そのままでも、食材としても味わえるサバ缶は、献立に困ったときの強い味方。常温で長期保存でき、主食から副菜まで幅広いレシピに使えます。
今回アッキーこと坂口明子編集長が注目したのは、茨城県神栖市に本社を構える缶詰メーカーの「産地がわかる 寒さば味噌煮・寒さば水煮」です。自社ブランドを始めたきっかけや、缶詰製造のこだわりについて、株式会社髙木商店 代表取締役社長の高木貴史氏に取材陣がお話を伺いました。
一番おいしい時期に獲れたサバを缶詰に。アレンジレシピ満載の「産地がわかる 寒さば水煮・寒さば味噌煮」
2024/08/23
株式会社髙木商店 代表取締役社長の高木貴史氏
―これまでの歩みをお聞かせください。
高木 昭和初期に創業し、当時はサンマ船の操業やみりん干し加工など、水産業に従事しておりました。1957年に法人化し、地元で水揚げされる魚の冷凍部門を設立。1961年頃から、大手水産メーカーの受託生産として、サバ・イワシ・サンマなどの缶詰製造業を始めました。2007年より自社ブランドの商品開発をスタートし、サバ缶やイワシ缶など、さまざまな缶詰を製造、販売しております。
地元である茨城県波崎港または千葉県銚子港に水揚げされるさばのうち、
11月から1月頃のいわゆる「寒の時期」に水揚げされる「寒さば」だけを使用。
―自社ブランドを始めた理由は?
高木 市場に出向くと、脂のりもよく鮮度のいい魚を数多く目にします。しかし、価値がある分仕入れ値も高くなりますので、缶詰の原料としては採算がとれません。それまでは、受託生産のみで缶詰を製造しておりましたが、せっかくすばらしい素材が手に入りますから、原料にこだわった自社ブランド商品を作りたいと思い、始めたのがきっかけです。
髙木商店のシンボルマーク「やまめ」。
缶詰だけでなく、魚市場で識別する荷印にも使用されている。
―髙木商店ならではの強みは何でしょう?
高木 直接市場で魚を買い付けできる買参権を持っていること、魚の選別設備や急速凍結、冷凍保管設備を保有していることです。市場には大小さまざまなサイズの魚が水揚げされますが、缶詰の原料になるのは、一定サイズの魚だけです。弊社では、缶詰の原料以外の魚も仕入れ、自社工場で選別・冷凍し販売しています。より良質な原料を買い付けでき、新鮮なまま冷凍保管できることが強みだと考えております。
秋冬に水揚げされる、脂のりのよい「寒さば」を缶詰に。
―「産地がわかる」シリーズを開発したきっかけは?
高木 これまでは、主に地元で水揚げされる青森県沖から千葉県沖までの海域のサバを原料にしていました。ところが、ここ数年サバの漁獲量が大幅に減ったことで、納得のいく原料が集まらず、お客様に満足していただける商品はできないと思い、休売にしました。そこで、全国の産地に目を向け、旬のおいしいサバを原料にすることに。それに先立ちノルウェーサーモンを使用した「炙りサーモンハラス」という缶詰が好評だったこともあり、産地にこだわらず、良質な原料を使えば品質を保てると考えました。
まろやかな信州みそで煮込んだ「産地がわかる 寒さば味噌煮」。
―缶詰のラベルにも工夫があるとか。
高木 「産地がわかる」の名のとおり、どこの港で水揚げされたサバなのか確認できるようにしています。缶詰ラベルのQRコードをスマホで読み取っていただくと、原料の産地がわかる仕組みです。もう一つのQRコードは、サバ缶レシピを参照するために付けました。サバ缶のアレンジレシピを多数ご紹介しておりますので、献立のヒントに役立てていただければ幸いです。
原料の産地を確認できるQRコード付き。
レシピを参考に、和・洋・中、さまざまなメニューに挑戦してみては。
―サバ缶のアレンジレシピも教えてください。
高木 水煮は「サバサンド」がおすすめです。缶詰の汁気をとっていただき、玉ねぎのスライスと一緒にバゲットに挟むだけと簡単です。お好みでマヨネーズやレモン汁を加えてもおいしいですよ。あっさりした味なので、朝食やランチにも向いています。
アレンジがしやすい水煮。
少し硬めのバゲットをつかうと、よりおいしく味わえるそう。
高木 みそ煮の缶詰は、洋風のチーズ焼きが人気です。
まろやかな甘みのある、味噌煮。
高木 大きめにほぐしたサバをグラタン皿に入れ、とろけるチーズをのせてトースターまたはオーブンで焼くだけです。そのままでもおいしいですし、パンのトッピングにも合います。公式Instagramでは、スタッフ考案レシピや、アンバサダーのみなさまからアイデアをいただいたレシピも公開しておりますので、参考にしていただければと思います。
―お客様からの反応はいかがですか?
高木 「おいしかったです」とお褒めの言葉をいただくこともあり、大変うれしく思います。しばらく休売しており、お客様にはご不便をおかけしました。今回の産地がわかるシリーズを発売した際、「これでやっと髙木商店の缶詰が食べられる」と有難いお声も頂戴しました。全国から素材を厳選して缶詰を製造する弊社のこだわりが伝わっていると感じています。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
高木 冷凍部門と缶詰部門を持つ強みを活かし、バリエーション豊かでおいしい缶詰を提供していきたいと考えております。また、素材にこだわった自社ブランド商品も強化しつつ、新商品の開発も進めて参ります。公式Instagramからの発信を通して、缶詰の魅力をより多くの方に知っていただければ幸いです。
―貴重なお話をありがとうございました!
「産地がわかる 寒さば味噌煮【単品】」
内容総量:190g
固形量:140g
価格:¥432(税込)
店名:髙木商店オンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.takagi-shouten.jp/?pid=179675334
オンラインショップ:https://www.takagi-shouten.jp/
「産地がわかる 寒さば水煮【単品】」
内容総量:190g
固形量:140g
価格:¥432(税込)
店名:髙木商店オンラインショップ
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://www.takagi-shouten.jp/?pid=179594953
オンラインショップ:https://www.takagi-shouten.jp/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
高木貴史(株式会社髙木商店 代表取締役社長)
大学を卒業後、食品会社にて工場勤務や営業職を経験。1998年に地元である茨城県神栖市に戻り、株式会社髙木商店に入社。常務、専務を経て、2020年に6代目として、同社代表取締役社長就任。大手水産メーカーの受託生産だけでなく、全国の産地から良質な原料を確保し自社ブランドの缶詰を製造、販売している。
<文・撮影/香川けいこ MC/油井直美 画像協力/髙木商店>