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手書き文字入り木箱に一点物の器を入れて贈る、唯一無二のギフト「ル・スール」

2026/01/29

今回、編集長のアッキーが注目したのは、陶器ギフト「ル・スール」。陶芸家による1点ものの器をそれぞれ手書き文字を入れた木箱で贈るというオリジナリティにあふれたアイテムです。実はこの商品が生まれた背景には、倒産寸前の危機を家族と共に乗り越えた、ドラマチックな物語がありました。取材スタッフが、京都市に本社を構える、有限会社イン・ザ・ムードの代表取締役、三好麻未氏にお話を伺いました。

有限会社イン・ザ・ムード 代表取締役の三好 麻未氏

―企業のルーツについて教えてください。

三好 もともとは、創業者である父と母が、作家の方と直接つながることで生まれた「陶器と染の店」が原点です。

実は陶器業界には、昔から産地ごとに「産地問屋」という卸業者がいて、そこが流通を取り仕切っているのが当たり前でした。そのため、通常であれば私たちのような小売店が、窯元や作家さんから直接商品を仕入れることはできなかったんです。しかし、両親はそのような業界の「常識」を知らなかったため、直接作家さんのもとへ交渉に行きました。当初は門前払いをされたそうですが、何度も足を運ぶうちにその誠意が伝わり、異例の直接取引を認めていただけるようになったのです。

また、創業当時から「人の温もり」を大切にしており、店内の暖簾(のれん)や値札はすべて母の手書きでした。母が書道の師範でもあったため、その達筆さと温かみが評判となり、今も私たちが大切にしている「アナログなつながり」や「手書きのこだわり」の基礎となっています。

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創業時から大切にしてきた「作り手の顔が見える」精神は今も変わらない。
京都・伏見にある「SHOWROOM(ショールーム)」では、一点ものの商品の中から自分のお気に入りを見つけられる。

―ご自身の経歴と、社長になった経緯をお聞かせください。

三好 実は、私は音大出身で、自分の好きな音楽の道へ進みたかったというのが本音なんです(笑)。本当は家業を継ぐつもりはありませんでした。しかし、会社の業績悪化に伴い、2008年にどうしても人手が足りず、未経験のまま営業の世界へ飛び込むことになりました。家業に戻った当時は、ちょうどカタログギフトの全盛期。「重くて割れる陶器なんて時代遅れ」と門前払いをされ、悔し涙を流す日もありました。

全国を飛び回り、自分がどこにいるかも分からなくなるほどの過酷な日々の中で、商品はいいものなのに、その良さが伝わらないもどかしさを強く感じていました。ですが、その崖っぷちで味わった「売れないつらさ」こそが、後のブレイクスルーへの原動力となったのです。
転機は突然訪れました。Instagramに投稿した何気ない写真から直接注文が入ったのです。「お客様と直接つながれるんだ」という希望の光が見え、それが企業の運命を変える大きな転換点となりました。

―「ル・スール フリーカップ」は、どのようにして生まれたのでしょうか?

三好 原点は、倒産寸前の危機的状況で生まれた、「異なる作家の作品を同じ箱に入れる」という父の常識外れの発想です。そのアイデアに、私たちが「結婚式でゲストが一斉に箱を開ける」という演出をかけ合わせ、新たな価値を創出。「全員に同じものを配る」という引き出物の効率性を逆手に取り、「全員違うからこそ楽しい」という体験価値へと転換させました。
当初は式場側から「狭いテーブルに置けない」と反対も受けましたが、新郎新婦様の熱意で実現したその演出は、会場に大きな感動を呼ぶことに。ピンチから生まれたこの「奇跡の逆転劇」をきっかけに、今では多くの新郎新婦様に支持されるブランドへと成長しました。

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引き出物の「ル・スール」をテーブルにセッティングする演出も提案。

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色も形もすべて異なる、世界に一つのフリーカップ。
木箱にそれぞれ異なる文字が書かれている仕掛けが、ゲストに驚きとワクワク感を届ける。

―商品のこだわりや独自性について教えてください。

三好 最大の特徴は、中身のカップが全て「一点物」であり、誰にどの色が届くか開けるまで分からないワクワク感があることです。

産地の垣根を越え、さまざまな作家がチームとなって「ル・スール(唯一無二)」というコンセプトのもとで作陶しています。独自の釉薬(ゆうやく/陶磁器の表面をおおうガラス質の液体)を研究し、伝統的な渋い色だけでなく、現代のウェディングに合うパステルカラーなども開発しました。

また、月に数万個を出荷する規模になっても、木箱の文字は印刷ではなく、すべて書家による「手書き」を貫いています。「効率よりも温もりを」という信念のもと、一文字一文字に心を込めることで、機械には出せない感動を生み出したいと考えています。

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箱の文字はすべて書家による手書き。

―結婚式では、どのような体験として楽しまれているのでしょうか?

