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第8回 なが餅笹井屋『なが餅』と三谷龍二さんの皿


 今回ご紹介する和菓子は、三重県四日市市の老舗和菓子店、なが餅笹井屋さんの『なが餅』です。なが餅は、何度か食べたことはありましたが、実はどこのお菓子なのか意識せずにいたので、きちんと知りたいと思い取り寄せました。

 なが餅笹井屋さんは、なんと1550年創業、460年以上の歴史がある老舗中の老舗。なが餅は創業時から売られているとのことですので、想像できないくらいの数が作られ、いにしえの人々から現代まで愛されてきたのでしょう。竹皮のような紙の包装から、伊勢詣の旅人も竹皮で携えたのかな?と想像をかきたてられます。
 長さは12、13cmありますが、薄くてとても食べやすいです。食事の後に、ちょっと甘いものが欲しいときにぴったり。2個くらいパクッと食べてしまいます。両面とも焼いてあるので、焼き餅の香ばしさが伝わってくることや、薄く入った小豆あんがひかえめでとても好みの味です。小豆の風味が分かりしっかりした甘さですが、薄いので、案外あっさりしています。国産のもち米、北海道産の小豆を使用し、保存料も入っていないので、餅とあんこだけの素材のよさを感じさせる、素朴なおいしさが味わえますよ。
 食べながらとっても気になったのは、作り方。つぶあんを丹念についた餅で包んで、平たく伸ばしているそうですが、小さい丸餅を手で伸ばしているのでしょうか? 長さも形もほぼ同じ…。いつかお店の方に聞いてみたいと思います(笑)。

 器は、三谷龍二さんによる四角い形と木目の入り方が美しい角皿。この皿は普段、サンドイッチやお菓子やフルーツをのせて使用しています。前回、三谷さんの作品を一通りそろえたお話しをしましたが、そもそもの出会いは10年以上前のお仕事でした。器にも流行があり、料理の撮影の際にスタイリストさんは人気の器を持ってきてくれます。当時、どのスタイリストさんも木器を持ってくるので、素敵だな~と思い聞いたところ、いずれも三谷さんの作品でした。そこからすっかりハマりました(笑)。豆皿やとっても小さなスプーンから1mもある大きなお皿まで、様々な作品を持っていますが、同じ形であっても木の種類、木目によって表情が違います。デザイン性が優れているのも、素材、木目、形の組み合わせが秀逸だからなのでしょうね。

 


さて、我が家の食卓を少しご紹介。
 4月後半になると、長野の実家から山菜が届きます。わらび、こごみ、タラの芽、ふきのとう、つくし、どれも独特の春を楽しめる味です。わらびは天ぷらやおひたし、こごみは茹でて鰹節にお醤油を少し、タラの芽は天ぷらに。ふきのとうとつくしは、母が調理してビン詰めにして送ってくれます。ふきのとうはふき味噌、つくしは油で炒めて甘辛くした佃煮に、どちらもご飯がすすみますよ。野菜は、鎌倉近辺では、ファーストトマト(小ぶりでお尻がとがっている品種)が出始めます。塩、コショウ、レモン汁を合わせたドレッシングを基本に、日によってバジル、シソ、ミョウガ、チーズを合わせることも。シンプルなサラダがいちばんおいしく、毎日のようにトマトが我が家の食卓に並びます。

<気になる和菓子>

なが餅


価格 648円/7個・竹紙包み(税込・送料別)


 賞味期限  製造日より3日


 店名 なが餅笹井屋


 住所 三重県四日市市北町5-13


 電話 059-351-8800


 FAX 059-351-8802


 営業時間 8:30~18:30


 定休日 元旦のみ


飛田和緒(ひだ かずを)

 

料理家。家庭料理や保存食などを中心に、日々の食卓で楽しめる料理をつくり続けている。テレビ、雑誌での活躍するほか、年間数冊の書籍を上梓。第1回料理本大賞受賞の『常備菜』(主婦と生活社刊)のほか、ロングセラーの『[新版』私の保存食手帖』(扶桑社刊)など、著書はおよそ100冊に上る、ほか共著も多数。

 


<撮影/山川修一(扶桑社)、取材・文/田中ゆう子(扶桑社)>


第1回 松華堂『むさしの』と赤木明登さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、江戸時代後期から続く愛知県半田市の菓子店、松華堂さんの『むさしの』です。

第2回 しろ平老舗『きんかん大福』と夏至の菊皿


今回ご紹介する和菓子は、滋賀県にある御菓子司 しろ平老舗さんの『きんかん大福』です。

第3回 松琴堂『ゆきごろも』と矢澤寛彰さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、山口県の銘菓 阿わ雪で知られる松琴堂さんの『ゆきごろも』です。

第4回 諸江屋『わび』と赤木明登さんの漆器


今回ご紹介する和菓子は、石川県金沢市にある諸江屋さんの落雁『わび』です。

第5回 菓匠 右門『いも恋』と高仲健一さんの器


今回ご紹介する和菓子は、小江戸と呼ばれ情緒あふれる埼玉県川越市の菓子店、菓匠 右門さんの『いも恋』です。

第6回 菓匠 榮太楼『なまどら焼』と中里太亀さんの器


今回ご紹介する和菓子は、宮城県塩釜市で100年以上続く老舗和菓子店、菓匠 榮太楼さんの『なまどら焼』です。

第7回 五穀屋『山むすび』と三谷龍二さんのボウル


今回ご紹介する和菓子は、静岡県浜松市のお店、五穀屋さんの『五穀せんべい山むすび』です。

第9回 中川政七商店『めでたもなか』と矢澤寛彰さんの漆器皿


今回ご紹介する和菓子は、中川政七商店さんの『めでたもなか』です。

第10回 HIGASHIYA『棗バター』と岡田直人さんのオーバル皿


今回ご紹介する和菓子は、美しい和菓子を生み出していることで定評のあるHIGASHIYAさんの『棗(なつめ)バター』です。

第11回 なごみの米屋『ぴーなっつ最中』と高見八州洋さんの竹カゴ


今回ご紹介する和菓子は、千葉県の大本山成田山新勝寺と所縁の深い、なごみの米屋さんの『ぴーなっつ最中』です。

第12回 塩瀬総本家『志ほせ饅頭』と三谷龍二さんのプレート


今回ご紹介する和菓子は、創業660年余の塩瀬総本家さんの『志ほせ饅頭』です。お饅頭らしい一品をいただきたくて、お取り寄せしました。

第13回 亀屋則克『浜土産』と八田亨さんの板皿


今回ご紹介する和菓子は、京都文化博物館に程近い静かな通り佇む亀屋則克さんの『浜土産(はまづと)』です。

第14回 宗家 源 吉兆庵『陸乃宝珠』とガラスの器


今回ご紹介する和菓子は、ニューヨークをはじめロンドン、シンガポールなど世界各国で和菓子の魅力を伝えている宗家 源 吉兆庵さんの『陸乃宝珠』です。

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