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無添加の旨みと甘みで、料理をよりおいしく。創業から150余年つづく老舗の「国産純醸本みりん」

2024/08/23

今回アッキーこと坂口明子編集長が気になったのは、老舗みりんメーカーが手掛ける「国産純醸本みりん」。添加物を一切使用しない、こだわりのモノづくりについて、甘強酒造株式会社 代表取締役社長の山田洋資氏に取材陣が伺いました。

甘強酒造株式会社 代表取締役社長の山田洋資氏
甘強酒造株式会社 代表取締役社長の山田洋資氏

―創業からの歩みをお聞かせください。

山田 創業は1862年、愛知県海部郡の蟹江町でみりんの製造を始めました。その後、戦争による国の統制の影響で、米を原料とするみりんの製造ができなくなり、会社存続のため日本酒造りをすることに。戦後は、みりんの製造を再開し、現在では、みりんと日本酒の醸造を中心にさまざまな商品を展開しております。

―甘強酒造株式会社ならではのこだわりは?

山田 国内産の原料を使用し、お米から米麹をつくったり、西京漬け・みりん粕漬用の調味料を開発したりと、無添加にこだわった商品を製造しています。お客様の食の健康を支える商品づくりを心掛け、弊社商品を使ったメニューのご提案もしております。

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屋号は「甘強(かんきょう)みりん」。
甘みや旨みの強い、本物のみりんを造り続けるという想いが込められている。

―家業を継ぐ意思はいつごろから?

山田 代々受け継がれてきた会社を父が経営する姿を幼少期から見ていて、いつかは自分が継ぐのだと思っていました。大学を卒業後、甘強酒造に入社し、2004年から2007年まで中国にある現地法人の責任者を任されたのですが、言葉も経営もわからず苦労しました。その後日本に戻り、2010年から3年ほど営業職を経験。2020年の6月に、7代目に就任しました。
振り返ってみますと、社会人1年目で中国へ赴任したことは、会社の経営を担う上で非常に貴重な経験でした。就任時はちょうどコロナ過で、1割ほど業績が落ち込み、この先どうなるかわからない不安もありました。なんとか持ちこたえられた理由の一つは、苦境に立たされた経験があったからだと思います。

―安心安全なモノづくりに関する認証も取得されています。

山田 2021年8月に「ISO22000」を取得しました。みりんを海外に輸出する機会が増え、国際的に安全な食品であると証明し、信頼感を得るためです。現在、アメリカ・イギリス・ヨーロッパを中心に、世界20の地域に輸出しております。
2022年に取得した「SBT認定」は、地球温暖化の原因となっている温室効果ガス排出量の削減に関する取り組みです。どのように削減していくか目標を定め、その進捗を報告する義務があります。企業として、CO2削減のためにできることを常に意識するのが大切だと考えております。

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「国産純醸本みりん」は発売から20年を超えるロングセラー。

―今回紹介する「国産純醸本みりん」を開発したきっかけは?

山田 「米トレーサビリティ法」の施行により、産地情報の伝達が義務付けられました。たとえば、原料が国産米の場合は、国内産や国産と記載されます。弊社でも、国産の原料にシフトしていく方針を決めて生まれたのが「国産純醸本みりん」です。

―「国産純醸本みりん」の特徴を教えてください。

山田 アミノ酸の含有量が非常に多く、甘みが強いのが特徴です。みりん風調味料のように糖液(シロップ)を加えず、原料から甘みを引き出し、時間をかけて仕込んでいます。たんぱく質が溶けてアミノ酸に分解され、米麹の力によって旨みと甘みを感じる本みりんが完成します。

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原材料は国内産。焼酎も自社醸造品を使用している。

―製造時のこだわりは?

山田 まず、本みりんの原料となる焼酎を3~4か月程度かけてつくります。原料のもち米は圧力をかけて高温で蒸すことで、お米の甘みや旨み成分が吸収されて、アミノ酸をたっぷり含んだみりんに仕上がります。仕込みや熟成に時間をかけているので、完成までおよそ1年かかります。

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「甘強(カンキョウ)」の名のとおり、甘み・旨みが強いながらも、すっきりした後味。

―どのような使い方がおすすめですか?

山田 うなぎのたれや、うどん・そばのつゆなどがおすすめです。砂糖のようにダイレクトに甘みを感じず、後味の切れが良いすっきりした甘さになります。みりんはあとから加えてもなじみますので、砂糖のように必ずしも調理の最初に入れる必要はありません。アルコール分を飛ばす手間は必要ですが、煮物の照りを出したり、煮くずれを防いだりとメリットも多く、このみりんは甘みが強いので、砂糖を減らせる効果も期待できると思います。

―今後の展望をお聞かせください。

山田 安心で安全な品質の商品を提供し、継続して売上を伸ばしていきたいと考えております。日本の人口が減り続けるなか、とくに地方の食品メーカーは生き残ることが難しいと言われています。海外への販路も増やし、より多くのお客様にみりんの魅力を知っていただき、地元蟹江町を盛り上げる手助けになれればうれしく思います。

―貴重なお話をありがとうございました!

国産純醸本みりん 1.8L瓶

「国産純醸本みりん 1.8L瓶」
分類:本みりん
容量:1.8L
価格:¥1,520(税込)
店名:甘強オンラインショップ
電話:0567-95-3131(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://kankyo-shuzo.raku-uru.jp/item-detail/125083
オンラインショップ:https://kankyo-shuzo.raku-uru.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>
山田洋資(甘強酒造株式会社 代表取締役社長)

1982年 愛知県海部郡蟹江町生まれ。2004年 甘強酒造株式会社に入社。海外工場勤務、関東勤務を経て、2020年6月 代表取締役社長に就任。地元蟹江町の観光に寄与する活動にも注力している。

<文・撮影/香川けいこ MC/伊藤マヤ 画像協力/甘強酒造>

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