三好 よく行われているのが、結婚式の乾杯前、司会者の合図でゲスト全員が一斉に木箱を開ける「オープンセレモニー」です。箱を開けた瞬間、「わぁっ!」という歓声が上がり、会場全体が一体感と笑顔に包まれます。「私のはこんな色!」「俺のは渋くてかっこいい」と、隣同士で器を見せ合い、自然と会話が弾むんですよ。また、木箱にゲストのお名前を入れることで、引き出物としてだけでなく、心温まる「席札」としても機能します。ただモノを贈るだけでなく、その場の空気感や感動を共有する体験そのものをご提供できていると感じています。

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式当日の感動的な演出から、日々の暮らしに寄り添う愛用品へ、長く愛されるギフトである。

―新郎新婦やゲストの方々からは、どのような声が届いていますか?

三好 通常は花嫁主導になりがちな結婚準備ですが、新郎様が「ゲストの顔を思い浮かべて選ぶのが一番楽しかった」と喜んでくださることが多いんです。誰にどのカップにするか想像するのが楽しいとおっしゃいます。また、お菓子のように消えてしまうものではなく、使うたびに「いい結婚式だったな」と思い出してもらえる記念品になります。伝統工芸品になじみの薄い若い世代から、目の肥えた年配のゲストまで、老若男女に喜んでいただけるのが嬉しいですね。

―もう一つの人気商品、「ガラス ル・スール フリーカップ」についても教えてください。

三好 陶器にとどまらず、「夏の挙式」や「透明感」を求める声に応える形でガラス製を展開しました。陶器同様、「世界に一つだけ」のコンセプトをガラス素材でも実現し、大変ご好評をいただいています。

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吹きガラス作家の息吹が宿る一点物。
偶然生まれた気泡やわずかな歪みさえも、持ち主だけが愛でる特別な表情となる。

―ガラスならではの特徴や魅力はどんなところですか?

三好 特別感のある六角形の木箱を使用し、開けた瞬間のビジュアルの美しさにもこだわっています。カップは吹きガラス作家による手作りで、一つひとつ形や気泡の入り方が異なり、光を通した時の影までもが美しいのが特徴です。また、箱の文字入れにあだ名などを指定することで、より親密でパーソナルなギフト演出が可能になります。日常の食卓で、冷たい飲み物を注いで光にかざすたび、幸せな記憶が蘇るような商品でありたいですね。

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洗練された六角形の木箱に収められた姿は、まるでアートピースのよう。
蓋を開けた瞬間のビジュアルの美しさにも、徹底したこだわりが詰まっている。

―文字入れができることで、特別感がより増しますね。受け取った方の反応はいかがですか?

三好 「ばあば」「かか」など、自分だけの呼び名が書かれた箱を見て、ご親族が涙ぐむほど喜ばれたというエピソードも伺いました。単なる形式的な贈り物ではなく、心の距離を縮めるコミュニケーションツールとして評価していただいています。「名前」は一番短い手紙だと思っていますので、その思いが伝わった瞬間は私たちにとっても一番嬉しいですね。

―最後に、今後のビジョンや展望をお聞かせください。

三好 斜陽産業と言われる伝統工芸の世界ですが、ウェディングを通じて若い世代にその魅力を伝え、職人の雇用を守っていきたいと考えています。また、「感謝を伝えるためにギフトを贈る」という日本独自の美しいおもてなし文化を、海外のウェディングにも広めていきたいですね。ただモノを売るのではなく、日本の手仕事と心の豊かさを次世代、そして世界へとつないでいく使命感を持って、これからも進んでいきたいと思います。

―素敵なお話をありがとうございました!

ル・スール フリーカップ

「ル・スール フリーカップ」
価格:¥3,850(税込)
店名:IN THE MOOD
電話:075-621-1990(10:00~18:00 土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://inthemood.co.jp/product/z-108-065/
オンラインショップ:https://inthemood.co.jp/shop/

ガラス ル・スール フリーカップ

「ガラス ル・スール フリーカップ」()
価格:¥4,620(税込)
店名:IN THE MOOD
電話:075-621-1990(10:00~18:00 土日、祝日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://inthemood.co.jp/product/z-108-105/
オンラインショップ:https://inthemood.co.jp/shop/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

三好麻未(有限会社イン・ザ・ムード 代表取締役)
1985年京都府生まれ。音大卒業後、2008年家業である有限会社イン・ザ・ムードに入社。2024年同社代表取締役に就任。

<文/お取り寄せ手帖編集部 MC/田中 香花 画像協力/イン・ザ・ムード>

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