第1回 松華堂『むさしの』と赤木明登さんの漆器

はじめまして、料理家の飛田和緒です。
今回より始まったこの連載で、気になる和菓子とお気に入りの器をご紹介します。
和菓子は幼い頃から大好きで、うっかり食べ過ぎてしまいほど。気になる和菓子が、たくさん全国にあるので食べつくしたいくらいです(笑)。器はお料理に欠かせない大切な道具であり、個人的にもついつい買ってしまいます。そんな大好きな和菓子と器、そして、少しだけ我が家の食卓についてのお話です。

今回ご紹介する和菓子は、江戸時代後期から続く愛知県半田市の菓子店、松華堂さんの『むさしの』で、〝浮島〟という和菓子の種類です。ずいぶん前にいただいたことがありましたが、記憶が薄れてしまい、もう一度食べてみたいと思い、取り寄せました。

やさしい色使いは和菓子らしいのですが、見た目はスポンジケーキのような印象だったので、ふわっとした感触を想像していました。ところが、うれしい裏切りといいますか…、包丁を入れた時は軽いというより、どちらかといえば重いしっかりとした感触。そして、口にしたときの印象は…口当たりはしっとりし、口どけが良い。まるで、あんこが溶けていくような不思議な感覚です。味は、まさにおいしいあんこで、豆の風味が残りつつ食感はさらしあんのよう。あんこ好きなら一度は食べて欲しい、と人におすすめしたくなる和菓子でした。

器は、赤木明登さんの漆器の作品。東京の西麻布にある桃居というお店で、15年ほど前(記憶が確かではありませんが)に購入しました。漆器は上手に使うと、何百年も使える優秀な器。熱しにくく冷めにくい特徴があるそうです。使うにつれて色やツヤが変わるのも魅力で、食卓の風景をグッと引き締めてくれます。こちらは直径が約15cmなので、天ぷらやおつまみをのせて使ったりもしています。たくさん持っている赤木さんの作品のなかでも、使い勝手よく出番の多いお皿です。

さて、我が家の食卓を少しご紹介。
みなさんはこの季節、どんなお料理を食べていますか? 我が家では、年始はおせちや来客などでごちそうが続くので、7日の七草粥を境に、質素なごはんが多くなります。七草粥は、家にある適当な野菜で、セリだけだったりネギを足したりと、七草の種類にはこだわりません。塩味のいたってシンプルな粥です。
またこの季節は白菜を漬けます。本当は12月に漬けたいのですが、何かとバタバタしがちなので、少し落ち着いた年明けに。漬物と豚汁とおにぎりで、一汁一菜なんていうのもいいですね。
そして、定番中の定番なのが〝お雑煮〟。好きすぎて、毎日でもいいくらいなのです(笑)。しょうゆベースのすまし汁、白みその汁のほか、鶏ダシにナンプラーを入れたスープなど…様々な汁をつくっています。お餅が余って困る、なんて声をよく聞きますが、我が家では皆無! 小豆を炊いておやつにすることもありますよ。

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