらかい食感のハンバーグを目指して、
およそ半年もの期間をかけて開発。
―とくにこだわっていることは?
木村 牛・豚の合い挽き肉ではなく、常陸牛を100%使用しています。合い挽き肉を使えば豚肉がつなぎになりますが、そこはあえて常陸牛にこだわりました。牛100%で、焼いても硬くならないハンバーグを作るのに苦労しましたが、玉ねぎを炒めず生のまま加えるなど、これまでの常識にとらわれないやり方も取り入れました。何でもチャレンジしてみる気持ちが成功につながったのだと思います。
ハンバーグは1個およそ100gと少し小さめ。
ひとつずつ個包装にされていて、必要な個数だけ調理しやすい。
食べる前日に冷蔵庫で自然解凍がおすすめ。
蒸し焼きにすれば、絶品ハンバーグの完成。
―おすすめの食べ方は?
木村 和風でも洋風のソースでもよく合います。常陸牛の旨みを味わうなら、和風ソースがおすすめです。ポン酢をかけておろしハンバーグ風にすると、肉自体の甘みが引き立ちます。もちろん、洋風のデミグラスソースでもおいしくいただけると思います。
大根おろしをのせて、さっぱりと和風に。
―ハンバーグを上手に焼く方法も教えてください。
木村 両面に少し焦げ目をつけたら、水を入れて蒸し焼きにしてください。ハンバーグが半分隠れるくらいの量を目安に注いで、蓋をして中火で焼き上げます。中から透明な肉汁が出てきたら完成です。フライパンに残った肉汁にケチャップとソースを加えて、デミグラス風ソースを作るのもおすすめです。
肉汁を活かしたデミグラスソースで、豪華な一品に。
―お客様の反応はいかがですか?
木村 おかげさまで、常陸牛100%のハンバーグを気に入っていただき、リピート購入してくださるお客さまも多くいらっしゃいます。脂の質がよく、食べやすいサイズですので、お子さまをはじめ幅広い層の方に好まれているようです。息子に店を任せてからは、30~40代を中心に購入される年齢層が広がりました。
やわらかく、ジューシーな常陸牛の旨みを存分に味わえる。
―SNSも活用されています。
木村 Instagramは撮影から投稿まで、すべて息子が担当しております。実は3年ほど前に常陸牛ハンバーグがテレビ番組で紹介されたとき、ハンバーグの売上が倍増しました。地元のキャンプ場の方が紹介してくださったようで、Instagramでも告知を行なったところ、全国からお問い合わせを頂戴しました。オンラインショップでお買い求めいただくことも多く、SNSの影響力と拡散力を実感しています。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
木村 品質の良いお肉を仕入れ、お客さまに喜んでいただける商品を提供し続けていければと思います。常陸牛100%のハンバーグを看板商品に、常陸牛ブランドの認知度を上げる活動にも積極的に取り組んで参ります。茨城県産のおいしいお肉を多くの方に味わっていただけるよう、地産地消の仕組みを築き、全国へ向けて地域を盛り上げる手助けができればうれしく存じます。
―素晴らしいお話をありがとうございました!
「常陸牛100%使用!常陸牛ハンバーグ10個」
内容量:常陸牛ハンバーグ×10個
発送方法:クール便(冷凍配送)
価格:¥3,000(税込)
店名:肉の木村屋
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://nikunokimuraya.myshopify.com/products/hitatigyuu-hamburgsteak?_pos=1&_sid=969f64b7c&_ss=r
オンラインショップ:https://nikunokimuraya.myshopify.com/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
木村賢治(有限会社肉の木村屋 代表取締役)
1962年7月10日生まれ。全国食肉学校を卒業後、飯田百貨店(現・株式会社コモディイイダ)に入社。2年半の修行を経て、2005年に有限会社肉の木村屋を設立。同年に社長就任。常陸牛ブランドの認知度をアップする活動にも取り組んでいる。
<文・撮影/香川けいこ MC/油井直美 画像協力/肉の木村屋>