こんにちは、田丸麻紀です。みなさん、お着物を着る機会はありますか? 私自身は着物専門誌のモデルを2年程やらせていただきました。着物の世界って歴史が長くて、いろいろな人間国宝の方がいらっしゃったり、シーンや季節、年齢によって着物の種類や色柄が違ったりと、とても奥深いですよね。あまり自由なことをしてはいけない、気軽に付き合えないものと勝手に思い込んでいたんです。今回は、そんな私と着物との距離を縮めてくれたお店「KAPUKI」をご紹介します。

「キモノロボット」のオープニングセレモニー会場にて
たくさんの着させてもらった和装の中でも特にユニーク!
KAPUKIさんを知るきっかけとなったのは、昨年の11月に開催された着物の展示イベント「キモノロボット」。着物スタイリストの大竹恵理子さんがKAPUKIさんからシルバーの帯を持ってきてくれたんです。その帯を見て、すごく難しく固まった私の世界をやわらかく自由にしてくれる印象を受けました。
今までかなりの数を着させてもらいましたが、その中でも、この帯はすごく印象的なのに上品。和装の着こなしは、つい着物がメインになりがちなのに、帯がちゃんと目に刺さってくるくらいの強さがあって、ちゃんと着物も引き立てていて、いい意味でユニークなものでした。シルバーと黒でツヤ感があって、ダイナミックなのに繊細で。お着物って「きれい」っていう表現をよくされますけど、これは「カッコイイ」っていう言葉が先に出てくる、そんな粋な帯です。KAPUKIさんのおかげで、とても新しい出会いができました。

黒のストライプの着物にシルバーの帯がよく映えます
自由な発想で着物に対する固定概念を取り払ってくれる存在
スタイリストさんの着せ方も斬新だったのかもしれません。白く淡い花柄といった着物に、この帯を馴染ませると、見たことのある上品な感じに仕上がったのかもしれませんけど。真っ黒なツヤのある素材でストライプが入っている着物に合わせると、ハンサムでカッコいい印象になりますよね。持っているバッグも基本的に洋服用のクラッチバッグなので、ルール的なものがすいぶん剥がれていったような感じです。

イベントの近未来的なコンセプトにふさわしく、かっこいいイメージに仕上がりました
お着物って、着ていく場所や季節によってルールがあるじゃないですか? そういう中で若い人が“着物は難しい”と思うと、どんどん離れて行っちゃうかもしれない。でも、KAPUKIさんは、そういうルールとは違うところで着物との距離を縮めてくれる存在で、貴重なお店だなと思いますね。逆に、“ここで崩していいの!?”って思うくらい(笑)、お着物に対する価値観や感覚を自由にしてくれます。お正月だからとか、七五三だからとか、特別な日じゃなくて、“ここのならお洋服感覚で日常に着てみたい!”と思わせてくれる、そんな場所です。
田丸麻紀のこれが好き!