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第10回 HIGASHIYA『棗バター』と岡田直人さんのオーバル皿


 こんにちは、飛田和緒です。今回ご紹介する和菓子は、美しい和菓子を生み出していることで定評のあるHIGASHIYAさんの『棗(なつめ)バター』です。知人から「とてもおいしい」と聞いていたので、取り寄せてみました。

 HIGASHIYAさんの「ひと口果子」は、菓子ではなく果子と表記します。それは、菓子はもともと果子と表記し、果実や木の実が起源であることが由来しているそうです。棗バターは、ドライされたナツメヤシ、クルミ、発酵バターというシンプルな組み合わせ。自然の味を生かしているところが、まさに果子ですね。
 実は知人の「とてもおいしい」という感想には、「表現が難しいけれど…」という言葉がついていました。確かに、ドライフルーツの自然な甘さに、バターの深いコク、そしてクルミの香ばしさが重なった味は、お菓子としては、今までに体験したことのない味かもしれません。甘くもしょっぱくもない、絶妙なバランスが本当においしい。発酵バターのコックリとしたミルキーさに、ナツメヤシの甘さとクルミの香ばしさが合わさり、ミルキーというよりコクが増していきます。甘さの主張はなく香ばしくミルキー、といった風味でしょうか。やっぱり難しいですね(笑)。
 お酒が飲みたくなるお菓子なので、男性へのお土産にも良いでしょう。箱に並んだ様相がきれいですし、開けた時に「これは何だろう?」という驚きがあるはずです。

 器は、石川県で作陶されている岡田直人さんの小さなオーバル皿です。5年ほど前に「銀座の金沢 ダイニングギャラリー」の展示会で購入しました。同じ石川県の作家、竹俣勇壱さんのカトラリー作品を見るために訪れたのですが、岡田さんのお皿に魅力を感じて6枚発注しました。すぐには届かなかったので、丁寧に作られている方なのだろうな~と思いながら待った記憶があります。岡田さんは、丈夫で使いやすい器作りを意識されているそう。このオーバル皿は、横幅12cmほどの小ささで使い勝手がとっても良いです。取り皿としても便利ですし、お菓子も果物もチーズやおつまみにも。さらに和食、洋食、どちらにも合います。もっと発注すれば良かった、と思っている器のひとつです。

 


さて、我が家の食卓を少しご紹介。
 5月の後半になると、ブーケレタスやロメインレタスなど、高原レタスではない様々なレタスがそろうのでよく食べます。サラダにしたり、スープにしたり、炒めたり、味噌汁にもします。さっと茹でて、オイスターソースとオイルを混ぜてかけるだけでもおいしい。
 魚は、地元でカタクチイワシが獲れる時期。背びれと頭を取り、手でシュッと身を取ってお刺身にして、夏ミカンやレモンなど旬の柑橘類を絞っていただきます。家族で30尾くらいあっという間。中骨は塩をさっと振って素揚げをすると、サクサク食感が楽しめますよ。
 果物はサクランボとびわです。どちらもそのまま食べますが、サクランボは実はシロップ煮、種はサクランボ酒にします。シロップは夏のかき氷用なんですよ。びわもヘタだけを取り、皮ごと漬けて、びわ酒にします。バラ科なので、香りがとってもいいのです。どちらのお酒もホワイトリカーに氷砂糖と一緒に入れて1か月ほど待てば、できあがります。

<気になる和菓子>

棗バター


価格 1,944円/6個入(税込・送料別)


 賞味期限  5日(要冷蔵)


 店名 HIGASHIYA GINZA


 住所 東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F


 電話 03-3538-3230


 営業時間 11:00~19:00


 定休日 月曜(祝日の場合は営業・翌火曜日休)


飛田和緒(ひだ かずを)

 

料理家。家庭料理や保存食などを中心に、日々の食卓で楽しめる料理をつくり続けている。テレビ、雑誌での活躍するほか、年間数冊の書籍を上梓。第1回料理本大賞受賞の『常備菜』(主婦と生活社刊)のほか、ロングセラーの『[新版』私の保存食手帖』(扶桑社刊)など、著書はおよそ100冊に上る、ほか共著も多数。

 


<撮影/山川修一(扶桑社)、取材・文/田中ゆう子(扶桑社)>


第1回 松華堂『むさしの』と赤木明登さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、江戸時代後期から続く愛知県半田市の菓子店、松華堂さんの『むさしの』です。

第2回 しろ平老舗『きんかん大福』と夏至の菊皿


今回ご紹介する和菓子は、滋賀県にある御菓子司 しろ平老舗さんの『きんかん大福』です。

 

第3回 松琴堂『ゆきごろも』と矢澤寛彰さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、山口県の銘菓 阿わ雪で知られる松琴堂さんの『ゆきごろも』です。

第4回 諸江屋『わび』と赤木明登さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、石川県金沢市にある諸江屋さんの落雁『わび』です。

 

第5回 菓匠 右門『いも恋』と高仲健一さんの器


今回ご紹介する和菓子は、小江戸と呼ばれ情緒あふれる埼玉県川越市の菓子店、菓匠 右門さんの『いも恋』です。

第6回 菓匠 榮太楼『なまどら焼』と中里太亀さんの器


今回ご紹介する和菓子は、宮城県塩釜市で100年以上続く老舗和菓子店、菓匠 榮太楼さんの『なまどら焼』です。

 

第7回 五穀屋『山むすび』と三谷龍二さんのボウル


今回ご紹介する和菓子は、静岡県浜松市のお店、五穀屋さんの『五穀せんべい山むすび』です。

第8回 なが餅笹井屋『なが餅』と三谷龍二さんの皿


今回ご紹介する和菓子は、三重県四日市市の老舗和菓子店、なが餅笹井屋さんの『なが餅』です。

 

第9回 中川政七商店『めでたもなか』と矢澤寛彰さんの漆器皿


今回ご紹介する和菓子は、日本の工芸品をベースにしたおしゃれな暮らしの道具類を扱う人気のお店、中川政七商店さんの『めでたもなか』です。

第11回 なごみの米屋『ぴーなっつ最中』と高見八州洋さんの竹カゴ


今回ご紹介する和菓子は、千葉県の大本山成田山新勝寺と所縁の深い、なごみの米屋さんの『ぴーなっつ最中』です。

第12回 塩瀬総本家『志ほせ饅頭』と三谷龍二さんのプレート


今回ご紹介する和菓子は、創業660年余の塩瀬総本家さんの『志ほせ饅頭』です。お饅頭らしい一品をいただきたくて、お取り寄せしました。

第13回 亀屋則克『浜土産』と八田亨さんの板皿


今回ご紹介する和菓子は、京都文化博物館に程近い静かな通り佇む亀屋則克さんの『浜土産(はまづと)』です。

第14回 宗家 源 吉兆庵『陸乃宝珠』とガラスの器


今回ご紹介する和菓子は、ニューヨークをはじめロンドン、シンガポールなど世界各国で和菓子の魅力を伝えている宗家 源 吉兆庵さんの『陸乃宝珠』です。

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