第9回 株式会社向井珍味堂 社長 出来正樹さん

関西の老舗きな粉屋さんがつくる
きな粉100%のこだわりロールケーキ

 

ケーキは小麦粉でつくるというイメージがありませんか? そんな固定観念を覆した、きな粉100%生地のロールケーキを製造販売する株式会社 向井珍味堂。きな粉では関西トップシェアを誇る向井珍味堂のこだわりを社長の出来正樹さんにうかがいました。

 

――― おすすめ商品とその商品の特徴を教えてください。

 

出来正樹社長(以下、出来):おすすめしたいのは「きな粉屋さんのロールケーキ」という商品です。これは小麦粉や米粉を使わずにきな粉とメレンゲだけで生地を作っています。きな粉100%生地のロールケーキの作成は、開発当初、知り合いのパティシエさんに依頼しました。弊社のきめ細かいきな粉だから、ロールケーキのふわっとした生地が出来たと聞いています。

 

――― きな粉のロールケーキの製造販売で、一番難しかったことは何でしょうか?

出来:弊社は業務用商品を製造・販売している会社なので、まず、スイーツを販売するには一体どこへ売れば良いのかといった点から苦労しました。営業マンが全て手売りで、デパートへ足を運び毎月全国どこかのデパートで販売していましたね。

味に関しては、甘さの調整は苦労しました。ロールケーキは基本的にはどこを切っても同じなので、味に変化を持たせるフルーツ入り商品が多く見られます。弊社のロールケーキはクリームだけなので、一人でも一本食べられるくらいあっさりしたものを作りたいと考えました。

 

――― あっさりした味は幅広い年齢層の方に好まれると思うのですが、特にどういった方が買われるのでしょうか?

 

出来:40~50代の主婦層の方が多いですね。ご自身やお孫さんがきな粉が好きだからと買っていかれる高齢の方もいます。

 

――― 実店舗でも販売されていますか?

 

出来:はい。年に1回ほどTVの取材を受けることがあり、それをご覧になった方が来店されたり、口コミで買いに来られる方もいます。ですが、基本的には通販サイトから購入される方が多いです。ネットも実店舗のように口コミでじわじわ広まったりして、販売本数が増えていきました。

 

――― 貴社が起業時から製造している、きな粉や唐辛子粉についても特徴を教えてください。

 

出来:業務用が多く、きな粉と名のつく商品は約60種類くらい製造しております。大豆を仕入れる際は、生の大豆を歯で噛んできな粉に合うかを見極めます。糖度の高い大豆もあれば、豆腐に使うあっさりした種類など大豆にも色々ありますので、きな粉に合うものを選んでいます。これは長年培った経験者でないとわかりません。
弊社で生産しているきな粉は、熱風焙煎製法で大豆を芯まで煎りあげます。きな粉屋さんのロールケーキにも使用している国産大豆使用の極上きな粉は、大豆の薄皮を取り除いて、通常のきな粉よりも細かく挽いているので香りがよく上品な味に仕上げているのが特徴です。

 

――― 七味唐辛子はいかがでしょうか。

出来:こちらも山椒、唐辛子をはじめ全ての原料にこだわっております。
山椒は、和歌山県産のぶどう山椒というすごく香りの良いものをひとつひとつ厳選しています。唐辛子は国産です。全国で流通している唐辛子の約90%は中国産で、その中でも国産はごく一部なんです。この国産の唐辛子は、ただ辛いだけではなくて、旨味が感じられます。これらを職人が手で丁寧に混ぜていますので、大量生産ではなく、小ロットで生産しています。

 

――― サイトでは七味だけでも複数種類があるようですが?

 

出来:うちで販売しているのは8種類です。関西風と関東風があり、関西風はだしに合うようにつくっています。うどんのだしに七味をかけると、湯気とともにふわっと山椒の香りがするのが一つの特徴です。関東風はうどんでいうと醤油ベースのため、関西風では弱いので唐辛子を多めにしています。これらをベースに、例えば山椒を増量したものや、逆に山椒が苦手な方向けに山椒を抜くといった調整をしています。

――― 七味はうどんやそばに使うイメージがありますが、おすすめのお料理はありますか?

 

出来:ピザなどチーズを使う料理に合いますよ。あとは唐揚げや天ぷらなどの揚げ物にも塩と一緒にかけるとおいしいです。香りが良いので油に負けません。

 

――― 今後の展望をお伺いします

 

出来:弊社はきな粉に最も注力しております。一般消費者向けの商品では、あまり知られていませんが、業務用の業界では、お客様が求める安定した高品質、低菌数のきな粉を製造しており、大手製菓メーカー様も「向井珍味堂のきな粉」を指定してくださいます。 良い商品を製造していますので、向井珍味堂という名前を一般消費者に広く知っていただけるように、これからはスーパーや小売店など販路を開拓していきたいと思っています。これからも向井珍味堂の名前の由来でもある「他にない、珍しい、美味しい味のもの」をつくり続けます。

 

出来さんのおすすめ

冨士屋製菓本舗の豆菓子のプチギフト

http://www.rakumameya.com/

 

「豆菓子の元祖である雀の玉子という醤油味のお菓子が一番好きなのですが、ギフト用のパッケージがテトラタイプでおしゃれなので贈り物に喜ばれます」

出来正樹さん

ヒガシマル株式会社より出向。
2015年に現職に就任。

株式会社向井珍味堂
http://mukai-utc.co.jp/

1947年創業。きな粉製造は全国シェアの1割を占めている。

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